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TVアニメ「ラブライブ!虹ヶ咲学園スクールアイドル同好会」は知ってるようで知らない世界。

「ラブライブ!虹ヶ咲学園スクールアイドル同好会」のアニメ化が発表されて、期待と不安で胸いっぱいだったあの頃から9ヶ月。2ndライブのお知らせで追加情報が発表されました。アニメ、10月からだってよ! そして公式発表からあっという間に半月が過ぎ、アニメの第1話が放送されました。今回はそのお話。

アニメを見た前提で話が進んでいくのでネタバレその他諸々含めてご承知おきください。

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うまれたトキメキ、あの日からセカイは、変わりハジめたんだ。

あなた――高咲侑のモノローグによって物語の幕は開けました。

アニメ化の一報を聞いたとき、スクスタをプレイしていたファンのいくらかは主人公であり、プレイヤーの数だけいる「あなた」の扱いについて考えたことでしょう。公式の選択は、ビジュアルと簡単な設定を用意して、名前を公募して、「アニメの中のあなた」として具現化することでした。声を担当するのが矢野妃菜喜さんであることは、アニメ放送時期と同じくアニメ放送半月前に発表されています。これまでのラブライブ!シリーズでは存在しなかった立ち位置の「あなた」であり高咲侑。あくまで狂言回しに徹するのかと思いきや、ひとりの登場人物としてしっかりと個を発揮していました。キャラクターとして魅力的で、一緒に鑑賞しているアイマスファンである通称プロデューサーからは「この子はプロデュースできないんですか?」と聞かれるくらい。「いや、どちらかといえばこの子がプロデューサーだから」と返しはしたものの、歌って踊れる矢野さんを起用したわけなので、いつか歌いだしたり踊りだしたりする未来は否定はできません。

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「そういえばスクスタのストーリーってどんなだっけ?」とアニメを見た後に振り返ってみました。第2話のメイン担当である中須かすみに出会うまでの物語を要約すると「お揃いのパスケースを買った上原歩夢とあなたが声援を耳にし駆け付けた先でμ'sとAqoursを見て感化されてあなたがひとりでスクールアイドル同好会を探して部室を開けたらかすみがいた」だけでした。薄い。薄すぎるぞ。スクスタリリース当時は突然の過剰供給に喜びのあまり気が付いていなかったのですが、改めて振り返ってみるとストーリーがペラッペラです。廃部の危機に晒されても、話せばわかる物分かりの良さで何の困難もなく部員を集め、わずか1章で乗り越えてしまいます。一方でアニメ第1話は例えばパスケースを買うにしても、冒頭で「いまいちトキメキが足りないね」と侑に言われたものを実は歩夢がこっそり買っていて、何だかんだあって、最後に侑に手渡してエンディングを迎えます。本作はスクスタでペラッペラだった虹ヶ咲学園スクールアイドル同好会のメンバーが揃う前後を膨らましながらリメイクする形で私たちの知っているようで知らない世界を描いていくのかなと推察しています。

そう、知らない世界。知らない世界だったんですよ。私の知っている世界ではこの時点での歩夢の加入はなかったのです。ところがいつもの日常のひとコマであろうお買い物からの帰り道。歩みを止めた歩夢の口からある決意が語られます。

二人で、二人で始めようよ、侑ちゃん。

な、なんだってー!!
スクスタでは中須かすみと廃部の危機を乗り越える過程で「あなた」が歩夢を誘っていました。それが、なんと、歩夢から歩み寄ってきたのです。まさかの展開でした。まさかすぎるので、歩夢の気持ちには少しばかり疑心暗鬼なところがあります。歩夢の真意はどこにあるのでしょうか。大好きな侑がスクールアイドルを応援したいと言うからスクールアイドルになることを決意していたりしていないでしょうか。(スクスタと異なりμ'sとAqoursは出せないので)優木せつ菜のパフォーマンスを見て感化され、同じく感化された侑と行動を共にしながら決意に至るまでの心境の変化に興味があります。

だから、見ててほしい。

歩夢は鞄を手放し、階段を駆け上がります。この脈絡のないミュージカルのような展開はまさかまさか……!

新曲だー! もう「Dream with You」というタイトルがたまりませんね。Dreamは歩夢を、Youは侑を連想させます。作詞はAyaka Miyakeさん。虹ヶ咲のナンバリングアルバムのソロ楽曲は作詞を統一することでキャラクターらしさを表現してきたと思っていたので少しばかり意外でした。よくよく考えると「 無敵級*ビリーバー」もAyaka Miyakeさんだったので、ナンバリングアルバムとは作り方が違うのかもしれません。いやぁCGすごくないですか? すごい。何がワクワクしたかといえば、予定調和的に考えれば、このクオリティの新曲PVがあと8人分見られことが約束されたわけですよ。すごくないですか? すごい。これだけでも毎週見る価値があるように思います。第2話では中須かすみの新曲が見られるはずで、私の中の期待感が高まっています。

流れ的に歩夢ソロをEDにしてしまっても構成としては成立すると思うのですが、有難いことにしっかりばっちり別に用意されていました。特徴的なタッチのEDアニメーションはめばちさん。シンプルな線と塗りで魅せる技に憧れます。同じくめばちさんがEDを手掛ける「少女歌劇レヴュースタァライト」を思い出すなぁと思っていたら演劇部の部長の声がスタァライト主人公の小山百代さんであることを知って笑いました。ラブライブ!シリーズのEDと言えば、各話ごとに歌うキャストが異なることが慣例となっているので、そのあたりも注目です。侑に歌わせるとしたらEDがやりやすいよなと思ったりはします。OPはおあずけだよ! 楽しみだよ! ED作詞は専属ではないながら関わってくださった畑亜貴さんでしたがOPは一体誰が書いているのでしょう。気になります。

その他気になったところ
・知らない人が観たらコッペパンに力入れすぎなんじゃないかと思われそうですがまさかのエイプリルフールネタの回収です。歩夢ソロMVの中にキャストが表紙を飾ったときと同じ構図が含まれていたそうで、知っている人が見ればわかる仕掛けがいろいろ仕込まれそうな予感がします。
・天王寺璃奈が最初からボードをキャストオフしている……! 素顔を出している……! 9ヶ月くらい前まで素顔が公開されていなかったので初っ端からの公開に驚きです。逆にボードをキャストオンするエピソードがあったりするんでしょうか。袖を掴んで無表情で無機質にしゃべるところが可愛かったです。
・足首の腱とか踝とか膝とか鎖骨の線がいちいち描かれていて骨に対するフェチズムを感じました。とにかく盛ればいいってもんじゃない描き方に胸に対するフェチズムも感じました。
・中須かすみは表情が変幻自在なので想像通りアニメ映えします。次回予告の「Cutest(はーと)ガール」でその顔ができるのはかすかすだけだよ……愛おしい。

まとめ
追いかけているコンテンツの新シリーズのアニメーションの幕開け。期待感はあるけれど期待しすぎるとガッカリしてしまうので期待値低めで臨みましたが、何だかそれが失礼なくらい素晴らしい1話だったと思います。掴みはOK! 知っているようで知らない世界は、これまで追いかけてきた人もこれから追いかける人も引き付けることができるのではないでしょうか。ひとりひとりを丁寧に描いてくれそうな印象が(今のところ)あり、スクスタで三船栞子が正式に加入した際に9人のエピソードの薄さを嘆いていた人たちの心の穴をしっかり埋めてくれる作品になるような気がします。私たちにどんな未来が待ち受けているのか。TOKIMEKIが止まりません。

余談
ラブライブ!サンシャイン!!のアニメ放送が終わってから3年が経とうとしているんですね。

久々なので忘れていましたがそういえばこういう商売するんでした! 作品を見ながらその週のメモリアルアイテムが何モチーフの何なのかを考えるのもなかなか面白いです。「フォトフレーム」「Tシャツ」ときて「のれん」がきたときは「3話でもう飛び道具!?」って笑っちゃったよ(でも意外と使えるらしい、のれん)。

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虹アニメ第2話楽しかったよという話。

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