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ラジオリスナーの悲劇③
[②からのつづき]
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ふくらはぎから下が重くそれ以外の感覚は遠く離れ、一瞬時間さえも分からなくなった。
どの位の時間が経ったか…
ふと『明けない夜はない』の言葉に絶望した時期があったなと思い出した。あれは中学1年だった。朝になれば学校に行かなくてはならない。逃げる選択肢は見えてなかった。大人に相談なんて物語の中の話と思ってた。ましてや親に学校で何があったかなんて言えやし
ラジオリスナーの悲劇②
[①からのつづきです]
東京から下って荒川を渡るとすぐの埼玉県K市のマンションの窓からサンシャインの上層が僅かに見える。武者小路さんの住まい(とラジオで言っている)池袋の方を向いて拝むような気持ちでそのビルを眺めていた。
深夜1時半を回った街は静かにまばらな明かりを灯してた。緊急事態宣言がなされてから2週間あまり、『眠らない街』というフレーズも最早古く『街は眠らない時代』であった筈が、今は夜は
ラジオリスナーの悲劇①
月曜深夜。まぎれもなく月曜深夜。
既にベッドに入って部屋の電気は消してある。こうなると一般的には消灯なのだろうが、僕にとっては20年行ってきたスタンバイなのである。
同じ趣味を持ってる仲間はたくさんいる。ざっと地域の人口の1.2%もの人々だそうだ。が、誰一人顔を知らない。
皆スタンバイの方法は人それぞれだろう。僕の場合はこのスタイルでやってきた。もしかしたら深夜1時の5秒前、この瞬間がマックス