見出し画像

1minute七十二候 鴻雁来(こうがんきたる)

寒露<初候>
10月8日から10月12日頃頃

10月に入り、すっかり日が落ちるのが早くなり、仕事が終わった後の帰路の暗さに驚く方も多いのではないでしょうか。

この時期は、ツバメと入れ違いに越冬のため雁が北から渡ってくる頃。毎年、最初に訪れる雁を「初雁(はつかり)」と呼んでいます。群れで飛ぶ美しい雁の様子は昔から様々な文学作品や絵画の題材にも取り上げられてきました。

またこの時期は、道を歩いているとあの良い香りに出会う季節でもあります。そう、金木犀の香り。金木犀を楽しめる季節は9月中旬から10月下旬と短いので、その間はぜひ思う存分楽しんでください。

金木犀は東洋医学では「桂花(けいか)」と呼ばれ、身体を温め、寒さを追い出す力があります。中国では桂花を白ワインにつけた桂花陳酒があったり、また痰や咳にも効果があるので、桂花茶としても親しまれているようです。

手軽な方法では、乾燥させた金木犀・桂花を紅茶や烏龍茶などに混ぜて楽しむこともできます。憂の季節と言われる秋に心も体も優しく癒してくれる存在ですね。

七十二候ってなに?
日本には一年を24に分けた二十四節気(にじゅうしせっき)と、さらにその二十四節気を3つずつ合計72に分けた七十二候(しちじゅうにこう)という季節があります。
七十二候は鳥や虫、植物、天候などの様子で季節を表現しており、細やかな自然の移ろいを感じることができます。 骨董・アンティークバイヤーとして活躍する傍ら「古き良きものの美しさや、ものを大切に使うことの楽しみ」もご紹介中。 ここでは ゆとりある心づくりのヒントとして、季節の話題を記しています。

What is 72 micro seasons?
In Japan, nature's rhythmic seasons are deeply cherished, inspiring a fascination with the mesmerizing 72 micro seasons. Unlike traditional divisions of four or six seasons, these micro seasons paint a vivid picture of nature's transitions with astonishing precision. Imagine the thrill of witnessing the delicate blooming of specific flowers, the graceful arrival of migratory birds, the tantalizing ripening of certain fruits, or even the intriguing behaviors of animals. This admiration cultivates heightened awareness of the surrounding world, immersing individuals in the mesmerizing beauty and rhythmic harmony of nature's ever-changing tapestry.


written by Yuuki Usami-Nakamoto © antique blue Parrot Co.,Ltd.


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?