変貌するシルクロードの国・ウズベキスタン鉄旅:⑥あんた、鉄っちゃんやろ!
復活したトラム(市電)
サマルカンドでは、トラム(市電)にも乗ってみた。
サマルカンドでは、かつて1947年~1973年までトラムが走っていたそうだが廃止された。その後、2017年に復活し、現在は、サマルカンド駅から2路線が運行されている。車両は、2016年に廃止された首都タシケントのトラムから持ってこられたものだ。LRTの名のもと、市電などが見直される世界的な流れに沿ったものだろう。
私が乗ったのは、観光地が多い旧市街からちょっとだけ離れた商店街からサマルカンド駅までの路線だった。この商店街は、大きな道路のロータリーの周りに、2階建ぐらいの店舗がズラーと並んでいた。一般消費者向けだけでなく、卸売の店舗も多いような感じがした。
終点となるトラム駅では、電車はループ状になった線路に沿ってくるっと向きを変えてサマルカンド駅方面へ折り返す仕掛けになっている。電車はチェコ製で、ヨーロッパ風の今時のかっこいい車体である。座席はセミ・クロスシートになっていた。
始発では2割程度の乗車率だったが、途中駅でどんどんと乗客が乗ってきてほぼ満席となった。運賃は1,200スムなので、15円ぐらいだ。女性の車掌さんが乗り込んでいて、運賃を徴収していた。少々混み合ってきても、必ず取りそびれず、かつ、一度徴収した人へは二重に請求しないようにちゃんと顔を覚えておくのはなかなか難しいテクニックだと思った。
乗客の中で、外国人と思しき人は私だけだった。世界的な観光都市のはずだが、このトラムは観光地の多い旧市街から微妙に離れていて、地元の人々の日常の生活路線になっているようだった。そんな中、私の存在は珍しかったらしく、隣に座っていたお姉さんが、降り際に「あんた、鉄っちゃんやろ、わかるわ」というような表情でニヤッと笑って降りていったのが印象的だった。彼女ももしかしたら、今流行りの鉄子なのかも知れない。
終点のサマルカンド駅前でも、トラムの線路はループ状になっていて、電車はこのループをぐるっと回って折り返すようになっていた。
リラックス効果抜群の緑茶(コクチャイ)
サマルカンドで宿泊したホテルもなかなか素敵だった。
ブハラのホテルはアラビアンナイト風だったが、サマルカンドのホテルの部屋は、木目と白と黒を基調にした今風にとてもおしゃれだった。
このホテルの良かった点は、部屋だけでなく綺麗な中庭を眺める形でチャイハナの台が置かれていたことだ。チャイハナというのは写真のようなお茶を飲むテーブルが乗った蓮台である。中央アジアでは、こうしたチャイハナが至る所にあり、ヒゲを生やしたおっちゃんが日がなチャイを飲みながらゆっくりと過ごし、仲間と談笑する場となっている。
このチャイハナがなかなか快適だった。特にコクチャイと呼ばれる緑茶が疲労回復やリラックス効果抜群だということを実感した。
ウズベキスタンも暑かったが、日本ほどの殺人的猛暑はなく、チャイハナに座っいると気持ち良い風が強い吹いてきて心地よかった。このホテルでは、チャイハナの場所が一番WiFiの状態も良かった。
ウスベキスタン風サラダ
このホテルの8月17日の朝食は、甘みが強いホットケーキ? パン? ケーキのようなものと、濃厚な味のトマトときゅうりに塩を振っただけのサラダ、ヨーグルト、そしてコーヒーだった。とても美味しかった。とくに、ウズベキスタンのトマトときゅうりの味の濃厚さに魅了された。日本へ帰ってからも、旬の濃厚な味のトマトやキュウリを見つけては、塩を振って、「ウズベキスタン風サラダ」と自称して食べている。
ボルシチ+ピロシキ+??
ウスベキスタンは、長らく帝政ロシアやソ連に支配されてきたので、ロシア料理の影響も強い。
この日のランチは、とあるレストランで、ボルシチとピロシキをたのみ、あと一品、なにかの肉とタマネギ、ピーマンを炒めた八宝菜のような料理を食べた。最後の料理は、中華料理の八宝菜なのか、その影響を受けたロシア料理なのか、それはよくわからない。しかし、いずれも美味しかった。
ウズベキスタン料理にも飽きたので
ウズベキスタン滞在中は、なるべくウズベキスタン料理を食べるようにしていたが、夜はさすがに少し食傷気味となり、毛色の違う店にした。
ドリンクはミントのカクテル。カリフォル巻の自称お寿司、それとウズベキスタン風のチーズのスープ。これが、どれも意外と美味しく、特にカリフォルニア巻とミントのカクテルの組み合わせがなかなかいけた。ステキな雰囲気のレストランでしたが、これだけ食べても85,000ソムなので約1,000円だった。
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