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虹ヶ咲学園スクールアイドル同好会 2ndアルバム「Love U my friends」について~そのタンスにはいくつの引き出しがあるのか~

2019年12月14&15日に開催される「虹ヶ咲学園スクールアイドル同好会 First Live “with You”」までひと月をきり、チケット戦争がひと段落ついた今日この頃。皆様如何お過ごしでしょうか。1stアルバム「TOKIMEKI Runners」と2ndアルバム「Love U my friends」を合わせて持ち歌20曲。具体的には9人全体曲2曲と、9人ソロ曲それぞれ2曲ずつの18曲。一体どのようなセットリストを組んでくるのでしょうか。恐らくは2ndアルバムに軸足を置くと思われますが、彼女達が活躍する「ラブライブ!スクールアイドルフェスティバル ALL STARS」から彼女達に興味を持った人たちや、3月に品川ステラボールで行われた「校内マッチングフェスティバル」に参加できなかった人たち(私だよ!!)が一定数存在し、1stアルバムの楽曲ライブ披露にまだ立ち会えていないことを考えると1stアルバムの楽曲もやってほしいなという想いがあります。やれるのか……いや、やってくださいお願いします。

さて、本項は2ndアルバム「Love U my friends」についてのお話です。一言で言えば「虹ヶ咲の作詞・作曲家さんたちをこれからも応援しています」に尽きます。

まずは1stアルバム「TOKIMEKI Runners」について。発売1周年おめでとうございます。一発目として非常に完成度の高いアルバムで、これまでラブライブ!シリーズの作詞を手がけてきた畑亜貴さんが書いた表題曲「TOKIMEKI Runners」は勿論のこと、ラブライブ!シリーズとしては異例の畑亜貴さんではない作詞家らによる9人それぞれのソロ楽曲も素晴らしく、9人の個性がキラリと光る自己紹介のような楽曲だったと思います。彼女達のことをそこそこ知っていた私にはわかりかねるのですが、彼女達のことをあまり知らなくても楽曲と歌声を聴けば、それぞれのキャラクターがどんな子なのか、なんとなく想像がつくように作られていたのではないでしょうか。間違っても近江彼方を元気ワイルドガールだとは認識しなかったはずです。そして私は1stアルバムを絶賛すると同時に思ったのです。

「これ2ndアルバム以降どうするのよ?」

虹ヶ咲学園スクールアイドル同好会の特殊な点は「それぞれが個々で活動するユニット」という一見すると矛盾した構造になっているところです。純粋にソロで活動しているのであれば、特に考えることなく1曲目とは違う引き出しを開けることでテイストの異なる2曲目を作ることができます。ところが、同じ枠に9人いるとなるとタンスが9棹あるようなもので、開ける引き出しを考えないと、タンスが被ってしまう可能性が出てきます。つまり、1stアルバムの楽曲とテイストを変えようとしたときに「え、そのテイストの楽曲なら、隣の子に歌ってもらったほうがよかったんじゃないの??」と指摘されてしまう可能性があるということです。3人程度ならどうにでもなりそうですが9人もいるとなると、選べる引き出しの数はそんなに多くないのではないか。1発目に「キャラクターらしさ全開! 最高!」を持ってきてしまったが故に、以降は中途半端なものしか出せないのではないか。そんな不安を抱えていました。

その点を虹ヶ咲学園スクールアイドル同好会をしっかりフォローされている方に問うてみると「新たに発足した分割ユニット(DiverDiva、A・ZU・NA、QU4RTZ)の活動を通して新しい一面が発掘されるのでは」と回答頂き、ある程度納得したのを覚えています。3月頃の話です。それから半年、ユニットCDよりも先に2ndアルバムがやってきたのです。どうするのよ?

そして発売された2ndアルバム「Love U my friends」。蓋を開けてみればとてもよくできていました。1stより好きな曲も多く含まれています。何よりキャラクターらしさがしっかりと守られていました。ちゃんと同じタンスの別の引き出しや同じ引き出しのさらに奥を見せてくれたのです。そのための工夫のひとつはそれぞれの楽曲の作詞家を変えることなく作曲家を変えたり変えなかったりしたことだと思います。この点は感心しきりで、どの曲も「え、そのテイストの楽曲なら、隣の子に歌ってもらったほうがよかったんじゃないの??」と感じることはありませんでした。一番ギャップが大きかった朝香果林の楽曲ですら、紛れもなく朝香果林のための楽曲でした。一方で、その裏返しとも言えるのかもしれませんが、「キャラクターと作詞、場合によっては作曲も同じ」であるため、1stアルバムで好きだったキャラクターの曲はやっぱり2ndアルバムでも好きであるみたいなところはあるのかもしれません。私の中では1stでも2ndでも中須かすみと優木せつ菜と天王寺璃奈の楽曲が大ヒット。特に意識はしていませんでしたが、本項のために調べてみると、鈴木エレカさんとNOVECHIKAさんの関わる楽曲にやられていることが判明しました。良く言えばキャラクターに寄り添った作家らの個性がしっかり発揮されているとも言えるでしょう。総じて「虹ヶ咲まだまだソロCD出せそうじゃん」と思える満足度の高い1枚でした。

2ndアルバムはお見事だったわけですが、1stアルバム発売時に私が感じた「これ以降どうするのよ?」は今後も付いて回ってくる問題です。同様の方針をとり続けるならば、それは作詞家、作曲家の皆さんの引き出しの数と種類が試されていると言っても過言ではありません。2月のユニットCD発売を経て、3rdアルバムでは一体どんな引き出しを見せつけてくれるのか。来たるその日を不安ではなく期待を抱きながら待っています。応援しています。

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