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山人音楽祭2023②

 おはようございます。未来は僕らの手の中です。教員をしていますが、訳あって休職中です。

 前回の続きを書こうと思います。

 前日の深夜バスは順調に東京を目指していた。バスタ新宿に着き、ほとんどの乗客が降車する中、僕はまだ席に座っている。一時間ほどで大宮に着いた。関東と言えば、東京と、ディズニーランドのある千葉(と言ってもほどんど東京よりか)くらいしか来たことはない。だから何となく埼玉、群馬の位置関係も分かった。旅ならではの感覚かもしれない。

 早朝の大宮駅前は少しずつ通勤・通学する人でその隙間を埋めていた。「ああ、いよいよだな」ちょっとした高揚感のまま、ICカードをJR線の改札に当てて、まずは高崎を目指す。1時間半、寝落ちした。無理もない。鈍行なんだから。

 高崎に着く。こじんまりした駅前。ホテルまでのルートをググる。歩いて数分だった。荷物を預ける。そして、また、電車へ。前橋を目指す。

 前橋に着くと、「山人音楽祭」へ行くだろう人がバスやタクシーに乗り込むのが見えた。僕は、その街を知りたいので歩く。距離にして3km弱だろうか、広く平坦で美しい前橋の道を歩を進める。

 会場であるグリーンドームが見えてきた。その向こうには山々の稜線が綺麗だ。チケットをリストバンドに引き換える前に、アーティストの物販に並ぶ。前日の雨で足元がぬかるんでいるにもかかわらず、みなお目当てのアーティストのブースの前に列をなしていた。

 僕はG-FREAK FACTORYの限定タオルを手に入れようと並んだ。手にいっぱいのグッズを持っている人も多い。年配の方も子どものように笑顔だ。子どもと言えば、やはり親が音楽好きとあって、アーティストのTシャツを着ている子が多い。微笑ましかった。

 1時間くらい並んで、限定タオルを手に入れ、チケットをリストバンドに変える。まずは、動線確認。山人音楽祭は、大きなステージ(赤城ステージ)と小さなステージ(榛名ステージ)の2ステージ制。うまくやりくりすれば、多くのアーティストが見れる。(厳密言うと、移動時間を含めると、全アーティストを見るためには、前後10分ほどは見れないことになる。)

 前記タイムテーブルを見ると、豪華なラインナップであることが分かる。フェスが乱立する中で、またコロナ禍明けのフェスにこれだけの通好みかつ、G-FREAK FACTORYに縁のあるバンドが集結することは滅多にな事と感じたのもこのフェスを選んだ要因だ。ミッションとパッション、僕の中でそれがピタリと合わさったことになる。

 まずは、スタンド席でCreepy Nutsを。フェスの常連と言えど、手抜きを感じさせない、トップバッターに相応しいステージだった。Creepy Nutsはどちらかと言うと、高校生の息子から紹介されたアーティストになる。菅田将暉くんとの「サントラ」「日曜日よりの使者(ハイロウズのカバー)」なんてセンスの塊だと思う。新曲もらしさ全開でとても良かった。

 残り一曲を残して、榛名ステージへ。1000人くらいを収容するステージ。そして、OVER ARM THROWを。何気に初見である。友人がバンドをしていてよく対バンをしていたのだが、見る機会に恵まれなかった。グッドメロディと謙遜する姿勢がよりバンドの印象を高める。ダイバーも続出した。長く地道に活動している、そして強い絆で結ばれているバンドをフェスに招聘する素晴らしさを感じた。

 続いて、赤城ステージに移動して竹原ピストルを。僕は、野狐禅時代から大好きなである。野狐禅は隣の街で見に行った経験もあり、ソロになって、知名度が上がってからもイベントで観ている。曲も去ることながら、「フェスでのってくれるなんて初めてです。」などど飾らないトークも彼の魅力の一つ。「よー、そこの若いの」「カモメ」「アメージンググレース」など素晴らしい演奏だった。最後のポエトリーリーディングも圧巻だった。

 続いて、Hey Smithを。言わずと知れたフェスバンドだが、このバンドもしっかり観たのは初めて。かつて、アメリカ・グランズヴィルのスカコアバンド、LESS THAN JAKEのジャパンツアーのオープニングアクトや、NOFXのジャパンツアーで数曲聞いただけだった。パンクを主体としたメロディとホーンセクションが素晴らしい。何より、年間に相当数のライブをこなし、フェスやイベントに参加し、コンスタントに楽曲を出しながら、自らもフェスを主催する。まさにバンド然としたバンドである。猪狩氏の人柄もカリスマ性があって素敵だ。名曲「Endless Sorrow」からライブがスタートするとか反則だ。

 続いて休憩を挟み、「グリーンドーム名物カツカレー」をいただく。普段は室内競輪場である「前橋グリーンドーム」。動線がしっかりしていて、心地よい。僕はこの他、近くの公園の芝生で休憩した。

 続いて亜無悪危異(アナーキー)。言わずと知れたベテランバンドである。僕の世代(松坂世代)より前。日本のパンク、ハードコアの礎を築いたバンドの一つだと言える。3月に公開された映画「GOLD FISH」も観ていたため、仲野茂という人がしっかり体感できた。コアなファンが腕章をしていて、その当時も体感できたように思う。僕は8月にTHE STAR CLUB、ラフィン・ノーズというレジェンドバンドも体験できた。共通して言えるのは、一生懸命であるということ。手を抜かない、プロなんだと実感した。

 続いて10-FEET。スラムダンクの大ヒットによって、主題歌がフューチャーされがちであるが、しっかり名曲揃いのバンド。「アンテナラスト」では、G-FREAK FACTORYの茂木氏が登場。セッションするのだった。10-FEETに哀愁を感じるのは僕だけじゃないはず。そして、周辺のバンドやリスペクトするバンド、若いバンドのフックアップという点では、ハイスタ以降の重要バンドであると言える。最近のツアーの動向を見ていても、莫大に売れることを目指していないんだろうなと感じる。ギターにG-FREAK FACTORYのステッカーを貼っているTAKUMA氏の熱意を感じたステージだった。

 休憩を入れつつSUPER BEAVER。最近サブスクを利用してよく聴くバンドである。想像以上に渋谷氏の歌唱力、バンドの演奏力を感じた。そして、「あなたといい時間、いいライブにしたい」という熱意が伝わってくる。メディアへの露出も多く、前情報が得やすいバンドであるが、それを越えてくるのである。作詞・作曲を担うギターの柳沢氏も全力でシャウトし、演奏する。見ていて楽しめるバンドだった。ラストの「さよなら絶望」は速攻でダウンロード。

 今日はこのあたりで。ランニング行ってきます。