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【詩】ヨルとヒカリとキミとボクと


高台から見下ろした夜の街は 
月星が輝く夜空を地上に移したかのようだ
綺麗だねと君は無邪気に喜ぶけど
自分が消えてしまうようで僕は怖くなるんだ

光を放つことができるのは 君のような人だ
自分の中に輝きを持つ 恒星のような人だ
輝きを持たない僕が あの街に一人でいたとしても
きっと黒く塗りつぶされた部分のどこかにだろう

純粋で透明だと言われた昔の僕は
今では濁って不透明になったみたいだ
これまでに挑戦したたくさんの出来事が
小さな粒子となって自分の中に散らばっているんだ

光を放つことができるのは 君のような人だ
自分の中に輝きを持つ 恒星のような人だ
たとえ明日地球が 粉々になると言われても
きっとその瞬間に立ち会えることを喜ぶんだろう

光を放つことができるのは 君のような人だ
自分の中に輝きを持つ 恒星のような人だ
もしも君が太陽なら きっと僕は地球なんだ
君の光が絶えたときには 芯まで冷えて砕けてしまう

優しいねと言われる僕は ただ弱いだけ
真面目だねと言われる僕は ただ従っているだけ
自分自身で光を放つこと それは僕にはできない
他の誰かの光を受けること それしか僕にはできない

だけど

君の光を美しく輝かせるのは 僕のような人だ
たくさんの経験で得た粒子で 白く濁った人だ
たとえ明日僕が 粉々になったとしても
僕の中から飛び出した粒子が 君の光を輝かせるだろう

僕が集めた粒子は 君の光を反射することができる
見たこともないような 豊かな色彩で
想像を超えるような 夢幻の変化で
輝くことができる 叫ぶことができる 君を 喜ばせることができる







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