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【外部生向け】東北大学大学院 工学研究科 機械系4専攻 受験記

はじめまして。Bnnです。
2025年春入学 東北大学大学院 工学研究科 機械系4専攻に合格しました。これから受験しようと考えている方(特に外部)に参考にしてもらえると幸いです。


はじめに

某地方国立大 機械工学科所属のB4です。やりたい研究が所属する大学でやっていないことと、レベルの高い環境に身を置きたいという思いから東北大学大学院を受験しました。

受験までの流れ

元々は今いる大学の院に残ろうと考えていました。
4年になる前の春休みに家でゴロゴロしていたところ、機械系の研究室公開があることを知り、仙台旅行のついでに見てみることにしました。どの研究室も暖かく迎えてくれたことがとても印象に残っています。このとき見学した研究室がとても魅力的に思え,受験を決意しました。
私の場合はこのときに先輩とのコネを作り、院試の過去問や勉強法などの情報を入手しました。院試は情報戦なので、少しでも興味がある人は研究室公開に行ったほうが良いと思います。
その後教授に改めてアポイントメントを取り、研究に関する詳しいことを相談しました。この辺は一般的な院試体験談に書かれていると思うので割愛します。

試験科目

機械系4専攻の試験科目は以下の通りです。
・TOEIC or TOEFL(事前提出)
・数学A(微分積分,線形代数,ベクトル解析)
・数学B(常微分方程式,偏微分方程式,フーリエ級数・フーリエ変換,ラプラス変換)
・専門科目(熱力学,流体力学,材料力学,機械力学,制御工学の中から2科目選択)

TOEIC or TOEFL

出願の際にTOEICまたはTOEFLのスコアシートの提出を求められます。研究等で忙しくなる4年になる前に受けておくとよいと思います。私はTOEICを715点で出しました。他大院の基準と比べるとだいぶ低めだと思います。
実は英語スコアはそこまで合否に影響しないみたいです。(一緒に受けた友人は500点台で合格してました(マジかよ))
だからといってサボりすぎてると足元を掬われかねないので,程々に勉強しましょう.

数学A

数学Aは微分積分、線形代数、ベクトル解析の3つが出ます。3問必答です。

・微分積分:年によって難易度のばらつきが大きいです。難しい積分をさせられたり、極限(ロピタルの定理)や線分の長さなどを求める問題が出ます。意外と範囲が広いので過去問オンリーではなく参考書も重点的に勉強するとよいでしょう。

・線形代数:行列の固有値・固有ベクトルを求める→対角化→n乗を求める→・・・みたいな問題が多いです。稀に2次形式に関する問題も出ます。出題のパターンが割と決まっていてゴリ押せば何とかなる問題が多いので,得点源にしている人も多いと思います(私は苦手でした…)。計算量がそれなりに多いので、テンポよく解き進める訓練が必要だと思います。

・ベクトル解析:これも難易度の差が大きい分野だと思います。本質を抑えてないと意外と解けない問題が多いのでマセマ等でしっかり復習しましょう。

数学B

常微分方程式、偏微分方程式、フーリエ級数・変換、ラプラス変換の4つから3問出題されます。最近は常微分方程式とラプラス変換が必ず出て、フーリエと偏微分のどちらかが出題されています。

・常微分方程式
他の分野と比べるとかなり簡単です。過去問見つつ分からないところをマセマ等で復習すれば解けると思います。

・偏微分方程式
ここ最近は出題頻度が少ないイメージです。フーリエ級数に絡めるタイプと変数変換して一般解を求めるタイプの2つが出ます。問題自体は簡単ですが、だるい計算が多すぎて手が痛くなるので、私は嫌いでした。

・フーリエ・ラプラス変換
基本的な定理の証明や、それを用いて難しい形の変換や積分などを求めさせられます。全体的にひらめきや発想力を必要とする問題が多く、年によっては全く歯が立たないものもありました。個人的には試験科目の中で一番難しいと思います。

数学A・Bともにヨビノリとマセマシリーズを使って勉強しました。

専門科目

熱力学、流体力学、材料力学、機械力学、制御工学の5つから2科目選びます。どれも難易度に大きな差はないので、自分の得意な科目や研究で使う科目を選ぶとよいでしょう。私は機械力学と制御工学の2つのみに絞って勉強していましたが、本番の大コケを防ぐために余裕を持って3科目以上勉強しておくことをおすすめします

・機械力学
機械力学と名ばかりの振動工学です。1自由度系と2自由度系は毎年パターンが決まっているので、過去問とJSMEシリーズを一通り勉強すればすぐ解けるようになります。多自由度系(連続体)は2018年以降出題されていませんが、覚えていないと全く解けないので一応勉強しておいたほうが良いと思います。

・制御工学
院試にしては珍しく古典制御の他に現代制御も出題されます。古典制御は主にフィードバック制御の安定性やベクトル線図などの問題が出ます。現代制御は可観測可制御や状態フィードバック、オブザーバーなどの問題が出ます。範囲が広く問題量も多いので、参考書を使って抜け漏れなくマスターしておいたほうが良いと思います。今年はほぼ触っていなかった最適制御とリカッチ方程式が出たので爆死しました。ちゃんと勉強しておけばよかったのにアホですね。

参考書はどちらもJSMEテキストシリーズと四力制御精巧を使っていました

勉強法について

私は4月に受験を決意したものの、研究など諸々があってちゃんとした受験勉強を始めたのは7月中旬くらいからでした。そのせいで受験直前の8月は全く余裕がなくなり、大学受験を彷彿とさせるレベルの缶詰状態で勉強していて、精神的にも来るものがありました。余裕を持つために、遅くとも4月からの勉強をおすすめします。
試験勉強に総じて言えることとして、とにかく過去問が命です。ホームページに過去3年分くらいが公開されていますが、外部生はどんなツテを使ってでも最低10年分を入手すると楽だと思います。
勉強法としては過去問演習→答え見る→分からないところを参考書使って勉強、のサイクルを繰り返していました。ですがこのスタイルだと過去問に無い問題が出たときに全く解けなくなる恐れがあるので、最初から参考書で体系立てて勉強したほうが良いと思います。

試験当日

筆記試験

感触としては数A6割、数B5割、機力9.5割、制御4割といった感じです。機力以外が全然解けず絶望した覚えがあります。この時点では不合格を確信していました。

面接

志望専攻ごとに分けられて1人3分程度のほぼ形式だけの面接です。聞かれたのは修士でやりたいこと、やりたいことに関してどんな点に興味を持っているか、今研究していること、の3点でした。
人によっては長くなることもあるみたいなので、最低限志望動機くらいは用意したほうがいいと思います。
噂では面接におけるフラグがあるみたいで
合格→「修士課程頑張ってください」
不合格→「併願はしていますか?」
と言われるみたいですが、一緒に受けた友達で不合格フラグの質問をされて受かってる人がいたので、あまり関係ない説を推してます。
また面接は受験番号の若い順にやっていくので、早く帰りたい人は早めに出願することをおすすめします。遅いとかなり暇なので暇つぶしに本でも持ってくると良いかもしれません。

その他

試験会場の椅子がありえないくらいカチコチなので腰痛持ちは要注意。

最後に

ここまでお読み頂きありがとうございました。
色々とグダグダ書きましたが、今年から定員が増えたので意外と受かりやすいと思います。肩の力抜いて楽に勉強して、当日の体調管理に気をつけてください(重要)(緊張で全然寝れなかった)
皆さんの受験成功をお祈りしております。

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