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珠玉のエッセイ

エッセイが好きです。
思えばnoteをつらつら書くのが好きなのも、エッセイが好きだからかもしれません。
『徒然草』の「心にうつりゆくよしなしごとを、そこはかとなく書きつくれば」がまさに理想、読んで心に風が吹くような文章が理想です…。(ハードル高い。)

時々、ハッと目が覚めるような清冽なエッセイに出会います。今日はそんな出会いがありました。

わたしは「ほぼ日」の愛読者で、メルマガも登録しているのですが、このほぼ日通信WEEKLYというメルマガで定期的にエッセイの寄稿があって、それがとても好きなんですよ。
「あいすもの」というタイトルで様々なジャンルの方が文章を書いています。自分の好きなものの事を書くのって、書く方も楽しいんだろうなというのが読んでいても伝わってきます。

5月15日は、高田晃太郎さんの「あいすもの」でした。想い出の中華料理店と、あるメニューについて。これが、本当に好みだったのです。
淡々とした書きぶりで、内容もすごい事件が起こるわけではないけれど、日常のちょっとした出来事が書かれています。定員の中国人のおばちゃんとの暗号みたいなやりとりと、久しぶりに来店した時にその符号が途切れてしまった一抹の寂しさ。
気持ちを表す言葉は少なくて、ただ事実を描写しているのに、高田さんの心持ちを読みながら追体験しているような文章でした。
最後に空を見上げて、足早に去っていく余韻を残す終わり方。読み終わって、珠玉のエッセイを読んだぞ、とため息が出ました。(すごく良かったので勢いで感想をメールしました。)

高田さんを、この文章で初めて知ったのですが、ロバと旅しているそうで、検索するとインタビューも出てきました。本も出版されているので読んでみたいと思います。

今日はこの辺で。それではまた。

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