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ナ・テジュ著「あの人ひとりがこの世のすべてだった頃」

今日は、以前彼女に借りた本の一つについて話をしようと思う。
借りた本の題名は「あの人ひとりがこの世のすべてだった頃」。借りた時に彼女より伝えられた言葉は「きっと共感すると思う」だった。やはり私との付き合いが長いだけあり、相変わらず私の事をよく知ってくれている(というか、10年も片想いするヤツがこのタイトルの段階で共感出来ないなんて事があるはず無い)。

タイトルだけで無く、中身も凄い。一人の女性にゾッコンな男性の心情を、これでもかという程よく表している。まさに恋は盲目、気づけば頭の中で相手が占める割合がどんどん大きくなるというのを、詩という表現で何作品もにわたって形にしている。
またナ・テジュ氏の作風がそのような男性心理とよくマッチしているようにも思う。詩にしては少し珍しく「遠回しな表現が少なめ」なのだ。もちろん詩特有の「心象を自然の物で表す」とかも中にはあるが、それでもかなり簡潔に近道で書き記しているように感じた。これを見て思ったのが、色々頭の中でこんがらがりつつも結局最後に形として出てくるのはストレートなもの、というのが実に「意中の女性に心を奪われていっぱいいっぱいの男性」らしいという事。
…私だけか?いや私だけでは無いはずだ、そう思いたい。

元々小説等もかなり感情移入して読んでしまうタイプの私は、何度も自身に状況を置き換えつつ気付けばすぐに読み切っていた。それだけ夢中になれる素敵な本を貸してくれた彼女には感謝しかない

ただ一つ読み切って気になったのは、この本の詩に出てくる男性は自分に一定の自信があり、堂々としていたなぁという事。私は前々から記載の通り、なかなか自分に自信が持てていないので…ちょっと見習わせていただきたい。これから彼女を支える身として、しっかりとした足で人生の道を歩んでいきたいから。

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