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もの訊かれる人となるその結論

 家族と話し合った結果、私が職務質問されたのは『激レア』だったということになった。しかし私にその自覚は無く納得はしていない。
 今回私が職務質問の現場となったのは首都高速湾岸線の側道。確かにそもそもが自動車・自動二輪車のために作られた道なので、辺り一帯の歩行者・自転車は少ない。しかし皆無ではない、というよりも私が想像していた以上に多い。

 私がよく自転車で走り回っているのは国道15号の海側。工場や倉庫団地や飛行場が集中する地域だ。こんな場所を自転車で走るのは私のような物好きくらいだろうと思っていたのだが、あにはからんや、地の果てで人間とすれ違うことは割とある。暑さ寒さ完全防備のジョガーや、私のクロスバイクの3倍はスピードが出そうなロードバイク、休日出勤とおぼしきシティサイクルの人々もいる。そもそも埋立地には緑地公園が多いため家族連れの姿は常に見かける。自動車以外で移動している人影は異常ではいはずだ。

 ということを家族へ熱弁を振るったのだが、ひとりで自転車を走らせる中年女子(+釣竿)というのが『とても珍しい』のだということになった。海岸の公園まで辿り着けば女子お一人様は見かけるが、確かに車道で私と同じステータスの人物とすれ違ったことはない……。つまり今までが運が良かっただけで、休日の工場地帯にあって私のステータスは職務質問に値するということなのか。これから釣りに何度も通うことになる予定であるのに、また財布の中身を開陳する羽目になるのだろうか。

 このステータスを恥とも寂しいとも思わないが、休日の不審者になるのはどこまでいっても納得はいかない。


今日の英語:Unusual person
 

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