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Festival de FRUE 2023 Day2に行ってきた

今更ながら行ってきました。↓Day1はコチラ。


深夜~早朝のテントはとにかく寒かった。朝6:30頃にはテントを抜け出し朝風呂に向かいました。森林の湯の休憩スペースは朝食の販売もあり毎度すごく助かってます。休憩スペースも居心地がよく、小林うてなまで二度寝。

小林うてな

うっかり寝過ごして最初の10分ほど見れず

完全に初見でしたが良かった。シャーマニズム、スピリチュアル、オリエンタルなどの言葉が並びそうな世界観で、雑な関連付けですが打ち込みのビートに軸足を乗せた青葉市子みたいな。同時刻にGlass StageでプレイしているSalamandaとは近い精神性を共有している気がしており、"FRUEっぽさ"みたいなものも感じます。

朝イチで浴びるドリーミーな空気感はまだ夢の中にいるようで、でも身体感覚はあって揺らしてみると気持ち良い、みたいな素敵な心地でした。

角銅真実

去年のFRUEで初めてライブを観てそのピースフルな佇まいと繊細なサウンドに感動し、単独にも足を運ぶほどになった角銅真実さん。今年もやはり素晴らしかった。

半分くらいはチェロの巌さんとのデュオ。繊細な歌声とふくよかでドラマチックなチェロのハーモニーが美しい。岩尾さんは多彩な奏法によるエフェクト的なサウンドとその表現力に毎度驚かされます。待ちぼうけの曲で風の音をチェロの倍音で表現していたのがとても綺麗で印象的でした。

ギターはいつもの古川麦ではなく、この日中村佳穂のサポートも務めた閑喜弦介。『Lullaby』でのプレイなど、艶のある装飾的なサウンドのギターが素晴らしかった。

角銅真実さんがオートハープという新しい楽器を習得し、『人さらい』や『Lark』で活用していたのも印象深かったです。繊細とは違う、ギラギラときらびやかで豪奢なサウンドはどこかマジカルで。

去年のFRUEに引き続き、角銅真実さんを見るのにこれ以上の場は無い気がします。爽やかな朝の空気の中で浸りたい音楽。

Tim Bernardes

今回1番くらいに楽しみにしていたアーティストですが、高い期待を更に越えて素晴らしかったです。人生で目撃した男性ボーカリストの中で1番歌が上手かった気さえする。特にハイトーンの一切混じり気なく澄んだ響きに浄化されるようでした。アコギ、エレキ、ピアノと何を弾いてもめちゃくちゃ上手いし、時折ガッツリ歪ませてラウドなプレイをしても達者なトーンコントロール、がなるようなパワフルな歌唱もお手の物と、とにかく完璧だった。にこやかなMCも素敵でした。

80分のロングセットでボリューム的にも大満足。新譜の曲はもちろん、O Ternoで坂本慎太郎とコラボした曲も聴けて嬉しかった。いつかO Ternoやバンドセットでの来日も実現してほしいところです。


次はSam Wilkes…なのですが、ここに来て疲れのピークに達し、ほぼ丸々寝てしまいました。無念。

中村佳穂

『AINOU』リリース時にTLで話題になっていた頃から音源は追っていたものの、生で目撃するのは今回が初めて。

音合わせの時点でSam Wilkesが乱入。フォーク・クルセダーズの『悲しくてやりきれない』をカバーする一幕がありました。本編では『Q日』に参加し、終始ニコニコと楽しそうに演奏するWilkesにほっこり。

今回のFRUEのために集めたメンバーとのことで、ぶっつけ本番の初セッションらしい。ギターは角銅真実と同じく閑喜弦介。ドラムの宮川さんは"優しそうなお父さん"といった外見に反して(?)凄まじく上手かったです。音の粒が揃っているってこういうことなんだと得心させられるような安定感のあるプレイでした。

中村佳穂がソロで鬼神の如くピアノを弾き倒していたシーンが1番音楽超人度が高かったように思います。歌が上手いのはもちろんですがピアノも上手すぎる。

ラストの『NIA』は会場全体が多幸感に満ちていて素晴らしかった。のですが、彼女のひたすらに眩しい人間性と自分との交わらなさみたいなものを勝手に感じてしまい、音楽スゲーの気持ち5割、陽のエネルギーに当てられて影が深まるようなしんどさ5割みたいな気持ちにもなってました。あと1番好きな『MIU』が見れなかったのは心残りでした。あまりライブではやっていないのかな。

Hermeto Pascoal a Grupo

"ブラジル音楽界のレジェンドらしい"くらいのふわっとした印象のみで臨みました。ロングセットの予感がするのと疲れも溜まってきていたのでスタンドで座って観賞。

どう数えていいかまったくわからない変態リズムを自由に乗りこなす様は凄まじくも楽しく、まさに祝祭でした。後半に向けて徐々にギアが上がっていくようで、クストリッツァ的なコミカルなムードも増していったように思います。フィナーレではバンドメンバー全員が打楽器を構え、トロピカルなフレーズの中でメンバー紹介をして〆というた幸せなムードでした。

一方で、いわゆる"祝祭的"ムードについて、自分は「確かに良いね」くらいで終わってしまって熱狂するには至らないことが多いのかもしれないとも思いました。好みとしては去年のPino Palladinoのような重厚なグルーヴの方がヘッドライナーで観るには嬉しい。同じ"祝祭"でもフジロックで観たLouis Coleくらい肉体的な快楽があると最高!までボルテージが上がり切る感じ。

Blake Miles

2日間の最後の最後に私的ベストアクトを攫っていきました…。唯一無二のマジカルなギタープレイもひんやり静かな場の空気感も完璧でした。何それ!?みたいなフレーズとサウンドばかりで目を離せないプレイが結局自分のツボ。歌うと意外とソウルフルだったり、滋味深い味わい深い声音だったりするのも良かった。

フレットレスギターは昨年のPino Palladinoとのコラボでも使っていたけど、蕩けるような心地がとても良い。去年のPino Palladinoとのコラボで魔法をかけていたのはBlake Millesだったんだ。

鍵盤やベースを弾くサポートメンバーを1人だけ加えた小規模なセットながら、鳴っている音は驚くほど多彩。どちらが弾いているのかわからないエフェクトが重なって幾重にも連なるレイヤー感のあるサウンドでした。

80分のロングセットでたっぷり浸れて大満足でフェスを終えられた。オーディエンスも基本的に静かに没入していて、アツい演奏には歓声で応えるという理想的な形だったように思います。

これにて今年のFRUEは終了。

さいごに

この気候と快適さ、フードの美味しさがある限り通い続けたい場だと再認識しました。初めましてのアクトが多かったDay2が特に楽しかった。私的ベストアクトを選ぶならTim BernerdesかBlake Millesのどちらか。CHO CO PA、GEZAN、角銅真実、ceroも良かったです。逆にヘッドライナーのインパクトは去年のPino Palladino & Blake Millesを超えるものは無かったかな。

超余談ですが、3連休での開催を活かして掛川観光満喫して帰れたのも満足度高かったです。また来年。

掛川城
さわやか 掛川IC店
掛川花鳥園

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