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【雑感】気分がアガらない日々

なぜだか気持ちがアガらない時期というのはあるもので。

私はもともと「自分で自分の機嫌をとること」が上手くない。だから、アガらない時は自然に気持ちが浮上していくまで待つしかない。時間に頼る。

最初にガンと告知されてから、8年以上経った。
辛い治療もたくさん経験したし、何よりいつも死の恐怖と闘ってきた。
この2年は特に痛みとの闘いの日々。新しい治療が始まって、好きな仕事も休業。夫以外の人としゃべることもない、誰にも会わない日が続く。

……そりゃーねー、気持ちもアガらんよ!

そりゃそうだ、うん。
この状況で明るい人って、逆になんやねん。
それにしては、結構前向きで明るく暮らしているほうよ、私。
そんな私がたまに気持ちが落ちたって仕方ないやんね。誰も私を責めないし、無理に元気出せなんて言わないだろう。

この1週間はそんな感じで、生産的なことを何もやる気がしなかった。頭を使いたくないのでnoteも書きたくなかったし、本も読む気がしなかった。
そうだ、久しぶりに韓国ドラマを見ようと思い、「涙の女王」を見始めた。
韓国ドラマ、好きなんだけど、一度見出したらやめられなくなって、生活すらままならなくなってしまうから怖いのだ。
面白くてやめられないというのもあるけど、私は「早く結末を知りたい派」なので、本でも漫画でも一気読みしてしまうことが多い。だから、韓国ドラマは、まさに沼!!
足を突っ込んだら他のことは何もできなくなってしまうから、これまでもお正月や長期休暇、仕事が落ち着いている時など、少し生活に余裕がある時しか見ないようにしてきた。
これまで見たのは7、8作品かな。

今回の「涙の女王」は、韓国ドラマの「幕の内弁当」みたいな感じで、財閥、相続争い、詐欺、事故死、身分違いの結婚、余命3ヶ月、記憶喪失、都会と田舎の格差、絶対有り得ないような奇跡の出会い、美女とイケメンマッチョの恋愛、親子の確執、報われない狂気的な愛、裁判と、もう「これでもか!」というくらいベタな要素のてんこ盛りだった。
それがやめられないほど面白いんだから、不思議で仕方ない。
1話がだいたい90分で、それが16話完結。長い!
毎日毎日、目がショボショボしてぐったりする限界まで見続けていた。

余談だが、私の夫はドラマでもアニメでも途中から見ても楽しめる、という特技を持っている。
私がドラマを見ていると、たまたまリビングを通りかかって一緒に見始めることがある。すでに3話くらいまで進んでいると、普通は入り込めないものだが、しばらく見て「面白い~!」と言い始める。
それはもちろんいい。ただ、私なら面白そうと思ったら、とりあえず1話から見て追いつこうとするのだが、夫はそれをしない。途中からとは思えないほど夢中になる。

そして、これが面倒なのだが、横から「これ誰?」「この人なんでこうなったん?」など、いちいち聞いてくる。途中からなので、そりゃそうなる。
私はそのたびに一時停止して(Netflixや録画で見ていることが多いので)、これまでのストーリーと登場人物の解説をしなければならない。
夫にこれを何度もやっているから、たぶん私はドラマや映画のストーリーを3分で解説するのが、めっちゃ得意になっていると思う。

今回の「涙の女王」も夫は途中参戦で、私は何度も解説を強いられた。
結局、ヒマを持て余している私は、夫がいない間に最終話まで見てしまったが、さすがに夫もラストは気になったようで、最後の3話は1人で見ていた。

私が韓国ドラマを好きなのは、いろいろ困難なことがあっても最後はハッピーエンドだから。まあ、そういう作品を選んでいるということもある。(ラブコメかラブロマンスだけで、怖いのは絶対見ない)
好きと言っても、本当に好きな人からしたら、それっぽちしか見てないの?というくらいのものだが、なにしろよほどまとまった時間がないと見る勇気がないので、そんなにたくさんは見られないのだ。(週末に少しずつとか、そういう見方ができない)

久しぶりの韓国ドラマ一気見で、少しは気分もアガるかと思ったが、見終わった後もまだ何もやる気が出なかった。
それで今度は漫画の再読フェアを始めた。私は好きな漫画を「詳しいことは忘れている頃合い」に再読するのが好きだ。
とりあえず今読んでいるのは「ジャイアントキリング」。
サッカーの話で、監督が主役。この漫画は夫が会社の人に借りてきてくれたのがきっかけで好きになり、自分で50巻まで買ってしまった。ただ、この数年は新刊を買っていなかったので、何巻まで出ているんだろうかと調べたら64巻だった。
ということは、50巻まで再読フェアをやった後、あと14冊買わないといけない。出費ではあるが、未読分の14巻も楽しめるのかと思うと嬉しい。
男友達のW氏に「ジャイアントキリング好きやねん」と言うと、「えー?なんかイメージないわー」と言われたことを思い出した。
いや、案外スポーツものも好きなのだ。同じくサッカーの「アオアシ」も全巻読んでいる。ボクシングなら「はじめの一歩」だって100巻くらいまで持っている(さすがについていけなくなった。今140巻くらい出ているのかな?)

「ジャイアントキリング」は久しぶりに再読してみたら、やっぱり面白かった。
一応、元日本代表選手だった達海が主役で、東京の弱小プロクラブの監督になってチームを強くしていく話なのだが、選手一人ひとりの心情にも迫るし、クラブのフロントやサポーターたちにまでスポットがあたる。その人間ドラマが面白いのだ。単に主役の選手が成長して、試合に勝った、負けた、というような物語でなく、いろんな立場のいろんな人の気持ちが描かれているから、物語に厚みがある。監督同士の策のやり合いも見どころ。
これを読んでいると、自分にも生活の中心になるくらい応援できるチームがあれば、人生楽しいだろうなぁと思ってしまう。
スポーツじゃなくてもいい。アイドルでも何でも、いわゆる「推し」がいる人が羨ましい。
姉がBTSのファンなのだが、以前、「彼らのおかげで毎日が楽しくなるねん。なんとか生きていけるねん」と言っているのを聞いて、そんなふうに思える相手がいるっていいなぁと思った。プロ野球でもそう。応援に行って、大声あげて、笑って泣いて感動している人を見ると、なんだか羨ましい。
でも「推し」って、無理やり作るものでもないから。

私は好きなものはたくさんあるし、元気な時はキャンプ旅や飲み歩き、料理やホームパーティーなど、いろんな場所へ行き、たくさんの人と触れ合い、仕事以外でも人生を謳歌していたと思う。でも、体が自由に動かなくなってからはそういう楽しみも奪われてしまった。毎月キャンプに行っていたあの生活が懐かしい。キャンプに行きたいなぁ、焚き火したいなぁとよく思う。
せめて「推し」でもいれば、もう少し生活が潤いそうなのだけど。

なんだか内容が支離滅裂になってきたが、とりあえず「気分がアガらない日々が続いていた」ということ。そして、ドラマを見るか漫画を読むかという、自堕落な生活を送っているということを書きたかった。
痛みがなければ、こんな生活もまあそれなりに楽しめるだろうが、もれなく「痛み」がついてくるのがやっかいだ。

でも、今日これを書いたことで、ちょっとスッキリしたかも。少しは浮上してきたかな。
たまにはこんな時期があったっていいか。


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