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『イシューからはじめよ』

こんにちは。青い羽のタナカです。

今回は元マッキンゼーで脳神経科学者、現在ヤフーでCSOと務める安宅和人さんの著書、『イシューからはじめよ』です!

限られた時間で最大のアウトプットを出す手法は全ビジネスマン必見です!

1.生産性の高い人の共通点

「圧倒的に生産性の高い人」に共通するのは、「ひとつのことをやる速度が10倍、20倍と早いわけではない」ということだ。

「生産性が高い人」とは「最短距離でバリューの高い仕事をする人」のことだ。バリューの本質は「イシュー度」と「解の質」の2軸から成り立っている。

・イシュー度

答えを出す必要性の高さ

・解の質

どこまで明確に答えを出せているかの度合い

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優れた知的生産とは、取り組むべき問題「イシュー」を見極め、それをブラさず、質の高い答えを用意するということである。

欲しい結果から考える。まさに、『イシューからはじめよ』だ。

2.「よいイシュー」の3つの条件

イシュー度の高い問題、「よいイシュー」には、3つの条件がある。

①本質的な選択肢である

「売上が落ちている」という問題に対し、「商品力がない」のか「販売方法が確立できていない」のか、イシューを選ぶ段階で見当はずれな選択肢を取ってしまうとその後の作業とアウトプットが全て無駄なものになってしまう。

よいイシューとは、それに答えを出すことによって検討の方向性に大きく影響を与えるものである。

②深い仮説がある

一般的に信じられている物事の関連性を否定したり、新しい構造を思料することで、解決が難しいとされる問題にも道筋をつける。

普通であれば「ここまでスタンスを取るのか」というところまで踏み込んだ具体的な仮説を立てることで最短ルートで答えまでたどり着くことができる。

③答えが出せる

あらゆる方法をもってしても答えが出ない問題というものが世の中に存在する。特に、ビジネスなどの時間が限られている場面では顕著だ。「答えを出す」ことが付加価値なのであって、示唆に富んだ答え探しの旅から帰ってこない、「考えるだけ」では時間の無駄である。

この3つの条件を満たすものは「イシューっぽいもの」のうち、1%程しかない。「イシューの見極め」がその後の成果物の価値にいかに影響を与えるかがよくわかる。

3.「よいイシュー」の組み立て方

最近耳にすることが多い仮説思考だが、よいイシューを組み立てる際にも非常に有効だ。

「農業機械の市場はどうなっているのか?」

という設問をイシューにしても、答えを出すために膨大な情報を集めてから考える「犬の道」を通ることになってしまう。

「農業機械の市場は農業従事者の減少から縮小傾向にあるのではないか?」

と、今ある情報から仮説を立てることで、これからどんな情報を集め、それをどう組み合わせて分析するべきかを明確にすることができる。ムダな作業が減り、本質的な部分に時間を使えるようになる。

仮説を立てるためには一定の知識が頭に入っている必要があり、普段からニュースや本から情報収集したり、外に出た時に目に入る様々なものに興味を持つことで自身を鍛える必要がある。

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4.イシューをサブイシューに噛み砕く

また、イシューが定まった後には、そのイシューに答えを出すために明確にすべき情報、「サブイシュー」を設定することにより、全体構造をさらに正確に捉え、分業作業で効率化することができる。

このイシューからサブイシューの分解にはフレームワークが効果的で、物事をMECEに分析する助けとなる。フレームワークは一般的によく使われる3C分析やPEST分析、5フォース分析を使うこともはもちろん、思い付く限りのサブイシューを洗い出し、同じレベル感のものを束ねることでフレームワークと同様に使うこともできる。

サブイシューへの分解が終わった後は

「最も結論や話の骨格に大きな影響力を持つもの」>「早く終わるもの」

の順で取り組み、常にアウトプットへを最大化することを心掛ける。特に結論や骨格が変わるファクトがある場合には早期にイシュー/サブイシューの修正が必要だ。

5.情報を収集する

サブイシューの分解が終わり、「何にどういう順番で取り組むか」が決まった。ここからは実際に情報を集める作業に入っていく。

・ファクトを集める

様々な会社が統計データや業界動向についてのレポートを出している。自分の仕事のアウトプットの根拠とするだけの、情報の信頼性があるのかを常に確認する必要がある。

調査対象が誰か、調査期間はいつか、誰が出しているレポートかなど。

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・フェアな姿勢で検証する

一度イシューを設定すると、そのイシューにとって都合のいい情報ばかり集めてしまうことがある。情報に対してフェアな姿勢向き合い、示唆を出すことでしか本質的な価値は出せない。

・複数のアプローチから推定する

イシューに対してどんなに重要な数値であっても「データがない」ものはどうしても存在する。その場合は様々な算出方法を検討(フェルミ推定)し、本質的な算出方法かどうか(需要側からか供給側からかなど)、そのための正確な数値が集められるかどうかから、アプローチ方法を見出していく。

・他力を頼る

自分より詳しい人が身近にいるのであれば頼ればいい。無理にすべての情報を自力で集めようとする方が情報が不正確になるリスクがあり、なにより非効率的だ。

6.ストーリーラインを組み立てる

最後はストーリーラインを組み立て、相手に伝えるという作業だ。

①必要な問題意識・前提となる知識の共有

②カギとなるイシュー、サブイシューの明確化

③それぞれのサブイシューについての検討結果

④それらを統合した意味合いの整理

どんなにすばらしいアウトプットでも、相手に伝わらなければ意味がない。説明はこれ以上できないほど簡単にし、論理を理解してもらう必要がある。

7.書評

有名な本について書くのはいろいろ言われそうでなんかちょっと怖いですね。笑

今回の『イシューからはじめよ』は、コンサルティングファームのような頭とpptだけで仕事をする人に限らず、現場のオペレーションや問題解決にも活かせるものになっています。

また、クライアントワークであればそもそものイシューの前提となる「クライアントの期待値」がブレないようにコントロールするというのも、プロジェクトリーダーの重要な役割の一つかと思います。あれもやってこれもやってと、スコープ外の仕事を追加されてばかりいてはアウトプットを決めることができません。

書きだしている内容はあくまで私自身が「これは特に重要だ」と思ったり、「今の自分に足りていないので、今後定期的に見返したい」と思った要点を抜粋しているため、書籍の完全な要約ではありません。本書にはビジネスマンの仕事の質を高めるエッセンスが盛りだくさんなので、是非一度、最初から最後まで目を通していただければと思います。

人によって響くポイントは異なるはずです!


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