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コミュニケーションが変われば全てが変わる!?デジタル印刷だからできる地域創生!!

楠貴大(BMIA認定ジュニアコンサルタント/コニカミノルタ株式会社)

2024年3月3日「SFプロトタイピングとスペキュラティブ・ビジネスモデル〜ビジネスモデルオリンピア2024」が開催されました。(主催:一般社団法人ビジネスモデルイノベーション協会(BMIA))本記事は、イベント内での筆者イノベーションピッチに加筆修正したものです。

コニカミノルタの楠と申します。「印刷が最もサステナブルである」っていうことを、僕たちチームで検証してるんですけど、今日は、それについて紹介したいと思っております。


印刷によるコミュニケーションの変革をめざす

「印刷がサステナブル?」、なに言ってんのっていう感じだと思うんですけど、実際にはコミュニケーションの話です。みなさん、いろんな企業からメールが来ると思うんですけど、多分ほとんど見ずに放置してるとか、読まずにすぐに既読にしちゃっていませんか?

デジタルでもそうなのに、印刷となると、最近は少なくなってきつつあると思うんですけど、ポストにあるチラシを読まずに即ゴミ箱へ、みたいなことになっています。これって印刷が悪いんじゃなくて、実際にお客さんのことを考えてない企業の情報提供が悪いんじゃないかなと思っています。

僕たちは印刷機を販売する事業をやってるんですけど、印刷機をより良くするだけじゃなくてコミュニケーションを変革しないと、無駄な紙の使われ方をしてしまう。それを変えるために新規事業を起こしたチームです。

すばらしい取り組みなのに、実態はサステナブルじゃなかった……

これは僕の故郷、淡路島での話です。久々に帰ったときに、自分の住んでる地域ですごいプロジェクトをやってたんですね。放置された農地に簡単に育つ菜の花を植えて、それが育ったら迷路になって子どもたちで楽しみ、その油を回収してバスを走らせる。すごい良いサイクルです。

僕の親がまだその地域に住んでるんで、「知ってる?」って聞いたら、まったく知らないんです。実際にこのプロジェクトをやってる人たちのところに飛び込んで、いろいろ話を聞いてみると、その地域にはおじいちゃん、おばあちゃんしかいなくて、全然仲間がいない。すごくいいサステナブルなサイクルなのに、実際は、全然サステナブルじゃなかったっていうところが見えてきました。

これが形として残って伝わるような印刷を使えばいけるんじゃないのっていうのをいま取り組んでいます。今日はこれを紹介したいと思います。

印刷技術で、「伝わらない」「仲間が欲しい」を解決

ビジネスモデル・キャンバス(BMC)のいちばん右(顧客セグメント)が、先ほどのプロジェクトに参加しているおじいちゃん、おばあちゃんです。知ってもらうことが彼らのJOBです。なので僕たちはいろんな人に知られるように、その油に、われわれコニカミノルタのトナーを混ぜて、色をつけるワークショップをつくり、あわせて、実際に活動を知ることができるよう、簡単なパンフレットもつくりました。

すると、子どもたちがすごい喜ぶワークショップになったんです。そこに来ている親御さんにはこの活動のパンフレットをお渡しするという流れが生まれました。お祭りでやったんですけど、すごい子どもたちが集まってきて、いいイベントになったという事例がつくれました。

地域の学校の先生からは「体験教育として、すごい使えるね。これ欲しいです」って言ってもらえました。

実際にほかにもこういったイベントをやってる企業もありますので、そこも仲間になってきました。先ほどの「伝わらない」とか「仲間が欲しい」っていうのが、ちょっとやっただけで解決していったんです。

コミュニケーション課題を印刷という技術を活用するだけで、いろんな仲間が生まれて持続可能なサイクルになるんじゃないかと思ったのが今回のこの事例になります。

伝えたい想いがある方はぜひお声がけください

このように、僕たちは「印刷」を、単純に紙に落としてチラシを配るだけではなくて、いろんな組み合わせ方でいろんなコミュニケーションの変革が起こせるというふうに考えています。いま、いろんな事業者の方とか地域と取り組んでいるんですけど、受け取る人に本当に合わせられれば、印刷って最もサステナブルなコミュニケーションになるんじゃないかなと思っています。

みなさんも、自分たちの活動が伝わりきらなくて悔しいみたいなところってありませんか? もしいま思い浮かんだことがあれば、ぜひこのあと、お声がけいただければと思っております。

Q&A

山本:ありがとうございます。トップバッターにしていきなりすごいですね。ビジネスモデル・キャンバス(BMC)を見ると循環も一目瞭然ですよ。起点になるところが離れたところにお暮らしになっているお母さん。自分の活動、自社のプロダクトサービスを結びつけることによって、この循環ができた。すごいじゃないですか。
質問が来ています。「淡路島でできたっていう特殊要因ってありますか。」

:それは完全に友だちですね。僕の同期がたまたま市議会議員やってたんで、15年ぶりぐらいにFacebookでメッセージを送って、なにか印刷できないかと声をかけたことがきっかけです。

山本: 15年ぶりに市議会議員になった友人にお声がけする。これですよ。実は私たちもやってます。
社内承認等の課題はありますか。社内での理解、ブロックをどう乗り越えたましたか?

:僕たちは、なにか事業活動をすれば印刷物が生まれると思ってるんです。なので「僕たちの印刷機が活躍する仕事が生まれるんで、いいでしょ」って突破してます。

山本:なるほどね。ちゃんと自分たちのサービスプロジェクトの、そのフロントエンドの位置づけをはっきりしてると。
規模の経済が成り立たない、あるいは成り立ちにくい地域経済で、これからどういう戦略で売っていきますか?」

:やっぱり「関係者人口を増やそう」というのが地域の合言葉になってるんですけど、入ってみてわかったのが、これがめちゃくちゃ難しい。よくある、旅行者に来てもらって、地域活動に参画してもらって……、なんていうことは起こらないと思いました。地域住民に、このすばらしい活動を知ってもらうことすらできてないですね。なのでまずは本当に知ってもらって、地域住民がまず楽しむところから始めることが重要じゃないかなと思います。

山本:なるほど。大企業の組織にもすごく似てる気がしてきました。楠さん、ありがとうございました。


Q&A聞き手 山本伸/写真 小山龍介/編集 片岡峰子

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