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第16回放送「理科のおもしろさをどう伝えるか③」をまとめてみた!

こんにちは🌤ボケットです。

こちらのマガジンでは、前回までに、第14回、第15回放送「理科のおもしろさをどう伝えるか」をまとめてきました!

今回はその放送の最終回に当たる第16回放送「理科のおもしろさをどう伝えるか③」のまとめです!🌱

・第14回放送まとめ→https://note.com/boketto88/n/n35cd230d5dc7
・第15回放送まとめ→https://note.com/boketto88/n/n6bc860310404

これまで生活科や理科の授業の中で、子どもたちが思わず動き出して、気付いたり、考え始めたりするにはどのようにしたらいいかについて考えてきました。

その最終回に当たる第16回放送。僕創先生とスッチーは、いったいどのようなことを語り合っているのでしょうか??

⑴理科実験での「子ども主体」って何??

「子ども主体の授業」とはよく言いますが、そもそも「主体」って、具体的にどのようなものなのでしょう??

文科省のほうから「アクティブ・ラーニング」は提示されているものの、その具体像を感覚として掴み、実践できるようになるまでには、なかなか大変なものです😰

そのために、教師側はいろいろな方法を模索するのですが、例えば、
・「子ども主体」というのだから、結構、子どもに任せたほうがいいのかな?
・子どもに「与えすぎ」てはいけないのかな?どこまで与えてよいものなのかな?

などと、悩んだことはないでしょうか??(by スッチー)

私も結構あります😅

では、これらの問題について、僕創先生はどのように考えているのでしょう??

僕創先生は放送内で、理科の授業づくりを例に挙げながら、この問い対する考えを語ってくれています。

例えば、理科で「条件制御」って、出てきますよね💡
5年生から登場する実験方法を考える時に使う「理科の考え方」です。

この「考え方」を扱う授業では、子どもたちに実験方法を考えさせる場面が出てきます。

では、「子ども主体」の授業では、
・なんでも自由に、子どもたちに実験方法を考えさせてもよいのでしょうか?
・もし例えば、子どもたちが考えた方法が「危険なもの」だったとしても、その考えは尊重して、やらせたほうがよいのでしょうか?

こういった問題が出てきます。ちょっと極端には考えてますが、たしかに🤔

こちらが実験方法を完全に提示してしまってもダメだし、
かと言って、子どもたちに自由に考えさせて、途方もない実験をしてしまってもしょうがない💧

「主体的に実験を考える」って、具体的にどのようなことなのでしょう??

⑵6年生「植物の水の通り道」実践

このことについて、僕創先生は次のように語っています💡

例えば、「条件制御」ならば…
「条件を揃える」については子どもたちに考えさせる
しかし、実際に行う実験方法については教えてしまってもよい

のではないか、ということみたいです。

これだけだとちょっとわかりにくいので、
僕創先生はこのことを自分の実践例に即して、説明してくれています📖

例えば、6年生の「植物の水の通り道」の実験方法を考えさせる場面です💡

まず、「植物の水の出口はどこ?」という予想の段階で、子どもたちに色々予想させます。

「葉っぱから出るんじゃない?🤔」
「茎からでは?🧐」
「花から出ているかも!😃」
「根で水を吸い取って、根から出しているのでは?🙃」

などなど。子どもたちらしい予想が出てきます。

「予想」の次は、もちろん「実験方法を考える」場面に入ります。

この場面に入る時、実際には様々な切り返しや発問、提示方法が考えられますが、
僕創先生は「では、この袋を使って、予想したことを確かめていくよ」と子どもたちに伝えます。

「実験の主道具の提示」ですね💡

「今、予想した部分から水が出ているなら、袋をかぶせれば中に水滴がつくはずだよね」ということは、4年生の既習事項ですから、この辺りは子どもたちも納得するはずです。


そして、僕創先生はさらに、子どもたちに発問します。

「では、今の時期に実際に試せる部分はどこ?」

この授業って、6月くらいにやることが多いですよね💡ですから、「花」は咲いてないことが多いし、「根に袋をかぶせる」ってのも、実際はちょっとな…。

というように、実際に実験が可能なものを絞って、子どもたちに考えさせる。
「実験環境の妥当性」を子どもたちに考えさせるのも、理科的な考え方としては、とても重要なことだと思います🔬

今ある素材の中で、確かめたいことを確かめる力。
ある一定の範囲内で、実験の方法を考える力も、「条件」への着目の姿なのではないでしょうか?🌱


そうすると、この授業では、自然のうちに、
・葉っぱに袋をかぶせる
・葉っぱを取って茎だけにしたものに袋をかぶせる
という2つが残ります。

これは教科書に書いてある一般的な実験方法になります。

もちろん、この2つ。
・生育環境は同じにして、
・片方は葉と茎がある、もう片方は葉がなく茎だけある

というようなことは扱いますから、「条件制御」と「比較」の理科の考え方を使った実験方法になりますよね👍


「子どもに主体的に実験方法を考えてほしい!」 けど、
「どこまで子どもの考えを尊重して、実験を実現させていったらいいの??」

そういった悩みに対しては、

僕創先生のように、
「実験の主道具の提示」
「実験環境の妥当性」を子どもたちに考えさせる

ような一工夫を入れることで、その微妙なアンバランスさを解消できるのかもしれません☘


このことについて、僕創先生曰く、
「すべてを子どもに任せてしまうと捉えさえたい内容までカリキュラム内で辿り着かない」
とのこと。

「問題解決への意欲が高まった状態で、いろいろな予想ができ、その解決法を考え始めることができていれば、実際に行う実験方法については『この方法はどう?』『実際にできるのは何?』ということでも、子どもの主体性を阻害している感じはしない」とのことです😃

私たちも実際にはカリキュラムの範囲内で動かざるを得ません。ですから、与えられた範囲内で、一工夫を入れながら、教育方法を構築していく力も必要なのかもしれません🌱

⑶5年生「電磁石の性質」実践(「電磁石研究所」)

ですが、この後、僕創先生はラジオ動画の中で、「実現可能であれば、可能な限り、子どもたちが考えた実験方法を実現させてやりたい!」という主旨の発言をされています😲

たしかに。「実現可能であれば、可能な限り」という範囲内であれば、それは子どもたちが考えた実験方法を実現させてあげたいですよね!


そこで、僕創先生は、5年生の「電磁石の性質」の実践例を挙げてくれています🧲⚡️

「磁石の周りにコイルを巻いて、電流を流すとどうなるか?」っていうような実験をやるところです。授業が進んでいくと、「流す電流の力を2倍にすると、電磁石の力はどうなるの?」とか「コイルの巻数を2倍に増やすと、電磁石の力はどうなるの?」とかを実験する単元です💡

僕創先生のクラスでは、この電磁石の実験。
なんと、グループ毎に「研究所」をつくって、実験して、学習を深めていったようです!!

いったい、どんな「研究所」ができたのでしょう??👀


この単元の学習で、僕創先生は「電磁石の強さを強くするには??」と発問します。

すると、子どもたちは…
「コイルの巻数を増やす😃!!」
「電池を2個にしてみる😆!!」
「コイルの数を増やす😋!!」
「コイルの長さを長くする😁!!」
「いや、逆に短くしたほうがいんじゃない🤔?!」
「導線を太くする😝!!」

などなど。様々なユニークな発想を出してきました👏

教科書で扱うのは、「コイルの巻数を増やす」や「電池を2個にしてみる」などというのが一般的ですが、やはり、他にもいろいろな発想が出てくるもんですね!

この色々出てきたユニークな発想。どうにか実現させてあげたい!!

そして、冷静に見れば、この子どもたちが出してきた発想は…、
「実現可能なもの」ですよね!!

ということで、僕創先生は子どもたちに言います。
「じゃあ、全部試してみよう!!」


そうやってできたのが、先ほど書いた「研究所」です🌱
・コイルの巻数を増やしたグループ
・電池を2個にしてみたグループ
・コイルの数を増やしてみたグループ
・コイルの長さを調整したグループ
・導線を太くしたグループ

これめっちゃ、面白そうですよね!!🤩

子どもにとっては、自分のグループの実験も気になるし、他のグループの実験も気になる🤓

実験を考えたり、実験をする過程の中で、グループの親密具合も増しそうですし、
「あのグループがんばってるな」「あのグループすごいな」「よし、自分たちも負けないぞ!」
みたいに、クラス全体も盛り上がっていきそう!!


注目はやはり「導線を太くするグループ」ですが、実験結果は…

<導線を太くすると、電磁石の力は大きくなる!>

すごい🙌✨

このようにして、僕創先生は子どもたちの学びを深めていきます☘


今回はもちろん、子どもたちが考えたものが、「実現可能範囲にあるもの」でもありましたし、
何よりも、「この方法なら授業のねらいに到達する!」という考えもあったようです。

たしかに、子どもたちの考えたものが、実現可能範囲にあるものでも、授業のねらいに到達しなさそうなものであったら、学習は深まりませんよね!!

「得られた結果が、なんなのかわからない」ような実験をさせてしまうのは、理科としては「う〜ん」という授業になってしまいますから。

僕創先生曰く、このように、
「ねらいに行くか、行かないかで、子どもたちが考えた実験方法を行うかどうかを判断する」

のも大切な教師の仕事のようです😌

僕創先生は、「ねらいに行くのであったら、実験方法を自由に考えさせて、やらせてもよいのではないか」とも仰っています。たしかに、このような実験なら、可能な範囲で学習も深まり、最後まで子どもたちも主体的に取り組むことができますよね!!


ただ、実践の裏話にはなりますが、太い導線をホームセンターに買いに行ったりするなど、準備は少し大変になるそうです。ですが、その苦労の分、子どもたちが得られる学びは大きなものになったのではないかと、私は思います🌱

いや、それにしてもいいお話を聞けて大変よかった!!授業がすごく楽しくなりそうです😆✨

理科実験での「子どもの主体」をまとめると…
実験の主道具の提示 や
実験環境の妥当性を子どもたちに考えさせる 工夫
・実現可能な範囲で、授業のねらいに到達するものなら、子どもたちが考えた実験方法で行う

ことで、科学的な系統性から外れずに、子どもの主体性を活かす授業となり得そうです🍃
みなさんもぜひ、日々の授業で役立ててみてください!


以上、今回は「理科まとめ」シリーズ最終回、
第16回放送「理科のおもしろさをどう伝えるか③」のまとめでした!

みなさん、いかがだったでしょうか??


第14回まとめにも書いたように、教師のポジティブな思いは子どもの学びを深める原動力です。
子どもたちと一緒になって、悩んだり、考えたり、問題解決する中で、今まで自分が見えていなかった世界が広がります🌎

そんな世界が毎日広がる。教室という一見狭く見える空間は、私たちの捉え方によっては、どこの世界よりも深く広い、学びの空間になる。

そういった視座を持って、毎日、教室に足を運びたいな、と改めて思いました。

このまとめの文章が、誰かの何かのきっかけになっていてくれたら幸いです☘

また、記事を見て「ラジオ動画を視聴してみたい!」と思った方は、
Facebookグループ「僕創とスッチーの二人語り」
https://www.facebook.com/groups/futarigatari/ へ。
放送は「10分×3回」程度が、毎週土曜日に更新されています!

次回からは、もう一人のパーソナリティであるスッチーの得意分野「体育まとめ」シリーズに突入予定です!!乞うご期待!!

(2020/10/11:ボケット)

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