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[Kayの読書]ぼくはイエローでホワイトでちょっとブルー★★★★☆

色の違いがどうしても目につく人のための本

同じ色の集団の中に違う色のものが混ざっているのが苦手でどうしても目についてしまう、そういった方にぜひ読むことをおすすめしたい本です。

この本は、アイルランド人の配偶者と英国に住み息子を育てる日本人女性が、多様な文化の中で暮らし子育てをする中で起こる「日常」の出来事が描かれたノンフィクションです。

ただ、それらの「日常」は、僕ら日本人が経験している「日常」とはかけ離れたもので、こんな一生に一度しか起こらないような出来事やハプニングが、多様な文化の中では「日常」でたびたび起こるのか、と驚かされます。

ガイジン、ハーフは酷い言葉

また、見た目がアジア系の息子さんを英国で育てる中で受けた差別や偏見、息子さんが日本に帰省したときにガイジンさんだとジロジロ見られた経験についても書かれているのですが、その差別にどう対したか、その経験を通じて筆者が息子さんに伝えた差別偏見の「いなし方」は、ひとりの親として大変参考になるものでした。(ガイジンと言った日本人にはもちろん悪気は無いし他人を傷つける意図はまったく無くて、だからこそ、その自覚の無さが一番の難敵。ちなみに、英国人と日本人の「ハーフ」という言葉もヒドい言葉なので注意。)

世界を見渡さないと見えてこない「多様の幅」

ダイバーシティーやLGBTという言葉が日本にも浸透してきて、多様な人種、意見や文化を理解し歓迎する動きが出てきたとは言え、歓迎すべき「多様の幅」がここ日本ではまだまだ非常に狭いということを感じ考えさせられる本でした。


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