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この距離でまた

3月に入ったのが信じられないくらい毎日寒い。
冬があけて春が来る事は無いんじゃないか、と思わず錯覚してしまうが、時間の流れは止められるはずもなく。

今週末(3/9)に久々のバンド自主企画「この距離でまた」を開催する。気づけば早いものだ。
というか、ホントにbluekeys主催としては何年ぶりのイベントだ?思い出せないレベル。
梅田ハードレインにPK shampooを呼んだあの"伝説のイベント"以来かもしれない。

会場は、愛すべきライブハウス扇町Para-dice。
もう今の僕らに優しい箱はココと二条AFTERBEATくらい。
地下から爆音でグッドミュージックが鳴り響く、そんな素敵な場所で、我々には不相応な程の素晴らしい共演者たちが揃っている。
正真正銘、本気の一日だ。

正直なところ、バンドとして主催イベントをやるなんて考えは全然無かった。去年、bluekeysとしては過去最高に頑張った2曲(色んな人の助けでクオリティ面もホントに向上した)をサブスクでリリースした。
普通のバンドならレコ発企画の1発でもやりそうなもんだが、そこを我々は強靭すぎる腰の重さで渋りまくっていた。
ぶっちゃけ、メンバー間のライブ出演へのモチベーションの差も顕著だったと思うし、実際の所それは今でもそのまんまだ。
そこで揉めないのがbluekeysの良い所であると思うし、個人的にもそういう居心地の良い集団でありたいので、それはもうそれで良い。ただ客観的にバンド活動としてどうなのか、と、問われたらあんまり良い物ではないだろう。
なぜなら、bluekeysは現場で本領発揮するライブバンドだからだ。どう考えても作品発表で輝くスタジオ型のバンドでは無い。
…ライブ出演のモチベが低いライブバンド、まぁ終わりかけである。

そんな僕達のケツに火をつけてくれた男がいる。
サポートドラムの「ななたん」だ。
彼のbluekeysへの愛情は本メンバーがドン引きするレベルで、普通にライブや演奏へのモチベが1番高いのがサポートメンバーという異常事態に陥ったのである。

彼の鬱陶しいまでのやる気に少しずつ当てられていったbluekeysは、就職によるななたんの上京に伴ってイベントを打つことに決めた。
「この距離でまた」は、彼の関西卒業イベントでもある。あんまり追いコン感を出すと嫌がってしまうので、ここでひっそり書くに留めておくが、まぁそういうことだ。

ななたんは自分で決めた事の癖に東京へ行くことを嫌がっている。ここは本当に甘えた奴だと思う。
男ならビッと覚悟決めろや!と、思うのは少し昭和脳過ぎるだろうか?ゆとり世代の筈なのだが…。

でもね、本当に東京って楽しいと思うのです。
こんな片田舎とは比べ物にならないほど、全てが刺激に満ち溢れているから。
たくさんライブハウスがあって、こっちよりも全然カッコイイバンド達がひしめき合っている。行こうと思えば毎週末グッと刺さるイベントも見つかるだろう。
ノータイムでシーンの最前線を肌で感じることが出来る。

そして、奈良なんかより可愛い女の子もいっぱいだ。都会の垢抜けた素敵な女性に、何回も恋する事があるだろう。夜のお店なのか、職場なのか分からないけど。気の多いななたんが誰かを傷付けないかはちょっとだけ心配だけど、それはそれで人生に必要な失敗だったりするから何とも言えない。

仕事もきっと忙しくなる。
少し馬鹿にして「人生この先には絶望しかないよ」と、彼を弄る事があるのだけど、本心を言うと全くの真逆だ。
きっと怖いくらい楽しい事が溢れていて、でもそれ以上に大変な事も多くて、もうbluekeysのことなんて隙間にも入らないような、そんな生活が待ってると思うんです。

寂れた三十路を満喫中の私としては、そんな眩しい未来にほんの少しだけの羨ましさがありつつも、弟のようで親友のようでもあり音楽仲間でもある彼を、bluekeysというバンドとして最高の形で送り出せる準備が整ったことに、なんとも言えない充実した気持ちを持っています。
本当にあとはもうやるだけ。今までのどのライブとも違ったモチベーションで本番を迎えられそうだ。

ななたんは、狂ったように忙しくて楽しい毎日を必死に生きる事になるだろう。離れた土地で。
例えばそんな日常の中で、ふと、3/9の事を思い出して、アイツら元気にやってるんかなぁ?俺も頑張らなあかんな、とか。彼が思ってくれたら、それこそbluekeysというバンドがここまで続いてきた意味もあると思う。そういう演奏をするつもりだし、いまの4人なら出来ると思う。

こんなめちゃくちゃな音楽やってる普通の社会人バンドが、まさか誰かの人生を後押しできるなんて、そんなの誰も思ってもいなかった事です。
こんなの完全にバンドマンでしょ。

bluekeysをロックバンドにしてくれて、ありがとう。君のおかげで、僕達の音楽がちゃんと本物になった気がします。
もう、僕らが何年もやってるあの曲もこの曲も、誰も知らない歌じゃないのだから。

この距離でまた会おう。

それまで死ぬなよ!

よっしゃ、
やったります

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