「サブカル好き」という一種のプライドについて
音楽が好き。
映画が好き。
アイドルが好き。
ビレバンが結局楽しい。
アクセサリーはやっぱりvivienne westwood。
そんな私は「ビレバンにいそう」とよく言われる、自他共に認めるサブカルチャー好きというやつで。
「サブカルチャーとはなにか」っていう問いは一旦置いておいてもらって、世間一般で言われる(イメージされる)「サブカル」の世界を愛して20年以上。
そんな私は今回、サブカルチャー好きと言われたもの同士にしかわからない葛藤みたいなものを文章に起こしてみました。
サブカルの至り
音楽であろうとアイドルであろうと、好きなものに対して「なぜ好きなのか」とか「これは好き」「これはグッとこない」っていうのが常にハッキリしていて、その世界をとことん掘り、突き詰め、知る人ぞ知る世界へと潜っていく。そんな私のサブカル趣味人生。
私の好きなものに対するマインドや姿勢はみうらじゅんから受け取ったものだし、常に“直感的に”良いと思った方へと進もうという気持ちでいるのは、これまでさまざまな好きなアーティスト、芸術家のインタビューや本から培ったもので。
まあそんな毎日を何年も送ってくると、これは若気の至りならぬサブカルの至りで、好きなものに対する知識が増えていくほどその世界においてある種の自信を持つもの。
好きなあのアーティストのルーツをどこまで知っているか。
あの映画のあのシーンが何のオマージュかわかるのか。
とんねるずの言うおぎやはぎとのエピソードにどこまでついていけるのか。
「私にはそれがわかる」
これこそが、“好き”を原動力に一つのカルチャーを追う人間として大切なプライドになったりする。
サブカルチャーとメインカルチャーの違い
こういう私みたいなサブカル人間は、周囲にその「プライド」を変な形で受け取られると困ることがよくあるんです。
例えば私は普段UK、ロックンロール、ガレージをよく聴いて、深夜ラジオを毎週欠かさずきき、時には生粋のジャニヲタとしてしっかりヲタ活をして、JO1のオンラインコンサートをみる。やっぱりディズニーランドに行ったら可愛いワンピースを着て耳をつけたいし、いつだってスタバの新作はチェックしてる。
これを言うと、後半のエピソードを聞いた時点でまあ9割の人には「えー意外。」って言われる。
これはたぶん、「サブカル好きのコイツが!?」って言うことなんだと思う。(だいたいニュアンスがそんな感じ)
うん。
言わんとしてることはよくわかる。
一般的にイメージする“サブカル”てやつが好きでこだわりやプライドがある(ありそうな)人って、そういうみんなが好きそうなものを毛嫌いしがちな気がするよね、なんとなく。
ただ、そんな人たちに対してひとつ思うことは
「サブカルチャーとメインカルチャーの違いは、横軸ではなくて縦軸である」ということ。
ディズニーランドが好きという人は、日本にたくさんいるはず。ただディズニーランドのキャストの制服のルーツがわかる人は、きっとごく一部だと思う。つまりディズニーがメインカルチャーで、たこやきマントマンがサブカルチャーってことではなくて、ディズニーランドという一つの世界をどれくらいの深さまで知っているかで、突如それがサブカルチャーと化すっていうのが、私のサブカルに対する感覚なんです。
掘れば掘るほど、ある層を境に「それ誰が知ってんだよ」っていう世界が始まり、それがサブカルだと私は思います。
だから、私がarやRayを読んでても、コスメオタクでも、「意外」って言われるのは正直本当にピンと来ないから、やめてほしいんです。
コンテンツごとにサブカルチャー、メインカルチャーなんて違いはないんです。
サブカルさんたちは、「好きになるもの」に対する間口はむしろすごく広いと思う。何でも知りたいし掘りつくしたい。そして掘った先で「これが好き」っていう自信を持ちたい。それが「サブカル屋」の仕事なんだと思います。
そう思う出来事がありました。