見出し画像

彼女のピアス

「お誕生日」

  SNSは、友人のお誕生日を知らせてくれる。
今日は、4年前に彼岸へ旅立った彼女の誕生日。アカウントを消す人もなかったのだろうか。今もページが残っている。パラリンピックが今ほど認知されて脚光を浴びていない頃の金メダリストたち。彼女はそのうちの一人だった。カットサロンのご縁で、年に一回お正月にお話する機会に恵まれた。スポーツテイストだけれども、おしゃれなショートカットの女性。仕事を定年までバリバリこなし、ダイビングでも世界をめぐり、とにかくいつも前向きで海の中の話を楽しく聞かせていただいた。人には言えない辛酸や苦労を積み重ねて輝く人生。誰もができることではないけれど、コロナでしゅんとしているときに彼女のチャーミングな声を思い出すと、「喜び」が起こった。人の心にちゃんといてくれているのだなと、彼女の身につけていた揺れるピアスを思い出した。本当に身近ななところに偉業をなした人がそっといる。大阪らしく、ノーブランド、オンリーブランドの女性だった。

ありがとう。

2021年2月23日



この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?