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JJ

「いま、カワイイより、”美人っぽい”が憧れ!」(2020年2月号)

「だってもう、疲れたくないよね♡」(2018年7月号)

などなど、私に刺さるタイトルと、唯一10年以上ずっと追いかけている藤井夏恋さんの表紙に引き寄せられ、私はよくJJという女性誌を手に取ります。

私の勝手なイメージですが、JJは、自立していて凛とした美しさのある女性を目指しているような気がします。外見も内面も磨いて、自分の人生は自分でキラキラさせるぞ!的な。そういう強さのある人間になりたい私は、その憧れもあってJJを読みたくなるのだと思います。


そのJJで連載されていた山内マリコさんのエッセイで、どうしても取り上げたい回があって、下記に引用させていただきました。


Think about Features-25歳のレディたちへー  by山内マリコ
vol.7 どうしてあんなに疲れていたのか?

(略)
 わたしは20代のころ、あんなに暇だったのに、不思議といつも疲れてました。疲れの原因のひとつは、やはり自意識過剰だったことでしょうか。自分自身がまだ生煮えみたいなものだから、人と接することに妙にエネルギーを使うんです。だから人と会う予定自体がプレッシャーになったし、人に会えば気をつかってすぐに疲れてしまった。要領が悪いから一日にこなせる用事も最小限。どれだけたくさん眠っても、起きるとなんだか体がだるくて、いろんなことが面倒くさくて、全然元気がなかった。……なぜか?

ここまでも十分共感なんですが、大事なのはここからです。

 もう一つの原因は、将来の不安という超巨大なストレスと接近戦で闘っていたからだと、いまにして思うのです。中学生や高校生にとって将来ははるか遠いものだけど、20代はいまがまさにその「将来」であり、人生はとっくにスタートしている。だけどどこにも進んでいなくて、焦りばかりが募る。わたしこのままでいいの?仕事はどうするの?結婚はできるの?20代は本当に、考えても答えの出ない問題だらけです。人生の重大なトピックを相手に一人で空回り。たとえるならランニングマシーンみたいなもので、一生懸命前へ前へ走っているのに、結局どこにも進んでいない。そんなふうにして無意識にいつも不安と闘っているので、実は激しく消耗していて、それであんなに疲れていたんじゃないかなあと思うのです。
 20代の子が感じている疲れは、ただの肉体的な疲労じゃない。もっと複雑で、繊細なものです。全然納得のいっていない「自分」という存在が、あやふやなまま社会に放たれてしまったんだから、そりゃあ疲れますよ。でも大丈夫、そのうち必ず慣れるので。心も体も少しずつ慣らしていけば、いつの間にか平気になる。無理して壊れちゃわないように、どうか自分を守ってあげてください。


「20代は本当に、考えても答えの出ない問題だらけです。」

本当に、これなんです。

初めてこの文章を読んだとき、私は考えても答えの出ない問題に立ち向かっているからこんなに苦しいのだ、と答えが見つかった気がして、なんだかほっとしたのを覚えています。矛盾していますが。

この文章を読むと、自分の不安で仕方ない気持ちを冷静に見つめ直すことができるのです。


今まで苦しいことがあっても、いつか必ず終わると思って、頑張ってこれたことがたくさんあります。どんな楽しいことも苦しいこともいつかは必ず終わってしまうということに、私は苦しめられてきたし、一方で助けられてきました。

敷かれたレールの上を歩いてきた人生だったのに、突然社会に放り出され、責任を負わされ、終わりが見えないこの状況に絶望した夜が何度あったか分かりません。

でも、仕方ない。考えても答えは出ないのですから。

単純に考え方の問題ですが、この文章を読んでから、この考え方を知ってから、随分生きやすくなりました。

それでもふいに、なぜか苦しくなる夜はあるけれど、そんな時はゆっくりお風呂に浸かってしっかり保湿してお気に入りのアロマでも焚いて早く寝るしかないのです。と、開き直ることができるようになりました。

誰かがこの文章を読んで、私と同じように救われてくれるといいなと思います。