モエレ沼公園 - イサム・ノグチに再会 -
前日は夕方まで雨。
夜も時折小雨がぱらつき、肌寒い、くらいだった。
その翌日は思わず散歩したくなるくらいの眩しい青空。初夏の北海道。
電車に乗って、バスに乗って小1時間。
札幌市街にあるMOERE NUMA PARK SAPPOROに行ってきた。
降りたのは「モエレ沼公園西口」。
ひと気もほとんど無く、案内看板に導かれて並木道を進むと、まるで川のようにぐるりと公園を囲む沼が。
広がる景色に深呼吸。
中に入るとランニングしている人々がたくさん。
道を辿ればいいのだろうけど、逸る気持ちで芝生の坂を登っていく。
登るごとに見えてくる緑の山。
登りきれ走れるようにトラックの周りを囲っている芝生の道。
そしてグリーンの、人口でない芝生でサッカーをする少年たち。
案内図にある、陸上競技場というのを最初に目にした事になったのですが、
なんとも贅沢で羨ましい環境。
気が向くままに、と時計回りに移動してテトラマウンドへ。
無機質なだけでないが、「彫刻」であることを思い出させる。
この規模感なので、どこにいるかで見える部分が大きく異なる。
側に寄ればその重量感、肌触りが迫ってくるのだが、背景になる青空とのコントラストで怖くないのが不思議。
テトラマウンドをくぐって進めば、右にミュージックシェルが姿を現し、プレイマウンテンが迫ってくる。
登っている人影を見ると、登りたくなるよね!
と、実は一番急斜面だった道なき道を登ってしまう。
登ってみなければ見られなかった景色。
遠目に植物の高低、そして色のグラデーションが美しかった斜面を、間近に見れば同じ花のボリュームだったことが分かったり、段々畑のようになっているのが分かったり、公園の全体がどうなっているのかが徐々に見えてくる。
強くなっていく初夏の日差しが容赦なく照りつけるけど、思い切り吹いてくれる風が肌に心地よい。
連れと何を話していたかほとんど覚えていなく、体感していた光や空気、香りの記憶だけがはっきりしている。
頂上まで登って、舗装された道があったことにようやく気づく。
まあ、あれはあのルートで登ったのがいい体験だったんだけど。
トレーニングでその道を走って登る学生の横を歩きながら下りました、流石に。
グリーンの中のオブジェ。
これは他の遊具を見てから再度見るとやはり彫刻なんだと思うけど、HPなどに言及されていない…。
夏のプールのようになっていたモエレビーチ。
やはりテントは必須なのね、キャリーカートはコールマンだらけだ、などとついつい仕事スイッチが入ってしまう。
小山の奥に見えてきたガラスのピラミッドに向かっていた足を、案内看板をみて反対側に向けてしまう。
遊具がある、サクラの森へ。
複数のエリアに分かれているのですが、それぞれのエリアに行く道の脇に植えられた背の低い街路樹、そして奥に植えられた桜などの樹木。
明るかったり、ちょっと暗かったり、少しづつ表情が違う道で、進んでいくと開ける視界の先に見える遊具、という、移動すら楽しい空間。
美術館で飾られていたのと違ってぴかぴかじゃないけど、実際に遊具として現役の作品たち。
うん、これはちょっと大人だけど、遊んでしまう、登ってしまう。
暑いので子どもたちはほとんどビーチに行っていて居ないし。
一周して、ビーチに戻ってからガラスのピラミッド "HIDAMARI"へ。
ちょっと涼みたいし、と中へ入ったらG線上のアリアが聞こえてくる。
2階のフロアを1時間貸し切りで結婚式をする前だったようで、弦楽四重奏によるリハーサルをたまたまに耳にした、という状態だけど、これがそのまま音と光で記憶される。
美しい空間。
ギャラリーで公園の歴史を見る。
そんな昔から着工されていて、でもオープンは2005年だったとか、1888年3月にノグチが札幌に初めて訪れて、11月に模型が披露されたのに、その年末に亡くなってしまって、この公園を目にすることが無かった、と。
この日来ることが出来た幸運。
また別の季節にも、
この空間を、他の人にも伝えたい。
そして牟礼にも行こう。
そんな気持ちを語り合いながら屋上から公園を眺める。
海の噴水の時間はチェックしていなかったので今回見れなかったけど、
また今度の楽しみで。
モエレ山も次回登ろう。
心いっぱいになって、正面入口であろう橋を渡って「モエレ沼公園東口」バス停へ。
あら、レンタサイクルもあるのね。
自転車で回ったらそれはまた楽しそうだ、とプランは膨らむ。
「こんな施設が出来たらしいよ」
という宿泊施設のプレゼンでピンポイントでお誘いいただいたのは確か4月。
会社の先輩と1泊2日で札幌にグルメ旅行をしてきた、はず。
最初のフライトだけは遅れたのですが、その間に仕事の話はある程度吐き出せたので結果良かったし、以降全てがいい場所にいいタイミングで行けました。
気になった店は満席で、近くに見えた鮨の福長に通してもらったのですが、とっても美味しく、いい感じすぎる接客で。
違う季節にまた行きたい。
でもジンギスカンも食べたいよね、といくつかチェックした店を眺めつつ歩いて観光。
店から出てきた団体のおじさま達が熱く勧めてくれる店に入ったら、ここも絶品、札幌 ジンギスカン 十鉄。
お陰様で期せずして飲みだおれのハズが、食いだおれで早々にホテルに。苦笑
深夜まで部屋でトークはしていたものの、翌朝はちゃんと起きられたので、ちょっと行ってみようかと提案されたのが、モエレ沼公園。
まさか、この旅で行けるとは思っていませんでした。
去年noteでは書いていたけど。
偶然なのか必然なのか、と思ってしまったノグチとの再会についてのnote。
気難しそうな芸術家、ではないかもしれないと勝手に親しみを持って、公園を彼の代わりに遊び、報告したい気分の。
そして、公園についてもっと知りたくて検索してみるけど、公園のオンラインショップでも書籍は少ないみたいで、出てきた研究論文が参考になったので、リンクを貼っておきます。
「モエレ沼公園の空間設計に関する研究」
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