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出会う・触れる・親しむ 民藝 「やさしい民藝入門」 2022.04.23

ATELIER MUJI GINZAで民藝の展示を見たのは、約1年前
その後色々なものに出会い、読んだ今、興味の度合いが深くなっている気がして申し込ませていただいた。

 出会う・触れる・親しむ 民藝 ~やさしい民藝入門~
1回目:2022/04/23(土) 10:30~12:00
講師:株式会社たくみ代表取締役 日本民藝協会理事 東京民藝協会副会長
野﨑 潤
2回目:2022/05/21(土) 10:30~12:30
講師:株式会社露木木工所 専務取締役 露木清高
3回目:7月予定

「日本橋LOOP」は、日頃から日本橋とその周辺エリアや日本橋髙島屋S.C.に親しみ、活用している会員が、会員相互の交流・親睦の他、コミュニティ活動を行うことを目的とした会。
他にも様々なアクティビティがあるようです。

第1回目は「出会う」。
講師の野崎氏が民藝と出会い、たくみで働くようになるまでの半生を語った。
百貨店で仕事をしながら自らも蒐集家であった父のコレクションを日常使いにしていた幼少期。
大学時代に学芸員資格取得のための実習で、父のコネクションを使い、日本工藝館の初めての実習生を勉めたそうです。

あー、松濤美術館で研修させていただいたなぁ、とか、
フランスアンティーク食器に親しむ大学指導教授、
そして最初の仕事は英国アンティークをそのように販売する仕事をしていた事を思い出す。
方法論・思想の方向性は同じでも、ジャンル(文化?)が違うから知らない世界、だから知りたい。

実際に窯元に行った際の写真を、動画をスクリーンに写しながら制作過程やその背景をお話しいただく。
銘を冠さない民藝の器を作る職人ひとりひとりを親しげに名を呼び、紹介することにより、「無名の器」は「手仕事の器」として迫ってくる。

そして持参いただいた自宅で実際に使っているものと、お店に並んでいるあたらしいものを、自分の手に取り、間近に見る。


改めて読んだ柳宗悦の本の云わんとすることが、去年より質量とリアリティが増して手に握れた感じがする。

… 如何なるものを指して「工藝的」と呼ぶのもであるか。どんな性質を持つとき、ものが「工藝的」となるか。…この心理を具体的に言い現すために…。それも直接工藝の世界でないものから例を取ろう。

挙げられていくのは仕事人の掛け声から、動作。兵隊の歩行。ロマネスクの聖像、教会のミサ。僧侶の読経。茶道、華道。能。

それは型にまで至り得たものだからである。…型を守るとき不自由になるのではない。肩に入って一番自由に「能」が舞えるのである。…西洋の舞踊はまだあそこまで凝結していない。動静一如の法からは遠い。動が余り過ぎている。もっと静に在って動が出るはずである。否、静に交らずば心の動はないはずである。「能」はその点で至るところまで至った藝である。そこには則るべき型がある。かかるものを私は「工藝的なるもの」と呼ぼう。

そして形態美としての相撲。武術。散文、特に17字の俳句。さらに法則を示す科学まで。
そして、これらの共通の性質を挙げていく。

・「私」の世界を超えた、公の世界を獲得したもの
・掟の姿、型をもったもの
・従うべき法、伝統的性質をもったもの
・単純化された、精華のみが描き出された姿
・韻律的であること
・整理されたもの。象徴的なもの。本質的なものが引き出されたすがた
・模様化。単純な形に還元したもの
・手馴れ、修行・訓練された、熟したもの
・玄人のもの


最後に見せていただいた宗悦の掛軸。
今 見ヨ
イツ見ルモ

「いつ見る時も、“今見る”思いで見ることがいかに大切であり、そうでなくては心なるものを捉えることは出来ない」と説くその言葉を持って、銀座たくみの店舗にお伺いしたいと思う。

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