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場所のあいだ

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詩集Ⅰ
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2021年12月の記事一覧

美のプラトー

美のプラトー

水面が揺れるように、春の断崖から落ちてゆくいのちの燦々。何かに耐えられずに、ひかりになった人たち。その代弁者が、笑いながらお互いを傷付けあっている稜線の上で、ぼくは1組の男女に出会った。

ぼくは尋ねた。
「あなたたちは何とたたかっているのですか?そして、なんのために?」

女性は目を閉じて、開口した。
「人間は哀しい。美を目指すものしか美しくなりえないのは、何という悲惨でしょう。美を目指すものに

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内省する雪原

純白がこの土地から言葉を奪ったとき。風は凪いだ。息さえも見えてしまう白昼に、世界はあらゆる種類の汚れを奪われてしまったようだった。すべてを黙らせ、窒息させる風景。ここに声は存在し得るだろうか。

ぼくが汚し続けている風景。この重責はぼくを、極めて冷淡に潰してしまう。土を蠢く言葉はコスモスを、脱色した上で枯らす。血液を終わらせる感情はウサギを、死ぬよりもはやく腐らせる。いきものとしての望みは絶たれて

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牧歌の眠る丘

牧歌の眠る丘

きみはまっしぐらだった。みんなここではないどこかへ行くことを望んでいたのに、きみはきみであることがわかっていて、ちょこんと座り込んで、息をするように花を摘んでいた。あまりにも楽しくて、眠れない夜もあった。そういう時は、ホットミルクを飲んで、それから、幸福のぬくもりの中で安らいだ。あの甘い匂いを覚えているだろう?

きみは恋をするように、野放しで、たくさんのきみではないものと遊んだ。たんぽぽの綿毛、

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