踊りだす指先(ピアノ練習日記)
3月にバッハのパルティータを集中練習していたあたりから、ピアノを弾く自分の指の動きが、ちょっと変わってきたな?と感じるようになりました。どう変わったかというと、1本1本の指が独立して、それぞれが役割を意識して働いてるような感じなんです。
以前は、こんな表現をしたい・・・という、楽曲分析にもとづいた「意図」さえあれば、イメージに近づけると思っていたけど、それだけじゃ無理ということがようやくわかってきて、物理的な指の動かし方として、どんな動きが必要なのか?ということを、冷静に考えられるようになってきたかなと思います。
動きを覚えた指は、意思をもって、勝手に鍵盤の上で踊っているみたい。ふしぎです。
こっちの指はしっかりふんばる、そっちの指は軽やかに跳ぶ。このフレーズはみんな列になって、駆け抜けるように流れる、、、みたいな。そして同じ指が同じ仕事を続けるのではなく、途中で役割交代しながら、10本の指が協力して音楽を紡いでいくんです。楽しい。
それぞれの指が、1音ずつ動きを変えて違った音を出せる・・・となると、響きの彩りもずいぶん違ってきますね。あれ、実はこんな細やかな表現もできたんだね・・・?って驚かされます。そしてそれに応えてくれるピアノもすごいなあと。
とはいえ、自分がやっていることが、人に伝わるほどの表現かというとそこはなんとも言えないけど、とにかく今は「きれいだなー」と思える音色に包まれているのが、すごく気持ちいいです。いろんな響きを見つける寄り道ばっかりして、曲がぜんぜん仕上がらないんですけど、まぁいっか!って感じです。これから弾きたい曲ばっかり、どんどん増えています。
先月、素敵な場所をみつけて撮りました。ここ、一人で使うには本当にもったいないくらい、めちゃくちゃ広くて・・・その広い空間に、音がすーっと溶けていくんです。響きを楽しめるドビュッシーの曲が、この場所に合うんじゃないか?と思ってちょっと弾いてみました。宣言解除されたら、また行きたいなあ~。
もともと好きなんですけど、いま自分の中に舞曲ブームがきてます。