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世界が変わってフットボールはどう生きるのか。

新型コロナウイルスの影響で世界は大きく変わった。

「afterコロナ」や「withコロナ」といった言葉まで出ているけど、これから先どうなるのか、何をどうしたらいいか、漠然としていて誰もわからない中でサッカークラブがどう生きるか、これから何をすべきなのか、考えていることを整理してみました。

そもそも「after コロナ」っていつなのか。
”コロナウイルスが終息してワクチンや新薬が完成した状態”ということであれば、それを待っている間に消滅するクラブが出てくる。
このウイルスの蔓延が季節的な条件も関わってくるのなら、世界中でリーグ開催の時期や方式変更も検討する必要があるんだろうけど、基本的には「コロナがある」という状態の「with コロナ」の中でどうやって事業継続していくのか考えないといけない。

"コロナウイルスが収束しつつあるが、これまでの世界とは別のものである状態”を「with コロナ」とするなら、スポーツのプレー環境・観戦環境・スポンサードの形・クラブの存在意義などあらゆる価値が今とは大きく変化し、それに対応すべくクラブにも変化が求められる。

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◇世の中の変化 

緊急事態宣言が解除された後も、今までの当たり前は当たり前じゃなくなることを前提に。

・人が多く集まるスポーツイベントは違った形での開催
 →無観客試合、収容率の制限、チケット売上の減少(客単価は上がる可能性ある)

・リアル店舗の飲食店が減る
 →テイクアウト・オンライン販売中心に。

・仕事や会議がリモートになる 
 →会うハードルが高まり、セールス価値を提供できないとそもそも会ってもらえなくなる。
 →熱意や関係性(新規)に頼った契約は少なくなる。

・協業が増える 
 →独自の価値だけで立ち向かえない企業同士が協業して新しいシナジーを生みそう。

オンラインコンテンツ配信が中心
 →オンラインでのコンテンツが爆発的に増える。差別化しづらく、ファンを資産として持つことの価値がより高まる。

◇提供価値の変化

今までと違う世界になった時、サッカークラブが直面すると思われる変化は、「リアルが不足し、その変わりバーチャルが充実する。でもやっぱり何か物足りない・・・という状況が常になってフットボールという軸だけでは発展できなくなる」と思う。

・観戦の価値
無観客試合やスタジアム収容率を下げて運営する可能性がある場合、ライブ感のある体験ができない。
→デジタルトランスフォーメーション(DX)など、技術を駆使してリアルよりもリアルな体験をというのは、正直想像がつかないので体験してみてから言及したい。(色々言われているけど、個人的にはスタジアム観戦の臨場感、熱狂、サポーターがいる応援の空間と昂った感情のシェア、それを上回るのは難しいんじゃないかと思っているので現時点ではあくまでDXは付随サービスと考える。)

・体感の価値
チャントや鳴り物、応援禁止の可能性がある場合、ストレス発散や感動・興奮体験など、激しく変化する感情の共有がしきれない。

・露出の価値
パートナー企業への広告的な露出価値は収容率、試合数の減少に比例して下がる可能性がある。(これも画面越しに看板を眺めるのと、現地でアクティベーションに参加するのとでは”認知の質”が圧倒的に違うと思う)

・企業の価値
サッカークラブの企業価値として、ホームタウンへの関わりや、社会への夢や楽しみの提供といった、クラブが掲げるミッションを遂行できない可能性があり、そもそもの存在価値を考え直す必要が出てくる。

・選手の価値
サッカー選手の仕事は、Jリーグ創設期と比べて、プレーすることの他にも多くを求められる時代になっている。その傾向はより顕著になってくるし、今にも増して選手はクラブの存在価値を生み出す源泉であるということをオフザピッチでも体現していく必要がある。
それは経営的な戦術としても必要だけど、マスメディアよりもパーソナルメディア中心の世の中で、サッカー以外でも個の露出をしておくことが選手の存在価値やセカンドキャリアにも有効になるのでやっておくべきこと。

色々な変化が起きるけど、まず真っ先に想定するのは価値変化による入場料収入広告料収入の減少。
このマイナスを他で補うというのは結構厳しい戦いだけど、今こそスポーツビジネスのポテンシャルに注目して、使えるリソースを整理、価値を最大限活かして新しいことにも挑戦していく機会と捉える。

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※ぼんやり考えていたことをまとめてみました。

◇これから何をすべきか。

起きている課題とニーズの把握、既存のプロダクトの価値の再定義と、事業をピボットさせる新しいアイディアへのチャレンジ。

☆営業体制の再構築と価値の見直し
既存パートナー企業への価値提供、自分たちにできることは何か一緒に課題解決をする。(まずは御用聞きからでも徹底的に傾聴し、議論する)
新規パートナー(特に異業態)の獲得のため、ノンフットボールでも提供できる価値、プロダクトを磨いてセールスすることにリソースをかける。

☆顧客体験の担保
試合会場での対応人数が減る分、一人ひとりへのおもてなしや細かいサービス(UX)を向上させられる。
無観客や応援禁止にも対応する新しい観戦環境を整える(スタジアムとは別の場所?バーチャルスタジアムやアバター観戦?など。)
→正直クラブ単体で今の時期にここにいち早く投資するという決断は体力的に難しく、業界全体がDXの価値に可能性を見出すのであれば全体導入希望である(笑)もしかしたらチケットの返金手数料を補填してもらうよりも全クラブが試合で使えるようにリーグで整えてもらう方が前進する気もする。
また、気を付けたいのは人数制限によってチケットが稀少化するのは、求められて稀少化したのではなく、仕方なく稀少化したと捉える側面もあるので、単純にプレミア化してチケット価格をあげるという考えとは結びつかない。(全体の客単価は上がるかも)

☆新しい切り口を見出す:
これまでトップチームの育成の位置付けが強かったアカデミーにコンテンツとしての価値が強くなる(かもしれない)
※放映権の問題と、エンタメとは異なる、サッカープレーヤーとしての関心層の視点をターゲットとして取り込む。
→必要になるのは各地域のサッカー協会、スクール、保護者とのより強い繋がり(特に4種・3種)

ライブ感の高いエンタメ要素が少なくなる分、エンタメよりもギャンブル的な要素が強くなるかもしれない(勝敗や順位予想への興味)

新規事業(第4の収益源)
→まったく異なるサービス展開(協業も含めて)ストーリー性のあるプロダクトやセールスメニューの開発。

◇まとめ

これからの数年間、大切だと思うこと。今までの当たり前は通用しなくなる前提で、変化に対応できる打ち手にチャレンジする。

自分たちの提供価値を再度見直し、提供できる状態に持っていくこと。
その価値を定義し語れること。

削減するもの、手をかけるところの優先順位を決めてアクションすること。

多少違う形になっても体験する価値は追究するべき。

そしてどれだけ多くの人がこの変化への対応を本気で考えて、チャレンジしようと思ってスピード感持って動けるか。

まさに思考停止は悪・現状維持は後退というのが事業にモロに影響を与える時期だと思うので、この期間中、更に1年、2年先を想像することを大切にしたい。

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よろしくお願いします🙇‍♂️