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『転職と副業のかけ算』

こんにちは。青い羽のタナカです。最近相方のアオイが忙しくしているのでここは先輩らしく、そっとリードします。笑

今回は30歳で本業で年収1000万円、副業で年収4000万円を達成したmotoさんの著書『転職と副業のかけ算』です。新卒で年収240万円のホームセンターに就職した著者が4度の転職と副業で年収を最大化した体験談から、転職や副業を考えている人はもちろん、今は転職を考えてない人にもキャリアを歩むうえで考えておくべきポイントを教えてくれる一冊です。

1.終身雇用と年功序列の終焉

トヨタ自動車の豊田社長や経団連の中西会長が両制度の限界や制度疲労について発言したのは記憶に新しい。ケイパビリティマネジメントでも書いたが、市場の成長と共に会社や給料がスケールする時代は終わり、目まぐるしいゲームチェンジが行われている。「大企業だから安定」なんてのは昭和と平成の話だ。会社のどデカい看板が急になくなった時、自身の力で生活していける人は今の日本に一体どれだけいるのだろう。

「個人で稼ぐ力」

はもはや特殊能力ではなく、必須のスキルとなっている。個人で稼ぐことができる人こそが真の安定を享受できる。

なにもサラリーマンをやめろと言っているわけではない。「給料をもらう」というマインドから「給料を稼ぐ」というマインドに、姿勢に、変えていかなければならない。

2.年収240万円のホームセンターへの就職

著者が「個人で稼ぐ」のスタートラインに立ったのは短大に入学してすぐに始まった就職活動の時。テレビで「若くても実績のある人は企業からヘッドハンティングされ、20代で年収1000万円も叶う時代になった」という話題を目にしたところだ。そのころから著者は「30歳で年収1000万円達成」を目指すようになる。

当時著者は日本企業の大好きな学歴至上主義の中で短大生というハンデを負いながらも、企業の社長にいきなりメールしたり、履歴書で落とされた会社に再度選考させてもらえるよう直談判するなど、持ち前の粘り強さを発揮し、大手と呼ばれる企業からいくつか内定をもらっていた。

そんな中、著者は決して年収が高いとは言えないホームセンターへの就職を決めた。理由は、「入社後にやるべきことが解像度高く描けるから」。すなわち自身が実績を残すことへのこだわりからだった。

この後、著者はそれぞれの会社で実績を積み上げ、

ホームセンター(年収240万円)→大手人材会社(年収330万円)→リクルート(年収540万円)→楽天(年収700万円)→広告ベンチャー(年収1000万円)

と、10年間で4度の転職を経て、目標を達成した。

3.軸ずらし転職

では著者はいったいどんな考え方で4度の転職を成功(少なくとも年収の観点で)させたのか。着目したのは年収を決めるイメージ式、「職種×業界」である。

例えば、「金融業界大手の営業部長→年収1600万円」、「小売業界大手の取締役→年収900万円」というのはよくある話だ。年収に対する寄与度は役職よりも業界の方が圧倒的に高い。また、同じ証券会社でもアセマネとIBD、製薬会社でもMRとR&Dと、職種による違いも大きい。

とりわけ年収に対しては業界がもたらす影響が大きいので、「職種を固定してより年収の高い業界へ転職する」がおすすめだ。年収レンジが高い業界は「大きくお金が動き、利益率が高い」金融、通信、広告などだ。

一見業界を変えるのは難しいように感じるが、職種を固定することで「転職先で働くリアルな自分」が想像しやすくなるため、仕事の共通点を見つけて企業に訴求すればいい。

これが著者の言う「軸ずらし転職」で、実際に著者も営業という職種を固定して業界を渡り歩いている。

4.本業で結果を出す

転職のことだけ考えて見てくれがいい企業を渡り歩けばいいのか?答えはもちろんノーだ。転職には会社に求められることが必要だし、会社が求める人材は「優秀な奴」ではなく「会社を成長させるために一生懸命になる奴」だ。そして仕事が最高潮にノっている時、転職するのだ。

5.本業や過去の経験をお金に換える

そんな著者が本業であるサラリーマンの年収の4倍もの収益を得ているのが副業として取り組む「経験の情報発信」だ。

この書籍もそうだが、著者が発信している情報はまさに「転職で年収をあげた経験」である。自分が悩んだことというのは必ず他の人も悩むものだし、それがサラリーマンの経験からくるものであれば市場(=悩んでいる人のボリューム)は大きい。著者が副業の1/4しか収益を生んでいないサラリーマンを続けているのは、その経験自体が副業の源泉であるからだ。

副業のネタは「普通に生活していて尽きないもの」がいい。あなたが営業なら営業ノウハウや顧客の声、タクシー運転手なら混まない道の紹介や初対面の人と仲良くなる方法など、なんでもいい。

6.書評

お金の話が定量的でわかりやすいですし著者の目標にもなっている指標なので誤解しそうになりますが、この本で最も重要なメッセージは「転職で年収を上げなさい」ではなく、「求められる人材になりなさい」です。そしてそれはゲームチェンジが激しい世の中においては年収が上がることと同義になるわけです。私も副業(この前任期満了しました)をしていましたし、この書籍ブログもわずかながら収益を生んでいます。本を読むだけでもいいと思います。今の仕事を一歩引いて俯瞰するだけでも全然違うと思います。今すぐどこでも生きていけるスキルを身に着けることは難しいですが、「チャンスが来たら飛び込める姿勢」くらいは今日からでも始められると思います。この書籍と記事が皆様の明日の行動を少しでも変える力になればこんなに嬉しいことはありません。


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