サマソニ2024 東京2日目に行った
去年に続いて行ってきました。今年は2日目だけ。
↓去年の感想はこちら。
今年の目当ては今をときめくTylaの初来日と、5年ほど前から愛聴しつつも観れていなかったAuroraの2組。ギリギリまで参加を迷っていたのですが、直前に発表されたお笑いステージのラインナップが豪華だったことが決め手になり、追加販売で購入したかなりレアな人間だと思います。超余談ですがお笑いステージの目当てはヨネダ2000、エルフ、ウエストランドのスロット。
開演前
ソニマニを襲った台風が無事通過し、薄曇りの穏やかな天気が続いた1日でした。自分は丸1日メッセに篭っていたけれど、心配されていたほどの酷暑ではなかったみたい。11:00頃に海浜幕張駅着。ソニマニよりも入場がスムーズで、11:35頃には水カンの前方エリアに到着できました。
ライブ
水曜日のカンパネラ @SONIC STAGE
コムアイ時代には武道館ライブに行ったこともあるくらいには好きな水曜日のカンパネラからスタート。詩羽にボーカルが代わってからは追えておらず、今回のサマソニに向けてサラッと1周したくらい。
30分のショートセット。初見の感想としては「詩羽がとにかくチャーミングだった」に尽きました。各曲ごとに丁寧にノリ方の手ほどきがあったり、初見のオーディエンスまで取りこぼさないショーマンシップがあった。どちらが良い悪いとかでなく、ファンがごっそり離れても仕方ない世代交代という難題を成功させた要因として詩羽の人間的魅力が確かにあるなと。
個別の曲の感想を少し。1曲目の『ティンカーベル』では客席後ろからステージまで歌いながら歩くサプライズ演出あり。いきなり文句で良くないですが、こういう客降りってごく近くの人以外は100%楽しめない気がして個人的にはなんだかなぁという感じがします。『バッキンガム』のランダムな数字の羅列を覚えるの地味に大変そう。特に良かったのは『たまものまえ』で、ダブステップパートのヘヴィなサウンドがライブ映えしていてアゲでした。
コムアイ時代からやっていた『桃太郎』でのボールに入ってのクラウドサーフは健在で懐かしい気持ちに。かなり無理な体勢で運ばれながらも驚くほど乱れのないボーカルにフィジカルの強さと若さを感じました。全体的に鬼のように滑舌が良く、荒っぽい口調のフックも加えたラップ調の語りもしっかり武器になっていて凄い。
ラストは『エジソン』『招き猫』と期待に応える定番曲で〆。MCも結構長めにあったので曲数は少なめでした。もう少し聴きたかったな。『織姫』とか。
Lovejoy @SONIC STAGE
元々はランチタイムくらいに考えていたが、洋楽アクトを支えなきゃ…という義務感(?)から見に来ました。とは言えスカスカという感じではまったくなかったです。海外からの客が多い感じ。
Two Door Cinema Clubあたりの血も感じるような、ザ・サマソニなポップ・パンクバンドで良かったです。スラッとした長身のボーカルからUKらしいスタイリッシュさを感じたり。
後半に披露していたUSインディー的なセンチメンタルなトーンのギターの曲が良かったです。終盤にはソロ回し的な展開を入れていたりと盛り上げ上手でもありました。
十分以上に埋まっていて評判も良さげで、次回の来日に向けて価値あるステップを踏めたのではないでしょうか。
お笑いステージ①
ここから怒涛のお笑いステージ開幕。ガクテンソク → カゲヤマ → ビスブラ → ゆってぃ、kento fukaya → しゅんしゅんクリニックP → ヨネダ2000 → エルフ → ウエストランド を観ました。
ガクテンソクとカゲヤマが彼女へ捧ぐオリジナルラブソングネタで被っていましたがどちらも面白かった。特にカゲヤマは裏のCreepy Nutsネタを的確に加えつつ、ボイパの技量の高さでもウケていて強かったです。
ヨネダではEDMアレンジされた生の餅つきに参加できて嬉しかった。ぺったんこー!のコールアンドレスポンスを煽っている中での「言わないあなたも素敵です」と言える誠が良すぎた。あなたこそ素敵です。エルフは校長先生のネタ。荒川がサマソニのバイヴスに溶け込みすぎてました。ウエストランドのネタはちょっと面白すぎて圧倒されました。「このステージ出てる奴らも僕ら以外全員吉本だから!今裏でやってるJO1も吉本じゃないみたいな顔してるだけで吉本なんだから!芸能界は全部吉本がやってるから!」「9番街レトロに俺はなる!」流石に風格あったなぁ。
Nia Archives @SONIC STAGE
ハードなドラムンベースのDJプレイ。激しく明滅するド派手なVJと鋭い爆音で、メインステージで鳴るのに遜色のないステージングでした。
ストレートに強度の高いビートで文句なしにかっこよかったです。ただ、個人的なDJアクトあるあるですがその密度の高さから30分くらいで十分に満足し、途中で離脱してOlivia Deanに向かいました。
Olivia Dean @SONIC STAGE
移動して後半20分くらいを観れました。
完全ノーマークでしたが、最高にピースフルな空間が醸成されていて感動しました。これはフルで観たかった。ブラスが3人入った大編成で聴かせるオーガニックかつウェルメイドなアンサンブルに癒されました。歌もうんまい。
1曲ごとに楽曲に込められた想いを伝える丁寧なMCも好感。牧歌的な背景を映し続けるVJも相まって、一面コンクリの殺伐としたソニックステージにヒーリングな雰囲気を醸成していました。オーセンティックに徹する退屈さは無く、適度に現代的なポップスとして消化しているのがまた良かったです。
2022のKacey Musgraves、2023のMaisie Peters、2024のOlivia Deanみたいなソニックで観る晴れやかなディーヴァのアクト大好きクラブに自分は所属しています。これはソニックで観るから良いという訳ではなく、一面コンクリの殺風景なメッセに爽やかな風を運んでいるのが凄いという意味です。大阪のように野外で観れたら更に良いだろうなぁ。
お笑いステージ②
SMAステージ。だーりんず → SAKURAI → マツモトクラブ → コウメ → ザコシ を観ました。ザコシのネタで生でやばいサラリーマンや誇張福山が見れて嬉しかったです。新作ないんすか?とMCの超新塾に振られ、誇張しすぎた粗品の1人賛否が見れたのも面白かった。マツモトクラブの地面師ネタに絡んでもうええでしょ!をねじ込んでいたり流石の前のめり具合。
Tyla @MOUNTAIN STAGE
デビュー作のアマピアノのビートの心地よさ、ムードの良さ、Tyla自身のアイコニックな魅力から個人的にも世間的にも期待度が高い一方で、アイドルアクトに挟まれたマウンテンステージでしっかり盛り上がるのか個人的にかなり心配していました。
そんな心配を跳ね除けるように、Tylaの登場時からTylaギャル達の特大歓声があがってめちゃくちゃ感動しました。若い女性客が多く、絶叫に近いような黄色い歓声がTylaが動く度に上がり続けていた。Tylaが大人気で嬉しいよ。これが未来のスターか…と感じ入る思いでした。洋楽界の未来が明るいというかTylaの未来が明るすぎて洋楽界の未来まで照らされていた。
結構前で見たこともあり、超ヘヴィなログドラムをしっかり満喫できた。ボーカルの音量に対して重ねのコーラスの音が大きすぎたような気はします。
レペゼン南アフリカなアティチュード全開で、南アフリカのダンスにフォーカスしたセクションを作っていたりしました。ダンサー達がキレッキレ&ホットでカッコいい。いわゆるUSAなスケールショー大好きなのでとても良かったです。
ラストのWaterではシンガロングもあり、アウトロモリモリでウィニングラン的な無敵感のまま突き進んでいました。オーディエンスの歓迎ムード込みで素晴らしいショーでした。次はマリンでも十分にやれそう。
Aurora @SONIC STAGE
ソニックステージトリ。羊文学直後から40分ほど待ち5列目くらいで観れました。サウンドテストでPAスタッフがRadioheadのDaydreamingのイントロを弾いて個人的に湧きました。Daydreamer繋がり?
待機中にマリンのBMTHにAuroraが現れたという情報が流れてきました。コラボ曲のライブでの披露は悲願だったとのことですが、かなり無理して実現していて凄い。
初のAuroraは期待以上の超でっけえライブバンドで最高でした。Auroraの歌唱力はもちろん、バンドとしての充実が凄すぎる。単独がガーデンシアターなのも納得。特にドラムはニュアンスもしっかり聴かせつつ、要所では内臓を揺らすような太さで響いていて大迫力。ギターも楽曲に奉仕しつつも聴かせるところではしっかりソロを取ったりと押し引きが上手かった印象です。
音響もメッセとは思えないくらい綺麗な爆音で良かった。ドラム、ギター、シンセ、コーラスという小さめの編成だったこともり各パート分離良く綺麗な響きでした。
『When The Dark Dresses Lightly』と『Starvation』の2曲はどちらも楽曲の持つ壮大なダイナミクスを前方の爆音で堪能できて最高でした。2ヶ月前にリリースしたばかりの最新作の曲が既にライブのハイライトになっているって凄いことだなと。
シンプルに歌を聴かせる曲でも段違いで歌が上手く、じんわりとした感動が広がった。特にギターとコーラスのみをバックに歌った『Exist For Love』。本当に澄んだ美しい歌声。パレスチナやシリアの子供に捧げた『The Seed』も凛とした怒りを示すパフォーマンスで美しかった。Step 2の頃から変わらずウォリアーなんだなと。
曲間に観客含めて背筋を伸ばすストレッチの時間を設けてくれたりと優しさに溢れるMCも。そういうとこやで。日本語も上手でめっちゃ喋ってました。あなた達はそのままで完璧です。私はAuroraちゃん。もちろん。とか語彙も素敵でかわいい。
『Queendom』でプライド・フラッグを掲げ、虹色の照明の中で駆け回るAuroraの姿は完全に天使で深い感動を誘われました。ラストの『Giving In to the Love』も本当に突き抜けるような晴れやかさでトリとして相応しすぎる。これだけでも今日来た価値が十分にあったなと。単独も行こうかなぁ。
余談+ゆる総括
なんだかんだ行けば楽しいのがフェスと再認識。特にAuroraからは例年のヘッドライナーと比較しても遜色ない満足感を得られました。今年はお笑いステージもあり、退屈せずに充実した一日を過ごすことができました。とは言え来年はもう少しロックの割合増えることを祈ってます。