見出し画像

朝はお気に入りの鉄瓶で、白湯を。

空気の冷たい早朝に白湯を飲むのが好きだ。
鉄瓶に水を入れ、ガスコンロにかけて蓋を取ったまま沸かす。
沸騰してしばらくしたら火を止め蓋をして、お気に入りのマグカップに注ぐ。マグカップは大きめがいい。たっぷり飲みたいから。

まだ熱い白湯をふーっふーっと吹きながら冷まして、ひと口。
とたんに体の中心が温まり、固まっていた体がほぐれ、リラックスしていくのがわかる。
今日も、いい朝の始まりだ。

昔は「白湯を飲む」とか「スムージーを飲む」とか「玄米を食べる」とか、そういう「意識高い系」のことを話す女性って鼻につくな、と思っていた。
でも、自分自身が病気になってから、いろいろ本を読んだり先生にアドバイスを受けたりすると、やっぱり「体に良いもの」というのは存在するとわかる。

白湯に関しては、以前は普通にケトルで沸かしたり、面倒な時は電子レンジでチンしたりと適当だったのだが、「鉄瓶で沸かした白湯は、まろやかで甘くなる」と知り、鉄瓶が欲しいなぁと思うようになった。
それから時々デパートや雑貨屋で探してみたのだが、どうもピンとくるものがない。

私は、器の類は「一期一会」「縁」だと思っているので、適当に買いたくはなかった。それに、どうせ買うのなら「誰が作ったのか」わかる作家物を使いたいという気持ちもあり(家の器はほとんどが作家物なので)、そのうちまた岩手へ行くことがあれば本場の南部鉄瓶でも見てみようかな、くらいに思っていた。

しかし、昨年の5月、夫が「誕生日プレゼント何がいい?」と聞いてきたので、ふと、もしネットで鉄瓶との良い出会いがあればリクエストしてみようかと思い、初めて検索してみた。

そうしたら……あった!
見ているだけで心躍る、そんな鉄瓶に出会ってしまったのだ。
まさに「一目惚れ」だった。
夫に言うと、「じゃあこれを誕生日プレゼントにするね」と早々に注文してくれた。鉄瓶はすぐに届いた。

画像1

岩手は平泉の「工房 和秋(わしゅう)」というところで、金野和秋さんという作家さんが作られたもの。

まず気に入ったのはその文様だ。スタンダードなぶつぶつの「アラレ」ではなく、表・裏に雲に浮かぶ仏様がデザインしてあって縁起がいい。色も真っ黒じゃないのがよかった。

容量も1.2リットルで理想的!
1点モノなので同じものはもう手に入らない。こういう出会いを求めていたので、気に入った鉄瓶に出会えて嬉しかった。

あれから何年も、毎朝のようにこの鉄瓶は活躍してくれている。
寒い冬はもちろん、夏でも一年中、私の朝は「白湯」から始まる。
お気に入りの鉄瓶とマグカップで迎える朝は、いつも少しだけ体にやさしいことをしている気持ちになるのだ。

この記事が参加している募集

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?