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外資系企業で働くということ(2)

前回のnoteの続きです。こちらもおよそ12年前に書いた記事ですがこの場を借りて再度掲載しておきたいと思います。


以前もエントリーしたこの内容。前回は外資系企業で働くことにおける気になるところなどをまとめましたが、今回はちょっと別内容(外資系企業を渡り歩いていくために必要と思われること)を書いてみようと思います。

昨年夏頃から実はいろいろとありました。そろそろ半年という時間も経ったことなので、忘備録としてまとめておこうと思いキーボードを叩いているところです。

少々著者の歴史振り返りを。約11年働いた国内半導体商社を去ることを決意したのが2010年末。今思えば、半導体商社商社勤務時代は一貫して海外メーカー製品を扱っていたということもあり、外資系メーカーへの憧れというかなんというか。そういった感覚は常々持っていたので、外資系への転身は必然の流れだったと思います。結果として2011年4月からアメリカに本社を構える半導体ストレージメーカーに転職。日本法人自体はとても小さい組織だったということもあり個人でサポートしなくてはならないことも多く日々大変でしたが、かなり充実した時間を過ごしていました。しかしそんな日々も長く続くことがなく、多発的に発生した諸問題から日本市場での売り上げが急激に減少。日本チームとしては全力でこの問題に対応していたのですが、最終的には力及ばず。本社からの日本法人縮小という大決定が無情にも突きつけられてしまいました。

噂には聞いていましたが、解雇通知は本当に1枚の紙切れのみ。その名も"Termination of Employment"。内容的には「今までの貢献には非常に感謝している」「いまの会社をは非常に厳しい状況だ状況」「人員整理せざるを得ないことを理解して欲しい」「これからの活躍を祈っている」って感じ。多少形式ばっているけど非常にシンプル。Simple is Best。午前中は普通にお客さんと打合せをしてお昼頃に出社。レポートをまとめている時にこの書類を渡されました。これぞまさに青天の霹靂でした。とにもかくにも、このレター1枚で失業者になったということです。2011/6/26のことでした。

そこからは一気にアクション(生きていくためにはなりふり構わず動かないといかんのです)。すぐに日頃コンタクトしている外資系企業専門のエージェント数人に連絡。また懇意にしていただいていたお客さんにもこの件を伝えました。結果、お客さんからは付き合いのあるベンダーを1社紹介してもらい、また今回の件を知った前職時代の上司からも声をかけてもらい、解雇通知をもらった2日後にはその2社と面接を受けることに。ここで、心の奥底から痛感したのが「ネットワーク(人脈)」の大切さ。みなさんに色々と配慮いただきなんとか7月中には次の仕事を得ることができました。

ただひとつ後悔もあり。それは、今回の出来事があまりにも急だったということもあって、しっかりとした事前調査をせずに就職先(またも外資系です)を選んでしまったということ。これはかなり大きな痛手。外資系で生きて行くことを決めた段階で、ひとつの会社に残りの社会人人生を全て賭けるという思いは全くないのですが、これからの「キャリア」を考えた時に今後のプラスになることを最重要に捉えないといけないのが良い転職。本来なら、「今の自分」、そして「将来なりたい自分」をしっかりと考えた上で、理想とする将来像に少しでも近づけるようなキャリアプランをなぞっていくことが必要です。今回はこの視点が決定的に欠けていました。

今後の為に(当たり前なのかもしれないけど)以下のことを最近は心掛けながら過ごしています。

1. キャリアプランを明確にして書き出しておく
2. エージェントや実際の企業との面接においてされる質問を想定
3. インタビューにおいては不明点を明確にしてから回答する
4. 情報のインプットを欠かさない
5. 何と言っても英語。自分の考えを伝えられる英語力を身に付ける
6. なんといってもネットワーク(人脈)は最重要!

1について、よく言われていることですが、5年後・10年後にどんな自分になっていたいのか?をきちんと描いておかないといけないと思います。そうしないと今回のような咄嗟の判断を求められる際に、誤った選択をしてしまい後悔することになるし、結果的に時間を無駄にしてしまうことになります。時間は有限。キャリアプランを実現するために無駄にできる時間なんて1秒もないはず!

2について、場数を踏んでいると分かってきますが、聞かれる内容はほとんど同じです。転職を何度かしている人であれば「なぜ転職をしようと思ったのか?」は確実に聞かれますよね。あとは「業務において(特定の期間に)どんな結果を出したのか?」なんてことも聞かれるので具体的な数値と共に回答を用意しておく必要があります。相手が求めてくるのは「具体的な」結果です。質問内容にも寄りますが、抽象的な表現はNGであるケースの方が多いと思います(先日某社の面接の際には「マネージング」について意見を求められましたがこのような時には回答が多少抽象的にならざるを得ないと思いますが)。

3について、これは先日某社との面接においての失敗談があります(前述のマネージングについて聞かれた際のもの)。先方は「もしも部下が目標を達成できない場合どのようにマネージングするか?」と聞いてきました。私は、

A. なぜ目標達成できないかの問題点を把握する
B. その為に部下と面談を早急に実施
C. 必要に応じて客先にも同行、市場における問題があるかどうかを明確に
D. その結果、市場側に問題があれば目標とするゴールの見直しも検討する

と回答しましたが、先方は「部下と面談し問題点をを把握し、的確な指導をすることがマネージャーである。つまりガイダンスをすることがその職務だ」と返してきました。

正直、この話には納得しかねる部分がありました。先方と私の間にはマネージングする相手の「レベル」の格差があると思うのです。しかしそんなことを言っても後の祭り。とどのつまり、自分の考えを伝える前に「どのようなレベルの部下なのか?」といったマネージング対象となる人物を明確にしておく、もしくは回答の前提となる条件を事前に伝えておく必要があったと思うのです。インタビューは一発勝負。最初のインタビューでどれだけ印象を残せるのか?がポイントです。その為にも、不明点があれば自分の考えを伝える前にクリアにすることが必須だということです。

4について、これもよく言われることですが、とにかく大量な情報をイップットすることで自らのアウトプットの質を高めて行くことが大切だと思います。昨今、これからの時代を生き抜いて行くためには「ジェネラリスト」よりも「スペシャリスト」と言われていますが、あらゆる情報に触れ、見聞を広げたスペシャリストであることが最も重要だと思います。

5について、私はアメリカ系をメインに英語圏の国が本社の会社にしか興味がないということもありますが、やはり英語が全て。インタビューももちろん英語で行われます。その為に、空き時間にはできるだけ英語を聞いたり、英文を読んだりしています。あとは独り言を英語でという取り組み。いわゆる「瞬間英作文」と言われているようなものです。英語でのインタビューにおいては(日本語でも同じですが)、質問に素早くて的確に回答することが大切です。その為にも、もちろん正しい英語を話すことも重要ではありますが、拙いながらも自分の考えを素早く的確に英語で返すことができるように、「瞬間英作文」は非常によいレッスンになると考えています。

最後に6について、何事についてもそうですが、ネットワーク(人脈)はかなり大切です。仕事において有意義なネットワークを構築する為には、日々の仕事に真摯に臨むことに尽きると思います。働いていると、時として横柄な態度をとったり、高圧的な対応を取りたくなる場面に遭遇することもあるかと思います。しかしここでグッと気持ちを抑える。将来何があるかなんて誰にもわかりません(nobody knows what happen in the future.)。歳を重ねるにつれて身に染みて分かってきますが、清々しく仕事することがとっても大切だと心の底から感じます。

一般的に外資系企業は給料が高いと思われがちです。確かにそういった面はあると思いますが、先に書いた通り突然の解雇というリスクもあります。この先の日本がどのようになっていくのかはもちろん分かりませんが、現時点では会社が倒産というようなケース以外では、日本企業で働いていて突然解雇ということは、自分自身が犯罪を犯さない限りないでしょう。しかし外資系企業ではそんなことが日常的に起こる可能性を秘めています。給料が高いからといって、生涯賃金(LTR:Life Time Revenue)で考えたときに、福利厚生などの恩恵なども含めてどちらがプラスなのか?はきちんと分析した方がよいでしょう。

久々の長文エントリーに最後までおつきあいいただきありがとうございました。お互い精進してどんどんキャリアアップして行きましょう!

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