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中村健太郎×小山龍介「コンサル脳をつくるー3大基本スキルを身につけて市場価値を最大化する」ーBMIAリスキリング・セッション(5)

中村健太郎×小山龍介「コンサル脳をつくるー3大基本スキルを身につけて市場価値を最大化する」ーBMIAリスキリング・セッション(4)の続きです。


うまい聞き手であり、編集者であることが価値

中村 若いときは(コンサルタントとしてまだまだのときですね)、お客さんからのリクエストに答えて、調べ物して持っていくだけなんですけど、信頼が厚くなったな、コンサルタントとしての幅が広がったなと実感したのは、「ちょっと頭の整理につき合って欲しい」と言われたときです。

「自分が何考えてるのかわかんなくなっちゃったんで話を聞いてほしい」とか。「話を聞いてほしい」っていうリクエストをいただくと、腕が上がったなって気もします。

もっと言うと、めちゃくちゃ楽なんです(笑)。カウンセリングしてるようなもので、話を聞いて考えるわけですよ、まさにその場で。「こういうことですかね」「さっき言ったことと矛盾してますね」とか、「それだったら類似でこういう話ありますよ」って。

相手に課題、コンテンツがあって、それを編集する。価値も大きいしスケールできるし。それに、これなら何社でも抱えられる。調べたりするのにはどうしても稼働がかかってしまうのでね。

小山 ほんとそうですね。昔ながらのコンサルは、調査して工数かけてきれいなスライドをつくって、それが価値だった。ところがいまはビザスクで聞けばいいし、それこそChatGPTに聞けばある程度整理された書類が出てくる。としたら、コンサルタントとしては、うまい聞き手、情報をうまく編集する、カウンセリングにかなり近くなってくるというわけですね。いよいよ松岡正剛の編集術みたいなものがが重要になると。

中村 編集はもうめちゃくちゃ重要ですよね。

小山 ここまでのお話にも、何度かキーワードとして「編集」が出てきてますね。

中村 編集、本当に重要です。「企画・編集」っていい言葉だなと思いますけど、編集の能力は今後、ますます重要になります。

小山 いろんな「編集」があるなかで、コンサルにおける「編集」というのは?

中村 私は「物語をつくる」と定義してます。お客さんの目的、やりたいこと、課題に合わせたストーリーテリングをできるか。

いまは、金と時間をかければ、ありとあらゆる情報が取れるわけです。ただ、そのほとんどはクライアントにとって意味のないもの。だから、それをピックアップすることと、それをアピーリングにすること。

これは個人的に賛同しませんけど、ずっと言われてるのは「話がおもしろくないと聞いてもらえない」。(いやいや、問題意識が薄いんじゃない、と僕は思うんですけど。)それでもやっぱりクライアントはわがままなんですよね。「わかりやすいように持ってきて」って言われるんです。「いやいや、わかりやすくないよ、世の中は」って思うんですけど、それでも、お客さんにとっての問題を解決するコンテンツをひとつ抽出して、わかりやすく並べて物語にする。これを私はコンサルティングにおける「編集」と呼んでます。

わかりやすく伝えるためのメタファー

小山 事前の打ち合わせでは、「メタファーを使うのは、思考の怠惰、思考の放棄だ」というお話もありましたよね。「サッカーをビジネスにたとえると」みたいな話は、すごくあいまいなものを残してしまうので思考としては良くないんじゃないか、という議論があったんですよね。ビジネス「モデル」も、ある意味、抽象化しちゃうので、あいまいなものを残したままわかった気になっちゃう部分がある。とすると、ビジネスモデルっていう考え方、それを切り口に考えていくのはあいまいさを残したままにしてしまうんじゃないか、と。

一方で、アピーリングにするときに、比喩ってパワフルですよね?

中村 まさにそうです。非常にパワフルです。繰り返しになりますが、個人的には好きじゃないけど、求められるのでやらなきゃいけない。嫁に「あんたの唯一いいところは話がおもしろいことだ」って言われるんです。

たとえば、女性を口説くとき、友だちと仲良くなりたいとき、その目的で比喩・換喩を使っておもしろく話すっていうのは絶対やるべきなんですね。「花のように美しい」というとイメージが膨らみますし、「野球でいうと三遊間ですね」「ポテンヒットですね」っていうのはわかりやすい。「僕はゴールキーパータイプです」って、イメージがすごくしやすいですよね。

じゃあ、個人的にどうして嫌かといえば、ビジネスってそんなシンプルじゃないから。

小山 そう、そうですよね。

中村 ビジネスモデルもあとから抽象化することは思考実験でできますけど、抽象化したものを当社に当てはめて発展できるかっていったら、それはそれはチャレンジがあります。むずかしいですよね。

一口にコンサルティングファームと言ってもBCGとマッキンゼーとではぜんぜん違いますし、画一的なものっていうのは基本的にないと思ってます。もっともっと複雑ですし、もっともっと個社ごとに特殊です。複雑な事象に対する答えは複雑にならざるを得ない。要素が多いので。だから経営者ならメタファーに頼らずにそのまま理解してほしい、と思うんです。

個人的にはそう思うんですが、ただ、それを許してくれないクライアントがいるんで、わかりやすく、まぁ薬みたいなもんで、甘く仕立てる必要があって、そのときには、比喩・換喩っていうのは非常にパワフルな武器になるんですけどね。

個人的には、私に対して比喩を使う人には、「そのまま言っていいよ、わかるから。たとえなくていいから」って思ってます(笑)。

共通のコンセプトを伝えるための「モデル化」

小山 BMIAでは、ビジネスモデル・コンサルタント認定をしているんですが、コンサルタントとして現場に入ったり、ヒアリングしたり、インタビューしたり、いろんな人に会ったりしてしゃべってると、会社ごとに、事業ごとに、ものすごく複雑な、ものすごい情報があることがわかります。たとえば、一口にコンビニ業界といっても、会社ごとに違うのはもちろん、実はもっともっと細かく違ってるわけですよね。

もっと言うと、昨日のビジネスモデルと今日のビジネスモデルと明日のビジネスモデルは違う。どんどん変化していく。そんなものをモデル化したら、むちゃくちゃ抜け落ちるものいっぱいあるだろうと。だから、ビジネスモデルをある種の思考ツールとして使うときにはものすごく危険が大きい。

現場も知らずに、机上の空論でビジネスモデルを議論したら、やっぱりおかしなことが起こるし、相手の社長なり事業部長には「お勉強得意なんでしょうけど、現実をわかってませんね」って言われるパターンですよね。

中村 はい。

小山 ただ、ビジネスモデルが無効かっていうと、多くの人になにか共通のコンセプトを伝えるにはやっぱりいいんですよね。コミュニケーションスキルとして、モデル化する(ビジネスモデルも含めて)ことの優位性はあるのかなと。

中村 思考のきっかけっていう意味では、初めて行くお客さん、初めて行く社長に事業の話を聞きます、とか、「中村さん、折り入って事業についての相談があるんです」っていう場合は、やっぱり3Cを使いますね。基本的には、会社のこと、競合、マーケット、お客さんっていう普遍的なところから整理を始める。中身は特殊ですけど、項目とか問いは普遍的ですよね。

だから、普遍的な部分を抽象化するのは、われわれコンサルタントにとって、思考のツールとしてはめちゃくちゃいいですよね。問いの立て方とか、考える順番を整理するうえでは、3C、4Pも含めて、いくつかのパターンを頭のなかに整理して入れておくっていうのは非常に重要だと思いますね。ただその答えが画一か、っていうとまったくそうではない。

いまのお話とコンサルタントのスキルを上げるという意味では、いくつかのセオリーは、頭に入れておくと思考の幅が広がるな、と改めて思います。

たとえば、マルクスの資本論しかり。著名人が書いた、いくつかの定石、定説、セオリーっていうのがどの時代でもあるじゃないですか。リフキンのゼロマージナルコストソサエティもそうです。大きな潮流、大きな物語のなかで、人間が限られた脳で理解するために、世の中の事象を整理してくれてるわけですよね。その物語のなかで、自分がやってるワークはどこに位置づけられるのかというのを、常に比較していると、やっぱりすごく深みがすごく出るんですね。それは、セオリー通りに世の中を見るわけではなくて、セオリーという視点で、世の中の事象を見る、ということ。そうするとすごく発見があると思います。

小山 私はけっこう哲学書を読むのが好きで、まったく理解できないまま読み続けることが苦痛ではないんです(笑)。カント読んでてもまったく意味がわからず、でも、読み続けると、言葉遣いでカントっぽいなとかなんとなくわかってくるんです。そうすると、そのうち言ってることもちょっとずつ理解できてくる。自分もそういう言い方ができるようになってくる。つまり、言葉、言語が自分に入ってくる感じがするんです。そうして、言葉遣いが入ると、カントっぽく考えることができるように感じます。

最初の日本語の話に紐づけると、日本語を鍛えるということは、あいまいにならないように変えていこうという部分と、もうひとつ、多様な言語っていうんですかね、豊かなフレームワークと言ってもいいんですけど、「言語を持つ」ってこともすごく重要ですね。

今日の中村さんの説明にも随所にそれが見られて、中村さんはそれらを活用して思考されているのを感じました。やっぱり、言語をシャワーのように浴びて、読み込んでいるからこそ、多様な言語が土台としてあるのかなと感じました。

中村 そうだったらうれしいです。よく「合意の数だけ景色が見える」といわれますが、私は植物のことはよく知らないですけど、きっと僕が「全部草だな」と思ってるところにもいろいろあるんですよね、めずらしい動物がいるとか。

すごく自信があるのは、私は人の一〇倍ぐらいサッカーを楽しめるんです。

小山 それ、個人的にめっちゃ知りたいです(笑)。

中村 ボールの持ち方、その人の選択、ゲームをつくる監督がどういう思想を持ってトレーニングでどう落とし込んでるか。あぁだからこの事象が出たのか、と、類推しながら見ていくと、もうだれにも負けないぐらい楽しめます。

もちろん、スタジアムの雰囲気とか、日本が勝った、ということでも楽しめますが、それに加えて、知識があったり、思考があるから、より楽しめるんだと思うんです。私も本大好きなんで乱読はするんですよ。そうすると取れる情報量がその分深くなります。比喩がどうして響くかっていうと、イメージが楽しいわけですよね。快感につながる。思考が回るきっかけにはそうなってくれるので、そういう意味では本当に重要ですね。

読んだ本を説明できますか?

小山 ちょうどいまチャットで質問いただきました。「クライアントとの関係性をつくるにあたって必要な教養、文化的なものからプロ野球まで(ここではJリーグとかですね)、身につけるために取り組んでいることや心がけてることありますか」。本をたくさん読まれるということですが、単になんでも読めばいいわけではないんですよね?

中村 読み方ってありますよね。ご質問いただいた方に問いたいのは、「読んだ本を説明できますか」ってことです。説明できないなら、読む意味ないです。もちろん、楽しみのための読書もありますよね。漫画も、快楽として読めばいいわけです。ただ、教養として本を読むときには、説明できなきゃいけないんです、絶対に。

それは合ってなくてもいいんです。たとえば、マックス・ウェーバーの『プロテスタンティズムの倫理と資本主義の精神』を読みました。「デジタル時代って資本主義なんです。資本主義はキリスト教がつくったんです」。合ってるかわかりませんよ。だけど、僕はこれをウェーバーから学んだんです。「資本論って労働が商品価値になってる。労働を搾取してたっていうけど搾取する労働力があったからいいじゃん。今は搾取する労働力さえいらなくなってんだとリフキンは言っている」って説明できればいいんです。

教養として本を読むということは、説明できなきゃいけなくて、説明できない本は読んだうちに入らない。だから私は必ず読書メモをつけてます。

小山 おぉ! どんなふうなメモになるんですか?

中村 本をメモするのではなくて、そのときに考えたこと、自分の思考をメモするようにしてるんです。だから、やっぱり時間はかかるんですけどね、読むのに。

たとえば、ルネ・ジラールの『模倣の欲望』、大好きなんですけど、これを読んだときのがここにあるんですが。「人は社会的に欲望を持つ」「理由の前に人がやっていることを真似、人の欲望を自分の欲望とする」「赤ちゃんの模倣とは母親の欲望の継承」……めちゃくちゃおもしろいでしょ。

小山 おもしろいですね。

中村 こうやって、読み返せるじゃないですか。「小山さん、このジラールの話って知ってました?」って自分の言葉で言うと、やっぱり定着するんですよね。

さっきの質問に戻ると、経営者って思考を練るのが好きで、ウェーバーの話を聞きたいわけじゃないんですね。ウェーバーについて、お前の解釈をおもしろく話してくれっていうことを言ってるんです。だから、本を読んで読書のメモを書いてそれを自分のなかで理解する。これは、僕が考えたわけじゃなくて、松岡正剛がリバースリーディングって定義してたんで、それをやってみたらものすごい頭に入ってたんですよ。それを愚直にやってるっていうことなんですけど。

小山 今日のお話、松岡率高いですね(笑)。私も、イシス編集学校の師範大をやっていたことがありまして、松岡先生にはちょっといろいろと厳しいご指導ご鞭撻をいただいておりました。

教養は必要に応じていつでも出せるようにしておく

小山 ちょっと余談になりますが、最近ラカンについてちょっと勉強してるんですが、ラカンは、いまおっしゃったように、人の欲望を欲望するんだって言ってるんですね。欲望って移っていくんですよね。精神科医と患者さんの間でも、患者さんの欲望を精神科医が欲望してしまうみたいなこと(転移)があって、逆の転移もあって。究極は、欲望っていうのは言語と一緒だと。

みんなが日本語しゃべってるので、自分も日本語をしゃべらざるを得ない。すごく受動的なんですよね。欲望というのも、みんなが欲してるからそれを自分があたかも欲望してるかのように錯覚する。その欲望の元は違う人からやってきてるものだ、と。

自分が使っている言語も、突き詰めていけば、他の人がしゃべってたことをあたかも自分が考えたことのようにしゃべってるっていうことがわかってきている。どんどん大元をたどっていくと、自分じゃないところに行き着く、みたいなことを言っています。

なんでいまこの話をしようと思ったかというと、コンサルは自分の頭で考えているようで、やっぱり背後にいろんな人のアイデアがあってそれをあたかも自分のもののようにしゃべっている。言葉で伝えるって、本質的にはそういうことなんですよね。だから教養っていうのは、ある意味いろんな人を味方につけるというか、そうすることで厚みを増していくような効果があるのかなっていう気がします。

中村 ですね。読んだ本を説明できるようにしておくと、いまの、ジラールに対してラカン、みたいに話がつながっていく。この連携ができないと使える教養にはならないですよね。自分のなかで納得するのが、本当の教養だと思うんですけど。

ご質問は、「経営者と話すうえでの教養」について、ですよね。僕らコンサルは、教養人としてふるまわなきゃいけないんですよ。「欲望って模倣します」って言ったときに、その大元をたどると言語を学ぶのと一緒なんですっていう会話をしなきゃいけない。知識の出し入れをしなきゃいけない。すぐ出せるような状態にしておくのが、僕はすごく大事だと思う。

アウトプットの機会を増やす

小山 私たちのように、なにかしゃべる機会があると、しゃべってるなかで編集していく作業ができますけど、ずっと自分のなかだけで熟成させてるだけだとなかなかその機会が訪れないですよね。中村さんの本にも書かれてましたけど、やっぱりアウトプットする、しかもお金をもらってアウトプットするときに、ものすごく整理されていくものですよね。

中村 吉本興業の岡野社長とよくお話しするんですけど、関西人って、びっくりしますよ、僕は東京なんでね。関西人って、同じこと何度も言うんですよね。あるとき、岡本さんに「何度も同じこと言うの、だめなんですか?」って聞かれたことがあるんです。関西人は、何度も言うなかで磨いていくらしいんですよ。四回目、五回目と回数を重ねるごと、ちょっとおもしろくなっていく、その差分をお互いに楽しむらしいんですね。もう圧倒的に打席に立ってる数が違いますよね。僕らは言わないじゃないですか。少なくとも、僕は言わないし、同じネタって絶対言っちゃいけないと思ってますし。ひとりの人に五回も六回も言ってるやつには勝てませんよね。アウトプットの量が違う。

「松本人志のすべらない話」に出てくる芸人さんたちは、常にそういうことばっかりやってるわけですからね。

小山 本番までもう何百回って多分やってますよね。それでブラッシュアップした最高のネタを披露してるっていうね。

中村 芸人だけじゃなくて吉本興業の社員の方もみんなそうです。ふつうのミーティングで、ですよ。こっちもなにか言わなきゃいけないのかなと思うくらいです(笑)。

われわれは、読んだ本をアウトプットする機会を能動的につくらないと。読書会もすごくいい試みですし、人との会話の機会、本当はお金を多少でももらってコンテンツを出す、出版するっていうのがいちばんいいんですけど。異業種の交流会とか、そういう機会があったら臆せず、どうせ失うものはもなにもないので、最近こういうこと思ったとか、話をするっていうのはすごくいいトレーニングになりますね。

小山 それこそ今日のプレゼン自体もある意味ひとつのトレーニングになってますし、いまや、ブログもSNSもありますし。Twitter改めXで発信しても「いいね」がついたりしますしね。そういうところでどんどんどんどん発言していくといいんじゃないかなと思います。

(6)につづく

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中村健太郎

株式会社FIELD MANAGEMENT STRATEGY 代表取締役

大学卒業後、ベンチャーのITコンサルティングファーム、フューチャーに入社。
その後、ドイツを本拠とする外資系戦略コンサルティングファーム、ローランド・ベルガー、アメリカを本拠とするボストン・コンサルティング・グループを経て、2016年にアクセンチュアに参画。
通信・メディア・自動車・鉄道業界をはじめとする多数企業の成長戦略、新規事業戦略策定などを手掛け、技術トレンドにも精通し、ロボティクスや AI を活用した新規事業戦略策定/実行支援にも従事。
2022年9月にフィールドマネージメントに参画し、2023年1月1日よりFIELD MANAGEMENT STRATEGYの代表取締役を務める。

小山龍介(BMIA代表理事)

株式会社ブルームコンセプト 代表取締役
名古屋商科大学ビジネススクール 准教授
京都芸術大学 非常勤講師
ビジネスモデル学会 プリンシパル
一般社団法人Japan Innovation Network フェロー
一般社団法人日本能楽謡隊協会 理事
一般社団法人きりぶえ 監事

1975年福岡県生まれ。AB型。1998年、京都大学文学部哲学科美学美術史卒業。大手広告代理店勤務を経て、サンダーバード国際経営大学院でMBAを取得。卒業後、松竹株式会社新規事業プロデューサーとして歌舞伎をテーマに広告メディア事業、また兼務した松竹芸能株式会社事業開発室長として動画事業を立ち上げた。2010年、株式会社ブルームコンセプトを設立し、現職。
コンセプトクリエイターとして、新規事業、新商品などの企画立案に携わり、さまざまな商品、事業を世に送り出す。メンバーの自発性を引き出しながら商品・事業を生み出す、確度の高いイノベーションプロセスに定評がある。また、ビジネス、哲学、芸術など人間の幅を感じさせる、エネルギーあふれる講演会、自分自身の知性を呼び覚ます開発型体験セミナーは好評を博す。そのテーマは創造的思考法(小山式)、時間管理術、勉強術、整理術と多岐に渡り、大手企業の企業内研修としても継続的に取り入れられている。翻訳を手がけた『ビジネスモデル・ジェネレーション』に基づくビジネスモデル構築ワークショップを実施、ビジネスモデル・キャンバスは多くの企業で新商品、新規事業を考えるためのフレームワークとして採用されている。
2013年より名古屋商科大学ビジネススクール客員教授、2015年より准教授として「ビジネスモデルイノベーション」を教える。さらに2014年には一般社団法人ビジネスモデルイノベーション協会を立ち上げ、4年間代表理事を務め、地域おこしにおけるビジネスモデル思考の普及活動に取り組む。2014年〜2016年沖縄県健康食品産業元気復活支援事業評価会員。2016年より3年間、文化庁嘱託日本遺産プロデューサーとして日本遺産認定地域へのアドバイス業務。2019年〜2021年大分県文化財保存活用大綱策定委員。2020年〜大分県文化財保護審議会委員。2020年〜亀岡市で芸術を使った地域活性化に取り組む一般社団法人きりぶえの立ち上げに携わる。
2018年京都芸術大学大学院 芸術環境研究領域 芸術教育専攻 修了・MFA(芸術学修士)取得。2021年京都芸術大学大学院 芸術研究科 芸術専攻 博士課程 単位取得満期退学。2021年京都芸術大学 非常勤講師。

著書に『IDEA HACKS!』『TIME HACKS!』などのハックシリーズ。訳書に『ビジネスモデル・ジェネレーション』など。著書20冊、累計50万部を超える。最新刊『名古屋商科大学ビジネススクール ケースメソッドMBA実況中継 03 ビジネスモデル 』。

2013年より宝生流シテ方能楽師の佐野登に師事、能を通じて日本文化の真髄に触れる。2015年11月『土蜘』、2020年11月『高砂』を演能。2011年には音楽活動を開始、J-POPを中心にバンドSTARS IN BLOOMで年2回のライブを行う。ギターとボーカルを担当。2018年からフォトグラファーとしても活動を開始。2018、2019年12月グループ展覧会『和中庵を読む』に作品を出展。

写真・編集 片岡峰子(BMIA事務局長)



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