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【オランダ移住】レアな草

特に記事にするようなことでもないし、参考になるようなことでもないのですが、ちょっと書いてみます。


わたしが住んでいる町はとにかく石畳だらけで、アスファルトみたいなのはかなり少ない。

家の前の細い通りももちろん石畳で、その隙間には草がけっこう生えている。
端のほうなどかなりボウボウで、わたしからしたらなんともみっともないので、思い付いたときにボランティア気分でその草を引き抜いていた。

何日かやっていると徐々に草も少なくなり道も綺麗になってきた。

ある日、向かいのオランダ人のおっさんが「お前に言っておかないといけないことがある」と声をかけてきた。

お、道を綺麗にしてくれてありがとうとか言われちゃうのかなと思ったら、まだ抜いていない草を指さして

「この草はオランダではかなりレアなんだ。だから抜いたりしないでほしい」

え…。

そういえば彼は生物学者とか言ってた。
もしかしたら植物の研究とかしているんだろうか。
でも、貴重な草なのにこんなとこに普通に生えてるよ。

「ほんと? 俺もうすでにかなり抜いちゃったよね、そこらへんの」
「ま、それは仕方ない。でもできればこれ以上は抜かないでほしい」
「…で、でも、このあたりの明らかに雑草のやつは?」
「あ、それはいいかな」
「じゃ、じゃあ、ここらへんの明らかな雑草とちょっとレアかもしれないのが混ざっているとこは?」
「えーと、それはそこまでレアではないやつなんだけど、残してもらってもいい。というか、家の周りに緑があるのはいいことだと思うよ」

…あ、そうですか。
雑草ボウボウと緑のある環境って紙一重なところがあると思うんだけど、それが味ってやつなんですかね。
了解いたしました。

引っ越してきて早々にガンガン雑草を抜いて地域貢献していたつもりだったけど、少なくとも彼の目には、家の周りの環境を勝手に破壊する東洋人みたいに映っていたのだろうか。

でも、この明らかに雑草なやつは放っておいたらどんどん増えてそのうちこの小道も歩きにくくなると思うんだけどなぁ。見た目も汚いし。
もしかしてどこかのタイミングで刈ったりするのか。むむ…そのあたりの塩梅がよく分からない。

というわけで、結論としてはしばらくこの道での草むしりはやめておいて、どうしようもなく目に付いて気になる部分は我が家サイドはサッとやってしまい、反対側は伸びるにまかせることにした。

これから暖かい季節を迎えるオランダ。この小道の様子は秋あたりにはどうなっているだろう。憶えていたらまたレポートします。たぶん忘れてると思うけど。

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