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「永遠の都 ローマ展」へ

永遠の都 ローマ展に行ってきた。
3月10日までの期間で福岡市美術館にて催されているのだが駅に貼られていたポスターを見てから、頭の片隅でちらついては離れなかったので、行くことにした。

“ローマ”という響きから連想される神秘的な街並み、拙い知識の中に眠るギリシャ神話。
興味はあるが、何かを感じ取れるかどうかと思うと不安だったので、ローマ展公式ページのコラムやクイズを読んだ。
スペシャル | 永遠の都ローマ展(参照)
展示作品の背景や、モデルの人物に関することも記載されている為、今回足を運べない方もぜひ一読してほしい。
読んだあとは、実物を見たいという気持ちに変わり、早速福岡市美術館に向かった。


この度のコーデ


この日は天候もよく、大濠公園の爽やかな雰囲気を味わうこともできた。
ちなみにこの度の美術館コーデは、大人らしさを演出しやすいブラウンのセットアップ。(着用:jouetie)
さらに上品さを思わせる黒のインナーに、パールのネックレスを合わせた。
テーマは「ローマの街並みに溶け込むコーデ」。

美術館コーデ


ローマ展 展示物

さて、入ってみると「カピトリーノの牝狼(複製)」が出迎えてくれる。
カピトリーノの丘で、後にローマ建国者となる、ロムレスとレムスがこの牝
狼に育てられたという伝説にまつわる青銅だ。
牝狼のあばら骨が妙にリアルなところが特に目を見張った。
その他、石像の彫刻品も驚くほど細かい凹凸にくらくらしながら見て回った。
私は立体物を創り上げることが大変苦手なので、どうしたらこんな細かく生き生きとした形を作れるんだろうか...と不思議に思ってしまう。
しかもその技術が、1000年以上前から存在していて今も残っていると思うと、人間の素晴らしさを実感する。

さて、次に心を奪われたのは絵画スペースだった。
今回のポスターでも使用されている「洗礼者聖ヨハネ」の絵画。
無垢な少年の笑顔と抱き寄せられた山羊が印象的だ。
その一糸纏わぬ姿から、次の絵では成長した彼が赤色の布を纏っている。
ヨハネの絵には赤の布が必ず纏われていたことも印象的で、帰宅してから調べたところ、「ギリシャ神話における”色“は物語のメッセージを伝える表現の一つである」ということを知った。
色が持たせる感性もまた、どの時代にも変わらないという事は知っているはずなのに改めて驚かされた。

さて、さまざまな作品を見た中でも特別好きな作品があった。
聖女カエキリア」である。(セシリア、チェーチリアともいうらしい)

聖女 カエキリア

ジョヴァンニ・フランチェスコ・ロマネッリの絵だ。ヨハネとは反対に、青色の布を肩に掛けるその姿は穏和そうな印象を持った。柔らかな肌質で、優しく儚げな眼差し、ほどよい肉感のある指の触れる先にはヴァイオリンが置いてある。こちらも後に調べたのだが、彼女は音楽家の守護聖人だそうだ。美術、ギリシャ神話の中でも音楽は切っても切れない縁であるし、音楽が好きな私にとっても惹かれる一因だったのかもしれない。
そしてなにより、彼女が纏うターバンのような布地のパールがあしらわれたデザインや、金糸が施された布地を身に纏う姿もまた、神聖な雰囲気を演出しており気に入ってしまった。ちゃっかりポストカードを購入。

ローマ展で買ったもの


恋しくなるローマ

芸術家の感性は、現代にも通じていることを感じられた時間だった。
人物像だけでなく、風景画もそこに住む人々の話し声なんかが聞こえそうなほどの鮮明さがあった。
価値観や感じ方はもちろんそれぞれに違うと思うが、当時のローマを描いた作家陣の感情や表情から捉えることのできる感性は、例え現代人であろうと日本人であろうと変わりないということが明確となった。

悲しげな表情が印象的な ルクレツィア
慈愛に満ちた 聖母子と天使たち


永遠の都 ローマ。その響きですら美しい。
ギリシャ神話に基づき色づけられた芸術が表すものは、人々の生活や感情を色濃く物語られていた。そしてただの「きれいでしあわせな物語」ばかりではなく、生と死を描いているところも魅力であった。
今やネット上でも絵画を見れるし、その作家陣やモデルとなるものを調べられるが、目の前でその迫力、筆の入り方を見ると感じ方も変わるものだ。作品の制作背景や表現手法に触れることで、時間の経過とともに感じることができた温度感は、非常に印象的だった。
海外旅行でぜひ一度は行ってみたいと思っていたが、作品に触れたことでその空気に触れてみたいと強く思ってしまった。
いつになるかはわからないが旅行計画を立てるしかない...。


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