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シャミナード:水の精 Op.101

♪お気に入りのピアノ小品を紹介しています。
演奏も自分で弾いて録音しています。あわせてお楽しみください!

 毎日すっごく暑いですけど、その猛暑ももう少し・・・といったところでしょうか。今回紹介するのは、冷たさが心地よい清流、きらきらひかる水面、軽やかに飛び散る水の粒、そんなイメージが浮かぶ「水の精」という曲です。散らされた音符からは、水の流れや光をうけてきらめく様子が感じれます。そして水の精(オンディーヌ)の誘うような歌声が聞こえてきます。

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「水の精」というタイトルですけど、私は最初はそこまで気にしておらず、なんとな〜く水のいろいろな様子を思い浮かべながら弾いていました。(噴水や、静かな湖や、大海原など。)でも、慣れてきて少し速く弾けるようになると「これはどちらかというと、水の精の動きを表しているのかも?自分が水の精になりきって弾くべきか?」と、考えが変わってきました。歌っているところもあれば、魚のように水の中を自在に泳ぎ回っているような雰囲気もします。

 ただ、自分で考えていた水の精のイメージ(=キラキラして愛らしい感じ)に、どうしてもそぐわない部分がありました。急に大きな音で、和音がジャーンとなって…。これはなんなんだろう?何を表しているの?

 みなさんは、水にどんなイメージを持ちますか?
 私たちが生きていくのに欠かすことのできない水。大地を潤す水、せせらぎの音に心が安らぐ…といったポジティヴな一面もあれば、豪雨や津波など…ときに水の持つ力は私たちを脅かすこともあります。そんな二面性を、この「水の精」の曲も持っているのかもしれないな・・・なんて、弾いていて思いました。

 ちょうどいいタイミングで、水をテーマにした音楽についてまとめられている本を見つけたので、それも読んでみました!

※音楽だけでなく、ヨーロッパの文学作品やギリシャ神話の中で扱われている「水の精・神々etc...」についての考察もかなり詳しくまとめられているので、ファンタジー好きな人にもおすすめです。

 この本、ボリュームがすごくてまだ全部読みきったわけではないのですが、やっぱり「美しい容姿や歌声で人々を誘い、やって来た人間を水底に引きずり込む」といったような水の精がいることも書かれていました。なので、そうした怖ろしさも少しだけ感じながら弾いた録音を動画にしました。最後は、水の精が溶けて消えてしまうような感じにしました。

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 セシル・シャミナード(1857-1944)はフランス・パリ生まれの作曲家・ピアニストです。多くのピアノ曲を作曲・出版しています。この「水の精」は1900年に出版されたそうです。今からちょうど120年前につくられた曲、でもまるで今生まれたかのように演奏することだってできる・・・それも、音楽の魅力のひとつだなあと思います。

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