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叫ぶスマホ:右手が悪いんです

 Twitterのタイムラインを眺めるのを、趣味の一つとしている。そんなもんが趣味なんて、さもしい奴! と思われるかもしれないが、私もそう思う。ただ、平均して一日に一時間も眺めていると、これはもう立派な趣味の一つではないかと思う。一つ言えることは、早くこの趣味辞めたい。40になってもやってたら、時間の浪費たるや。自分に絶望するね。多分やってると思うけど。

 しかし現実問題、しばらくは辞められそうもない。ふんわりした世の中に何の影響も与えない、口触りのよいぬるま湯のような情報の機銃掃射というのは、それをモロに受ける人間には代えがたい麻薬のような快感をもたらす。

 で、そんな高尚なことを言いたいワケではなく、スマホが叫ぶんですよ。電車で、オフィスで、ご家庭で。

 タイムラインを漫然と眺めているとき、何の気なしに私の親指があるツイートに当たってしまうと、スマホが喚きだす。私の意思とは無関係にだ。これはもう、激甚災害に指定してもいいのではなかろうか。私の意図とは関係なく、クラブもかくやという音楽とテンションが極めて高い出演者が喚きだす。周囲の人間が一斉に私を注視、するまでもなく、私は誇張ではなく少し飛び上がり、左指で音量ボタンを下げ、右手でTwitterを閉じる。一連の作業が終了したあと、やれやれといった顔で周囲を見渡し、周りの人間は顔を背ける。ニヒルに笑い、そっと立ち上がり、その場を後にする私。行き先はもちろん、トイレだ。火照った顔を冷やし、全てを水に流す。

 いや、もうこれはやっぱり激甚指定よ。だって私になんの落ち度もないもの。強いて言えば、職務中にTwitterを見るなという話だが、それはまずそう。それは正しい。だけれども、ちょっと息抜きしていただけでこの仕打ち。私は悪くない! ほな誰が悪いんだと言えば……この右手だ! 右手が悪い。この野郎! しっかりとタップしないから、こうして皆様に迷惑を掛けるんだぞ! この、この! ……あとでしっかりと叱っておきますから、皆さん、この場は何卒ご容赦いただきたく。あっ! またTwitterを見て、反省の色が足りないな! くぬっ、くぬっ(右手を机に叩きつけるパフォーマンス)

 追記:今回雄叫びを上げたのは、「ドリームシップ エピソード 1/2」の一部抜粋映像。シャアとカミーユ、アムロの声優が声を当ててオカマ役を演ずる、というファンには堪らないコンテンツ。もちろん、トイレで水を流しながらイヤホンで確認して、爆笑。仕事にならん。

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