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ウクライナ情勢をみて。

ウクライナ情勢は戦争というものが比較的身近なことだと感じさせます。ロシアのような強国が一方的に攻めてきた時、ウクライナのような小国は抵抗しても限界があるし、人々は生き延びるために逃げることしか出来ないでしょう。しかし多くのウクライナ人は勇敢で抗戦を続けています。ウクライナの人たちが国外に脱出する様は、まさしく戦争がどのような混乱を及ぼすかを示していると思いました。ふと1945年8月9日にソ連が満州に侵攻したことを重ね合わせていました。当日も突然、ソ連は攻めてきて、現地にいた日本人は逃げるしかなかったと聞きます。その間に殺戮も繰り返された。当時、僕の伯父は学徒動員で磨刀石(満州)にいて戦死しました。恐ろしかったと思います。今回のウクライナ侵攻は77年前の光景がいまの時代に蘇っている妙な既視感を覚えます。

ロシアに対する世界中からの制裁も大きなムーブメントになっているようですね。金融制裁や天然ガスのようなエネルギー系だけでなく、ロシアにかかわる企業、つまり世界経済がロシアを排除する動きにある。道義的な問題だけでなく「まともなビジネスが出来る相手ではない」という認識が出来た。プーチンにとってやはり大きな脅威でしょう。どれだけ自国の論理を弄んでも世界はそれを認めない。それどころか国内も黙っていない。もっとも北朝鮮のように経済制裁を受けていてもミサイルを発射する現実もありますから制裁がどの程度有効かはわかりません。ただ今回のロシア排除は戦争が終わったあとも長く続く「ロシアの失墜」になると思います。だから核を持ち出してでもなんとかしたいと思っている。とうとう言ってはならないカードを切ったと思います。ロシアの失墜は更に進むでしょう。

今回の戦争で強権国家がどのような行動を取るか、あらためて学習しました。これまでも中国はチベットや香港を「てごめ」にしてきたけれど、今回のウクライナ侵攻はより鮮明に戦争というカタチで何が起こるかを示したように思います。あまりコメントしない中国ですが、今回のことから何を学んだだろうかとも思います。ひょっとすると台湾では戦争らしい戦争は起きないかもしれない。それをやるとロシアのように失墜する未来が待っている。その代わりに中国はハイブリッド戦争、超限戦を更に進めるでしょう。フィジカルに戦う戦争を不要にする戦争がこれからの中心になるでしょう。