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『男はつらいよ 50 お帰り 寅さん シネマ・コンサート 特別公演 東京国際フォーラム ホールA 2024.6.29.

シネマ・コンサートは、映画のセリフや効果音はそのままに、音楽パートをオーケストラが映画本編(全編)上映に合わせて生演奏するもので、映画をライブ感覚で楽しめるエンターテインメント…らしい。要するに、映画の音楽パートのみが生演奏ということだ。それは映画なのか、それともコンサートなのか。アタマでは理解できるが、実際に体験するまではなかなか想像しにくい企画だったが、結論としては、映画としてもコンサートとしても、とても楽しめた。

公演は2部構成。まず、第1部は山田洋次監督と倍賞千恵子、前田吟、吉岡秀隆のキャスト陣、そして作曲家の山本純ノ介が登壇したトーク・ショー。5年前に映画を観たときにも感じたが、登壇者の話から自然と伝わる55年(5年前は50年)と50作という歴史。今回もその重さを感じられたし、それを笑いで語るのが素晴らしいと思った。

ちなみに、当初はMCを北山雅康さんと松野太紀さんが担当する予定だったのだが、直前に松野さんが急逝。本番は代役をたてず、北山さんが務めた。

2部のシネマ・コンサートは、映画も演奏も、何の違和感もなく楽しめた。どちらに集中すれば良いのか迷うのではないかという事前の思いは杞憂。東京フィルハーモニー交響楽団の演奏を聴く機会も貴重で、生演奏としての劇伴をじゅうぶんに堪能することができた。

登壇者も客席でシネマ・コンサートを鑑賞していたのだが、終了後、再びステージへ。おそらく予定にはなかったであろう全員の挨拶があった。とにかく皆さんひとり一人の笑顔が印象的で、映画・演奏と相まって実に感動的なフィナーレになっていた。


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