自己啓発本との付き合い方

自己啓発本、と聞くと拒否感を示す人がいるけど、そんなに変なもんかなぁ?というのが正直な感想。読書します、って言ってどんなのを読むのか聞かれて求められている答えは小説のタイトルのように感じるのも不思議、というところが本音。

自己啓発とは:自分自身の能力を高めることや精神的な向上を目指すこと。つまり自らの能力と心の成長を目的とする取り組み。

とある。啓発とは孔子の言葉で

「啓」理解に向けて導くこと

「発」はっきりと理解させること

ゆえにその本は自分自身を高めるため導いてくれる本、というところか。

私自身は自己啓発本も普通に読むし、ほかのジャンルとなんら変わりないものとして扱っている。それはツールの一つであり、「生きる」ということに+αの知恵を授けてくれるようなものとして重宝している。確かに怪しげなセミナーや高額商品をここぞとばかりに売りつける人もいるので否定はできないけど、もっと気楽に捉えてもいいんじゃないかなと思う。個人的な位置としては先人の知恵、といったところだ。

ふと思い立って先日、自己啓発のバイブルであるジェームス・アレン「原因」と「結果」の法則を再読した。一世紀以上前に書かれた本なのに今を生きる人にも十分参考になると思う。なんなら本も薄いし字も大きいので読みやすい、漫画になってるものもあるそうな。

『私たちはその大きな目標の達成を第一の義務として、毎日を生きるべきです。自分の思いをはかない夢物語やあこがれ、妄想などの上に漂わせたりするのではなく、その目標に集中して向け、意欲的に達成をめざすべきです。それによって私たちは集中力と自分をコントロールする能力を磨くことにもなります。そして自分をコントロールする能力を磨くことこそが、自分を強化する最善の策なのです。』

これはその一部、一冊の中で私自身がこれに尽きると思って抜粋してみた。

自分自身を高める、というところに着目しすぎると意識高い系な方向にまっしぐらかもだけど、生活するうえで直面すること、悩み、答えが出ずにモヤモヤするが他人と共有するまでもない感情などを先人が「こうしてみたらどうじゃ?」と活字で語りかけ、諭してくれる。それは時には背中を押してくれ、肩の荷を下ろし、そして許してくれるものである、と私は考える。

いろんなヒントが散りばめられているな、と思うから読むのを止められない。一冊1,800円前後で肩の荷がおり、生きやすくなる知恵を学べるのなら、安いんじゃないか?とすら思う。これは情報が目まぐるしい現代社会で押しつぶされぬよう自己を守る術、、予防接種、ともいえるかもしれない。

でも一つ大事な点は、あくまで自己で完結すべきものであって、他人に強要するものではない、ということ。もともとの自己啓発の意味合いからして、自分自身に対する取り組みであって他者に向ける働きかけではない。だから何かのきっかけに「この本、個人的には良かったよ」と勧める程度ならOKだろうけど「この類しか読むな、時間の無駄だ」といった決めつけ・押付けはよくないよね。

何を読もうと自由なんだ。何から学ぼうと、自由なんだ。

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