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135回目でリニューアル(裏話) ‐BMIA認定ビジネスモデル・コンサルタント養成講座(基礎)‐


BMIA設立以来続けてきた「BMIA認定ビジネスモデル・コンサルタント養成講座(基礎)」。1日で、BMC(ビジネスモデル・キャンバス)とVPC(バリュー・プロポジション・キャンバス)の使い方をマスターできる!という充実の内容でお届けし、修了したBMIA会員さんをBMIAジュニアコンサルタントとして認定してきました。現在、BMIA認定ジュニアコンサルタントは全国に約200名。企業内で活動される方も、個人事業主として活動される方もいらっしゃいます。

2014年から134回開催してきたこの講座、満を持してリニューアルいたします。

BMC(ビジネスモデル・キャンバス)
VPC(バリュー・プロポジション・キャンバス) 
BMCの真ん中にあるVP(価値提案)と右端のCS(顧客セグメント)にフォーカスしたもの

1日じゃ足りない

数年前から増えた賛助会員、つまり法人会員さんのおかげもあって、企業さんからの問合せも増えてきました。そのなかに「認定されると、社内で講師ができますか?」というご質問がありました。

こういう要望がある、ということを知り、認定講座(基礎、応用、上級)を修了するとどんなことが「できる」ようになるのか、なにの「資格」を得られるのかを明示する必要性を強く感じました。(もちろん、いまもBMIA主催の講座開催に関する規定はありますが、基本的にBMCもVPCも使うためのライセンスは不要で、巷にもこれらにまつわるワークブックなど多数出ておりますから、われわれが指定することではないという認識でした。)この点は改めてnote記事でもご案内したいと思います。

さらに、最近は、「もっとじっくりやりたかった」という声が、受講者からも講師からも聞かれるようになりました。

講師をしている側からも、「ここはもっと説明したい」という部分も多いというのです。

プログラム開発者の意図

BMIAの認定講座は、代表理事小山龍介が開発したオリジナルプログラムです。書籍『ビジネスモデル・ジェネレーション』(翔泳社、2012年)訳者、『片づけHACKS!』(東洋経済新報社、2016年)『在宅Hack』(東洋経済新報社、2020年)などの著者としてご存じの方もいらっしゃるかもしれません。

『ビジネスモデル・ジェネレーション』(翔泳社、2012年)
基礎講座はこの本に基づき開発された

そのほか、名古屋商科大学ビジネススクールで教鞭をとり、書籍『ビジネスモデル』(ディスカヴァー・トゥエンティワン、2020年)も執筆しました。

『ビジネスモデル』(ディスカヴァー・トゥエンティワン、2020年)
BMIA認定講座(応用)で取り上げる内容も一部掲載されている

本業は株式会社ブルームコンセプトで企業の新規事業コンサルティング、研修講師を務めます。

数々の企業研修講師を務めてきたなかで編み出されたのが、このオリジナルプログラム。ビジネスモデルという概念を理解し、それをひと目で把握できるツールとしてのBMCを使いこなしてほしい。簡単だからこそ誤解されやすいこのツールを、いかに有益な、使える道具として手にしてもらうか。

You Tubeで動画を配信したり、ツール開発者のアレクサンダー・オスターワルダー氏の動画を研修内で紹介したり、ビジネスモデルコンペティションから生まれ、のちにユニコーンに成長した起業家のBMCを用いたプレゼンを紹介したりと、さまざまに腐心してきた結果、誕生したのがこのプログラムなのです。

できるだけたくさん持って帰ってほしい

企業研修が終わると、ほとんどの場合アンケートがとられます。ときどき見かけるのが「一つひとつのワークにもう少し時間をかけたかった」というご意見。

小山龍介は、限られた時間のなか、できるだけ多くを伝えたい一心で、一日の研修のなかにいくつもワークを組み込んでいます。(余談ながら、長い時間考えてもアウトプットはそう変わらないらしいです。ちなみに、BMC開発者のアレックス・オスターワルダー、イヴ・ピニュール先生のワークでは、1枚のBMCを5分でつくったりしています。※2年に一度のThinkers50、2023年のAlex & Yvesは世界8位にランクイン)

そして、「もっとフィードバックが欲しかった」という声もあります。

BMCを描いたところで、それに対する細かなフィードバックはあまりすることがありません。なぜならば、BMCを作成する目的は、どのブロックになにを入れるのかを理解するためではなく、BMCを作成することにより、ビジネスモデルの全体像を把握すること。そして、「だから、この事業は強いんだ」とか「こんなに製造原価率を下げられるのはこんな活動をしているからなのだ」とか「この企業が他の追随を許さない理由がわかった」などなど、事業のしくみがわかることのほうがはるかに有益だからです。

ちなみに、個別の、あるいはクラスのなかで出た質問には非常に丁寧に回答しています。

ならば時間を増やしましょう

とはいえ、マーケットの声を聞くことはビジネスを進めていく上で欠かせない大切なステップです。「時間が足りないのならば増やしましょう」ということで、これまで1日で(オンラインの場合はそれを3回に分けて)実施していた基礎講座を、2日に伸ばすことにしました。

もちろん、いままでの内容そのままで2日に伸ばすだけでは芸がありません。これまで課題だった「基礎講座を受けても、使う機会がなく忘れてしまった」とか「VPCについて受講中は理解していたつもりだったが、人に説明できるほどではないことにあとから気づいた」をなくすための工夫を施します。

まずは自分でやってみる

そのひとつが1日目の夜に出される「課題」です。事前にどなたかおひとり、説明を聞いてくれる方を手配しておいていただき、1日目の講座終了後にその方に向かって「BMCがなぜ有益なツールなのか説明するね」「このあいだおもしろいビジネスを見つけたので、それをBMCを使って表現するね」という2つの課題に取り組んでいただきます。

みなさまも覚えがあるかもしれません。授業で聞いたり、講演を聞いたりして「おぉ、そういうことか!わかったよ」と思っても、いざ、人に説明しようとしたときに「あれ、これってどうだっけ?」とわからなくなること、ありませんか?
それを、この2日間で排除しようという試みです。

ビジネスに正解はありません。マーケットが下す判断がすべてです。同様に、正しいBMC、VPCはありません。目的をかなえるための正しい「使い方」があるだけです。

イヴ先生は言います。「最初のBMCに恋をするな」。イイコト思いついた! この案最高!と、最初のアイデアに執着していては新しいことを生み出すのは難しいと説きます。
だから、ビジネスモデル・“キャンバス”なのだと。そう、絵を描くキャンバスです。落書きでいいんです。自由に描いてみて、違ったらピボットする。そのために、BMC、VPCに入れる各項目は、付箋紙に書きます。すぐ移動できるし、捨てられる。新たに加えることも簡単です。

私たちBMIAは、日本からビジネスモデルレベルのイノベーションが生まれていくことを、次々、各地で新しいアイデアが形になっていくことを全力で支援します。

さらに充実し、リニューアルしたBMIA認定ビジネスモデル・コンサルタント養成講座(基礎)。ぜひお越しください!

文責:片岡峰子


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