道を歩き空の広さを吸う

　バイオリンのレッスンの帰り、天気と気力の波が合った時は、先生のお宅から最寄駅まで30分を歩いて帰る。
　坂道は多いしバイオリンケースは重い。次第に杯が肋骨に圧迫されるが。それでも景色は格別だ。

　都市部の丘陵、それほどの高さではない。それでも私の好きな遠近感と視界の2/3を空が占める空間を堪能することができる。鬱蒼とした植栽に“自然”を感じる、普段どれだけ植物の貧しい場所で暮らしているか思い知らされる。

　空は毎日青い。それでも深呼吸して眺める空はより深い。

今日の英語：Hill road