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Festival de FRUE 2023 Day1に行ってきた

今年も行ってきました。昨年に続いて2回目の参加。激ユルの感想兼個人的備忘録です。


去年Pino Palladinoとのコラボレーションで抜群の存在感を放っていたBlake Milles、O Ternoでの坂本慎太郎とのコラボ以来気になっていたTim Bernardes、音源は追いつつも生では初遭遇な中村佳穂あたりを特に楽しみに臨みました。

当日は11月とは思えない夏日で、陽のあたるところではTシャツ1枚でも暑い

CHO CO PA CO CHO CO QUIN QUIN

最新作のTraditionを1周したくらいのユルい予習した上で臨みました。身体的なサウンドの心地良さから生で観ることへの期待感はかなり高かったです。

結果、ツインドラムと3台のシンセで音源のカラフルなグルーヴを見事に鳴らしきっていて、期待以上に最高でした。ツインドラムの分担はパワフルなビートでベースを作る山本さんと彩りと奥行きを増す筋野さんといった感じ。山本さんのスネアの音がビクッとするほどデカかった。グルーヴ面での貢献が大きかったこの2人が中心メンバーなのかな?と思ったらどちらもサポートというのが意外でした。キューバに留学してリズムを学んだのはVo. / Gt. / Syn. の大道さんらしく、これも意外。

曲についていくつか。序盤、『ワタツミ』のオリエンタルなシンセが鮮やかに響くシーンで一気に惹き込まれました。『ガンダーラ』は原曲のオートチューンのテイストがMaoのボーカルにもどことなく残っているようで面白かった。無機質なトーンは寄せにいっていたような気がします。『秩父』『tradition』とかが抜群に気持ち良いのはもはや言わずもがな。

ラストは大道さんが三線を弾いての『琉球Boogie Woogie』。オーディエンスとのエイヤーサーサーの掛け合いがあったり、楽しいフィナーレでした。総じて本当に良くて、邦楽の未来の明るさみたいなものすら感じられるようでした。

Fabiano Do Nascimento

ほぼ予習なし。なんとなくクラギの弾き語り系?というくらいのうっすらとした印象だけで臨みました。

シンプルなセットながら、ビートマシンやルーパーを駆使して拡がりのあるオルタナティブなプレイを見せてくれました。打ち込みのビートに流麗な高速アルペジオやハーモニクスを駆使した繊細なフレーズを乗せていく手腕が鮮やか。フェスの雑踏の中、静かな音楽のニュアンスに耳を澄ます瞬間の尊さは何物にも代えがたいですね。(心地よさに誘われて軽くウトウトしてしまった間にベースの人が増えていて驚きました。HermetoバンドのBa.の方だそう)

cero

今年のWind Parade以来、2ヶ月ぶり2回目のcero。前回は取りこぼした楽曲群を聴けると嬉しい。意欲高く最前で構えていました。

この短期間の間にも練度が増したのか、こちらの受容の体勢が整ったのかはわからないけれど、前回よりも更に良く感じられました。特に5th曲のアレンジが仕上がってきている印象。

特に、ライブで聴く『Nemesis』は最高ということがわかってきました。ギターソロの後の拡張の仕方とか、アレンジの拡がりが素晴らしい。生で観ると Gt. 橋本翼の独創的なフレージングの巧みに目が奪われました。新譜でのギターの面白さという点での貢献の大きさを再認識する思いです。メンバー3人ともが高いレベルで作曲に貢献できるというのは本当に強い。『Fdf』では古川麦のトランペット、高城晶平のフルートに加えて荒内佑のシンセソロなど、多彩なサウンドが折り重なってスペーシーなサウンドスケープを作り上げており、これも良かった。

『My Lost City』など、4th曲のアンサンブルの気持ち良さも当たり前に健在ですね。パーカッション2人のグルーヴがもたらす足腰の丈夫さがやっぱり強く、ビートに乗っているだけで気持ちいい。

『Angelu Novus』は〆のポジションを定位置として確立してきているのでしょうか。前回よりもザラついたノイズ成分で迫力が増していて良かった。

フェスとは言え2公演見たのにまだSummer Soulをお目にかかれていないというのが驚き。最近は結構外れがちらしく、彼らが次のステージに進んでいることを実感します。

サウナ欲に抗えず、Angel Bat Dawidを離脱して森林の湯へ…。個人的に明日夜のメンツが強いのでここで行くしかなかった。メイン会場から徒歩5分の場所に綺麗なスーパー銭湯&サウナがあり、途中抜けで入れるって信じられない幸福ですよ。

GEZAN

Clown Coreへのアグレッシブで良いパスが出せそうな並びがGood job。今年だけでもフジロック、Wind Parade、フィッシュマンズのゲストと3回もマヒトを目撃しており、これで4回目。流石にお腹いっぱいかも…という気持ちも多少ありましたが、見たら後悔させないのが彼ら。

サウンドチェックの時点でダビーなレイヴを長時間繰り広げており、オーディエンスのボルテージも高い状態。最近の彼らの取り組みの流れを汲み、今回も『赤曜日』『誅犬』あたりを筆頭にダビーなアレンジの深化がなされていました。

『Free Refugees』~『東京』の流れ、マヒト以外の3人がかりで太鼓を乱れ打つシーンは間違いなく今日のハイライトと言えるカッコよさでした。東京はなんぼ聴いても良い。

GEZANは短いスパンで見ても毎回新しい挑戦と達成があって凄いなと思います。ダビーなアレンジがどんどん極まっていく過程を追うのが楽しい。

印象的だった「世界の終わりについて考えたことがあるかね」というサンプリングは「ルパンVS複製人間」のマモーの台詞だったらしい。なんでなん。

Clown Core

馬鹿すぎ超問題作。転換の時点でステージに仮設トイレを設置しておき、最初から2人がその中にいるという力技な仕掛け。2人が登場するまでに5分以上MOTHERのBGMみたいな音楽が流れていたり、そこからも宇宙的な映像を流し続けて結局15分くらい出てこなかったりとめちゃくちゃ焦らされました。登場してからも思っていたより徹底して覆面でパフォーマンスしているのが妙に笑えました。そこは真面目に隠すんだ。2人ともデカいからピエロの仮装に嫌な迫力があってしっかり怖い。

生成AIを活用したと思われるやりたい放題のVJがとにかく頭にこびりついています。どんなエログロでも早回しすれば映して良いと思ってるだろ。ド下ネタのVJでふざけ倒した後に宇宙の美しさで中和しようとするな。PayPalのQRコードを写して入金を促したり、YouTubeのリアクション動画を流したりとアホすぎました。

面白かったけど、ヘッドライナーとは別枠で見たかった感はあります。ヘッドライナー後の余興的なポジションがちょうど良かったのでは。マシンのような精密さと爆音のドラム、流れるようなサックスは流石の一言ではありました。

Acid Pauli × Viken Armanは序盤の15分ほど観て、あまりにもメディテーションめいていたのと疲れもあり離脱してしまいました。1時間ほどかけてエンジンをあたためてからダンスモードになったらしく、惜しいことしたなとそこまでの元気は無かったから正しい判断だったという気持ちが半々。

1日目はここまで。今回はテント泊でしたが、昼間あれだけ暑かったのに夜は寒く、寒暖差にやられそうになりながら眠りにつきました。

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