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フィードバックとふりかえりが、深い気づきを増やし成長を加速させる〜New! BMIA認定ビジネスモデル・コンサルタント養成講座(基礎)

BMIA理事 福良郁雄

日時:2024年1月27日(土)〜28日(日)
会場:BMIA高輪オフィス
受講者:6名
講師:小山龍介(BMIA代表理事/プログラム開発)

135回目のBMIA認定ビジネスモデル・コンサルタント養成講座(基礎)始まる

2024年1月27日(土)午前10時。

135回目のBMIA認定ビジネスモデル・コンサルタント養成講座(基礎)(以下、基礎講座)が開催されました。6名の受講者が、続々と会場である高輪オフィスに到着。着席した目の前には、「新たな」テキストがあります。

いままで1日で実施していた基礎講座を、2日間にわたる「新たな」基礎講座にバージョンアップされて、初めての開催です。

なにが「新たな」のか?

書籍『ビジネスモデル・ジェネレーション』アレックス オスターワルダー (著), イヴ ピニュール (著), 小山 龍介 (訳)が世に出されて10年以上が経ちます。ビジネスモデル・キャンバスが、日本でもその有用性が認知され、新規事業立上げや既存事業拡大など、利用する事業者が増加しているのは疑う余地もありません。

『ビジネスモデル・ジェネレーション: ビジネスモデル設計書 ビジョナリー、イノベーターと挑戦者のためのハンドブック』、翔泳社、2012/2/1

これまでの受講者アンケートでは、受講目的を「いまの業務に活用するため」と回答する方が多く、その必要性の高さを感じます。

「新たな」に込められた私なりの解釈は、このような状況におかれた受講者が、「より深い気づきを増やし、成長を加速させる」でした。

『ビジネスモデル・ジェネレーション』訳者 小山龍介のオリジナルプログラム  本人が登壇しました

深いレベルの考察と示唆に富んだコラム

今回、会場でオブザーブ参加したのは、「新たな」基礎講座を、文字通り「観察」することにあり、これまでの基礎講座との違いを把握し、その違いがどのように展開されているかを「学習」することにありました。

その違いを一言でいうと、受講者が深いレベルまで考察が必要なワークや示唆に富んだコラムが紹介されていることでした。

個人的には、追加されたコンテンツで印象的だったのは、「実践的なトレードオフへの踏み込み」と「1日目の宿題へのフィードバック」だと感じています。

ビジネスモデルレベルで課題を解決する

その変化量に大小はありますが、ビジネスは変化します。当然、ビジネスモデルも変化し、描いたビジネスモデル・キャンバス(BMC)が適合しなくなり、不適合な箇所に「課題」が発生することになります。

たとえば、私が直近で記憶しているものですと「Amazon Web Service(以下、AWS)の利用料値上げ」。ご存じの通り、AWSは、利用するサービスごとに料金が異なる従量課金制です。そのため、うまくAWSのサービスがはまれば、システム会社は、顧客のコスト削減要求の対応手段として利用でき、AWSを自社サービスにバンドルして提供していました。これにより、顧客は、自社でハードウェアやソフトウェアといったリソースを保有する固定費を、バンドルされたサービスを利用することで変動費化させ、結果として、コスト削減を実現することができました。

しかし、為替(円安)により、利用料が値上がりし、顧客から見ると、変動費化してコスト削減していたのが、まさかのコスト増に変化してしまった。このような課題解決をせまられることは、みなさんも日常的にあるのではないでしょうか?

この課題を解決する際に、BMCの要素Aに「打ち手(たとえば、顧客へのコスト転嫁)」として対応するのですが、この「打ち手」を行うと、ほかの要素Bに影響が出ます(そもそものコスト削減策でなくなる)。

このようなトレードオフは、よくあることですよね。重要なことは、こういった場合に、「コスト転嫁だ!」「いやコスト削減を優先だ!」と戦術レベルの話をするのではなく、視座を上げて「ビジネスモデル」の構造レベルで、この課題を解決する方法を提言できるか? という点にあります。

今回、「トレードオフ」と題して追加された「実践的」なワークは、このように視座を上げて「ビジネスモデル」の構造レベルで解決することを主眼としたワークが追加されています。まさに、現場に帰ってすぐに使えて、「ビジネスモデルの構造レベルで考えるという習慣」と一緒に引き出しに入れておく「逸品」になります。

半端ないメモの文量

個人的な経験則なので断言はできないのですが、少なくとも、私は、人の成長は「フィードバックの量に比例する」と思っています。

1日目の講座終了後の宿題は、「自分の知人からビジネスをヒアリングして、BMCを作成する」。さらに一歩踏み込んで「そのビジネスモデルの課題(内部要因)」を整理することでした。(課題を見抜き、トレードオフを回避するところまでいけたらすごい!)。

2日目の午前中、6名が、自らうんうん唸って、脳ミソに汗をかき、あーでもない、こーでもないと工夫を凝らして作成したBMCと課題(内部要因)。発表を終えると、他メンバーからのフィードバックシャワー。それに加えて、小山代表理事からのトレードオフ回避などに関するアドバイスがありました。

発表とフィードバックの際に、私がオブザーバとして気づいたことは、「表情の変化量」と「ノートのメモ量」の多さです。発表した個々人の顔に、「こうやってやるんだ」という手応え感やAさんからBさんへのフィードバックを聴いていたCさんが「あっ、そういうこと!」と気づく。各自のノートへのメモの量が、このときがいちばん多かった気がしています。

実際に受講したみなさんからのコメント

ここまではオブザーバーとしての見解を述べましたが、最後に、実際に受講した方の感想や推薦コメントをご紹介します。

<講座全体を通していちばんの学び>

  • 課題などを検討するときにどうしても一部だけ見てしまって提案をしがちですが、構造的にとらえてキャンバスの流れをみるということの重要さを感じました。トレードオフを意識するということ。

  • BMCはビジネスモデルを要素分解して整理・理解するためのツールと捉えていたが、インタビューを通して相手のビジネスモデルを理解しコンサルするツールとして活用できるという気づきが得られた点。

  • 受講生のヒアリングを通してBMCの使い方の事例を知ることができたこと

  • ビジネスモデル視点でのインタビューの仕方。戦術レベルではなく上位の戦略レベルを意識すべき点。

  • BMCの書き方のポイントがわかった。

<他の方にこの講座を薦めるとき、どんなふうに伝える?>

  • ビジネスを構造的にとらえるキッカケになるし、企業さんの伴走支援をしていく上でも凄く参考になると思うよ。

  • BMCやVPCの使い方を、具体的な事例を踏まえて正しく理解・習得できる講座だよ!様々な業種や思いを持った参加者の方がいて、刺激がもらえるよ!

  • 実践的で使えるスキルが身に着くのでぜひ参加してください!

  • ビジネスモデル・キャンバスを知らないあなた、知っている気になって上手くビジネスモデルを業務に活用できないあなたへ。

  • 新しいサービスを考える方法を学べる

(受講後アンケート原文ママ)

次回は3月30日〜31日、小山龍介登壇、BMIA高輪オフィスにて開催します

次のステップ、応用講座もリニューアルします

応用講座も、これまでは2日間で実施していたのですが、福良用語で恐縮ですが「より深い気づきを増やし、成長を加速させる」ために、3日間にバージョンアップします。

2024年3月8日〜10日に「BMIA認定ビジネスモデル・コンサルタント養成講座(応用1〜ビジネスモデル・アーキタイプ〜)」を
6月に応用2〜バリュー・プロポジション・デザイン、
9月に応用3〜シナリオ・プランニング〜をリニューアルして開催します。

応用講座の受講対象は、BMIA認定ジュニアコンサルタント(BMIA会員であり、基礎講座修了者)となります。


*初心者向けワークショップ「はじめてのビジネスモデル・キャンバス」も定期的に開催しています*


会場の末席からオブザーブ、サポートさせていただきました(福良)

文責 福良郁雄(BMIA理事)
写真/編集 片岡峰子(BMIA事務局長)


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