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『最高のリーダーはチームの仕事をシンプルにする』

こんにちは。青い羽のタナカです。今日は、組織のリーダーがチームで結果を出すための仕事の進め方を教えてくれる一冊、『最高のリーダーはチームの仕事をシンプルにする』です。著者は花王で「課題解決の技法」を作り上げ、前者の課題解決力を底上げした実力者、阿比留眞二さんです。

1.仕事が複雑化している

日々の業務が多い、仕事の優先順位がわからず目の前の仕事で手いっぱい。そんな経験はないだろうか?もちろん決算前の経理部やクリスマス前のAmazonの倉庫など、致し方ない場合もある。しかし、仕事が忙しい大半の理由は、組織のリーダーがやるべき仕事とやらなくていい仕事をごちゃ混ぜに、あいまいに振ってくるからだ。あえて上司としないのは、会議のファシリテーターやマネジメント部署など、仕事を振ってくる組織のリーダーは、必ずしも自部署の上司とは限らないからだ。あなたがまだ20代で部下を持っていなかったとしても、組織のリーダーになる可能性は十分にある。

仕事を効率的に進め、最短距離でアウトプットを出すためには、リーダーによる「無駄を省き、仕事をシンプルにする力」がとても重要になる。

2.問題意識と課題意識

この2つはよく似た単語だし、同じ意味として使われていることも少なくないと思うが、本書ではこの2つを明確に違うものとしてとらえている。

①問題意識

会社の売上が下がっている等、会社や大組織全体の困りごと

②課題意識

会社の困りごとを解決するために各部署やチームが取り組むべき事柄

「よいリーダー」はこれらを混同せず、チームの取り組むべき課題を正確に認識し、必要な仕事に落とし込むことができる。これにより本来取り組む必要のないムダな仕事がなくなり、短期間で最大のアウトプットを出すことができるようになる。

3.花王の「課題解決の技法」

それでは早速課題設定から解決までの進め方を花王の「課題解決の技法」に沿って見ていく。

①チームの課題を挙げる

「会社の売上が下がっている」という問題に対し、営業であれば「新規顧客の開拓ペースを加速させる」、商品企画であれば「市場ニーズに合致する製品を企画する」等、チーム単位の取り組むべき事柄に落とし込む。

②その課題の障害となる事象を挙げる

取り組む課題の障害となる事象を客観的な視点で可能な限りたくさん列挙する。この際に主観的な「思い込み」で物事を考えず、必要に応じて外部からの視点を持つ人にインタビュー等をすると効果的。

③事象を整理する

②で出した事象を似ているもの同士でグルーピングする。ここでも客観的視点によるグルーピングが重要。グルーピングができたら直接的に課題の障害となっている事象にチェックを入れていく。

④真のテーマと最優先で取り組むことを設定する

③でチェックが一番多く入ったグループが真のテーマになるので、その中から優先度の高い(効果代の大きい)事象を選ぶ。

⑤「WHY」を5回繰り返す

選んだ事象に対し、原因を5回ブレイクダウンしていく。これにより客観的な視点での深堀ができ、原因を正確に特定できる。

⑥解決策を考える

見つけた原因の解決策を3つ考える。

⑦具体的なアクションプランを決める

解決策を作業ごとに分解し、それぞれに期限を設けながら計画を立て、行動する。

以上7つのステップを踏むことにより「本当に取り組むべき仕事」を明確化することができ、ムダな仕事に取り組む必要がなくなる。トヨタ自動車でも似た手法として「TBP」があり、大枠のステップ感は同じ。

4.パレートの法則

仕事をシンプルにするための考え方としてもう1つ有効なのが、パレートの法則だ。これは、2割の仕事が8割の結果を生み、残りの8割の仕事は2割の結果しか生まないというもので、この8割の仕事をどこまで削れるかがアウトプットへの距離を変える変数になる。「この資料は印刷して配る習わしなので100枚印刷する」とか、「新人の教育のために飛び込み営業100軒だ」とか、そういうやつのことだ。やらなくてもいいことを洗い出す、「劣後順位」を付けるという作業をやってみよう。

5.書評

パレートの法則、体感として非常に納得感があります。(笑)私もプロジェクトマネジメントをする中で様々な課題に直面します。関係者と課題解決に取り組む際に注意しているのが、「全体感を見える化し、その上でシンプルな仕事の依頼をする」こと。関係者はなぜそれを自分がやらないといけないのか、実際に何をいつまでにやればいいのかがわかるので非常に前向きに取り組んでもらえます。

皆様もぜひ、課題解決の技法を活用し、「全体把握からの選択と集中」ができるリーダーになってください!


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