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お葬式のリハーサル

人は死んでも、その人の影響は死ぬことはない
キング牧師

人間は誰もがこの世に生を授かった瞬間から
望む望まないに関係なく死へ向かって生きていくことになる

人生という土俵に立っているという点では大人も子供も皆一緒だ

先日、心から敬愛する友人達がこの上ない刺激的な企画を講じたので
勝手に綴ってみようと思う

その名も
お葬式のリハーサル
と称した素敵すぎる会合

初めて耳にした時の衝撃は忘れない

生前葬でもなく
本当のお葬式でもなく

お葬式のリハーサルだなんて前代未聞だからだ

栃木県宇都宮市雀宮に鎮座する由緒ある正光寺
粛々(ではない部分もあったかもしれないが)と執り行われたリハーサル

この企画を真摯に受け止め
最高の演出を施した住職にも最大限の賞賛を贈らせて頂きたい

【大人の本気】

本気って何だろう

【本気】
 まじめな気持ち。真剣な気持ち。また、そのさま。「―を出す」「―で取り組む」
 めんこなどの子供の遊びで、勝てば相手の出したものを取れるというルール。ほんこ。

今回のリハーサルは企画から当日まで
全員が本気だったってことが成功への鍵だと感じている

そこに本気が生じれば強い説得力が生まれるから

仕事も遊びも本気を出している人間が集まったベストテイクと信じて疑わない

①企画・リハーサルのリハーサル段階から本気

本気のリハーサルのリハーサル

②生花も祭壇も設えも本気

ナゲッツのニコラヨキッチ(デカイ×巧い)さんからも献花が

③進行・BGMも本気

PAも本気 佐川氏
音響設備も本気
選曲も本気 君嶋氏

④当日の(魅力的な)参列者も本気

思い思いの喪服でのご焼香フリースタイル

誤解を招くかもしれないが
終始真面目に執り行われたのは紛れもない事実
真面目にやるからこそ
楽しさにリアリティが生まれるのだ


映画『お葬式』伊丹十三監督作品

1984年公開 映画「お葬式」 伊丹十三監督

僕がお葬式を意識するようになった映画がある
伊丹十三監督作品の「お葬式」だ

実体験をもとに「お葬式」という難しい素材をうまく調理し
初監督作品とは思えない完成度の高いコメディ映画だったと記憶している

お色気シーンもあり家族で見る映画としてはちょっとハードルが高いのだが
幼い頃の僕の脳裏にえらく響いた事は鮮明に覚えている
広義の意味で

お葬式という儀式ほど、ふざけることが許されない場はない。

故人を偲ぶ人々が悲しみにくれる様子がお葬式の定石だ

しかしながら実際に身内のお葬式を出したことがある人にはわかると思うが
遺族というのは感傷に浸っている暇がないのだ
気丈に振舞わなければいけないのも喪主の使命なのだ

【令和のお葬式フリースタイル】


終了後のフライヤーも本気

今回のお葬式のリハーサルは

令和のお葬式フリースタイル

を如実に表していたと思う
本人が望むお葬式こそが令和のお葬式
格式や地域性も重要かもしれないけど

まさにフリースタイル

最後をどう迎えるかなんて神のみぞ知ること

・こんなお葬式だったらいいよね
・俺が死んだときはこんなお葬式で頼むよ

こんな話し合いが家族や友人たちできる事は
なんて素敵な人生じゃないだろうかと思っている

旅立ちってそれくらいが丁度いいと思う


『タノシイコトバカリアリマスヨウニ。』

墓の下にいても、あなた達の役に立てる。これほどの嬉しいことがあるだろうか
ベートーベンの言葉

僕たちは死ぬ
いつか絶対死ぬ

死んだ後も名を残すなんて
欲のかき過ぎだと思う

先日のお葬式のリハーサルは心から楽しかった
本当に

リハーサルだからではなく
きっと本番のお葬式もそうなるだろう
インディアンの教えの様に

P.O.Pの上鈴木兄だからというのも勿論あるだろうが
参列者を初め全員が心から楽しみたい
そう思えたからだと思う

楽しい場所には人が集まる

そこに理由はいらないと思う
楽しいに理由を求めていたら
面白いものも面白くなくなるから

【参列した皆様へ勝手にご挨拶】

施主でもないのに烏滸がましいけど整えてみる

御参列された皆様へ
ひと言ご挨拶申し上げます

残された僕たちは未熟ではありますが
皆さま方には
今後とも故人の生前同様にお付き合いいただき
ご指導いただけますことをお願い申し上げます(仮)
ありがとうございました(仮)

今回参列いただいた皆様は大変幸運です
歴史が生まれた瞬間に立ち会えたのですから

最後に僕が作った渾身の香典袋でお別れを
御拝読有り難うございました

みんな最高だったよ