ひなちゃんの四方山話し(沼った件について)

 ひなちゃん:ひなちゃんです。ここ数年、たぶん私が生まれる前くらいから、若者の間で何かにとてもハマってしまうことを「沼る」と言い表すようになったそうですね。
 私は若者の中でも、かなり若い方だと思うので便乗して「沼る」を使った表現をここで練習してみようと思います。
 最近私はアンパンマンに沼っています。こんな感じでしょうか?
 愛らしい顔、マントで華麗に空を飛ぶお姿、どこまでも正義を追及しようとするその言動には見るものを引き付ける魅力があります。
「顔が濡れて力が出ない」
なんていう弱弱しい部分も大好きです。非常に庇護欲が掻き立てられますね。そんな時は画面の向こうにいるアンパンマンに
「ゴーゴー、ゴーゴー」
と叫び、檄を飛ばしています。
 アンパンマンはその辺のアイドルとは格が違います。甘いマスク何て評される人々もいますが、アンパンマンなんて中身まであんこたっぷりで劇的に甘いですから筋金入りのアイドルといえます。
 推し活の一環で、私もアンパンマングッズを手に入れようと日々奔走しております。
 グッズて意外とたくさんあります。一般的にアイドルグッズとしてはクリアファイルやアクリルキーフォルダーとかライブで使うペンライトとかいろいろ売り出されていますが、アンパンマンはその比ではありません。おもちゃ屋さんや雑貨屋さんで売られているクリアファイルやキーフォルダー、ぬいぐるみは勿論、スーパーに行けばアンパンマンの顔の乗ったウインナーやパン、ジュースを見つけられます。他のアイドルグループが載った食品とかほとんどありませんよね?やはりアンパンマンが特に乳幼児層に絶大な人気を博している証拠ではないでしょうか。
 毎週ママに取りためてもらっているアンパンマンも欠かさず毎日見ております。テレビの前で一緒に
「アンパーンチ、アンキーック!!!」
と声に出しながら真似をしておりますし、エンディングで流れるアンパンマン体操の練習にも余念がありません。
 そうそう、最近アンパンマンのアニメの間で流されるCMでアンパンミュージアムなんていう夢のような場所があることを知りました。ちょっとまだどうやって行けばいいのか分からないのですが、いつか聖地巡礼したいものです。

母:ひなちゃんはここ数か月前からアンパンマンに深く浸水しているようです。
 何かにつけて
「アンパンマン、アンパンマン」
と連呼しています。1日の内でママや、パパと言う回数よりも、アンパンマンを呼ぶ回数のほうが多いのではないでしょうか。
 ひなちゃんと一緒にお出かけする中で、私の思っていた以上に街にはアンパンマンがデザインされた物がたくさんあることを知りました。
 みんなでスーパーに行き、ひなちゃんが
「アンパンマン、アンパンマン!」
というと多くの場合アンパンマンが描かれたチーズやウインナー、パン、キーフォルダーが近くに存在しています。
 数ある商品の中からアンパンマンの絵柄を見つけ出せるひなちゃんのアンパンマン愛には驚かされます。同時に、目が見えることの豊かさを感じました。
 私は、目がクリアに見える世界を知らないため、それほど見えるることへの憧れはありません。ひなちゃんに対しても、目の見える見えないということが幸せを左右する物ではないと考えています。
 しかし、今回ひなちゃんが私たちの気づいていなかったたくさんのアンパンマングッズを探し出し、嬉しそうにする姿を見て、大好きなものを見つけられる視力が与えられたことに感謝したくなりました。
 ただそれで
「うんうん、良かった良かった。あったねアンパンマン。じゃあ帰ろう」
と、終わらせてくれないのがひなちゃんです。1歳児は全然甘くありません。
 見つけ出したアンパンマングッズをどうにか手に入れようと全力で騒ぎ散らしたり手を振り回したりし始めます。
 そんなひなちゃんに負け、私たちもアンパンマンの描かれたビスケットやソーセージ、ジュースを買うようになりました。押しかつのサポートということにしていますが、毎回アンパンマングッズを買うという事態は避けたいものです。
何しろ、アンパンマンの絵柄が入るだけで同じ内容でも他の商品より、少なくとも2倍増しくらいで高くなります。
 ビスケットのパッケージの中、純真無垢な微笑みをたたえているアンパンマンから繰り出される、「アンパンチ」、「アンキック」、時にはカレーパンマンとの「ダブルパンチ」を財布がもろに喰らっているような気すらします。

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