テクノロジーと音楽⑫
今日からこの話に戻りたいと思います。これまでテクノロジーが音楽に与える影響について書いてきましたが、同時並行的に起こる訳でもありません。
デジタルレコーディングがいい例だと思います。
技術が発達しても、アナログレコーディングは重宝されていたようです。
というのも切り貼りがしやすかったから。
DAWであればアナログ磁気テープより遥かに切り貼りがしやすい。
ただ時期テープ時代はアナログの方がやりやすかったようです。
継ぎ接ぎするところが分かりやすかったようです。
ご存知ないかもしれませんが、磁気テープ時代も切り貼りはかなり行われていました。
有名な話ですがBilly Joelの「Just The Way You Are」、間奏にPhil Woodsのサックスが入っていますが、これ、3テイクの継ぎ接ぎと言われています。
でもハイレゾで聴いても全く継ぎ目が分からないそうです。
ある意味「職人芸」の世界ですが、おそらくデジタル磁気テープでは無理です。
というのも、デジタルデータだからどこにどの音があるのか分かりづらい。
逆にアナログデータだとどの部分にどの音が入っているかが分かりやすい。
だからマスタリングはデジタル化されても、トラック毎のレコーディグはアナログ、というものも多かったようです。
で、この問題をDAWが解決することにより、一気にデジタルレコーディングが普及することになった訳です。
実際プロの現場でのDAW導入、比較的早かったと記憶しています。もちろん高価ですし、そこら辺のPCに入るものではありませんでしたが。
ただやはりPCの技術の発達は凄まじいスピードで進み、我々もその恩恵に預かることが出来るようになって今がある。
だからこそ誰でも音楽が出来るようになった訳ですが、そこまでの道のりは実は長かった、ということです。
技術と音楽、同じスピードで変化はしないものなんですよ。
ほぼ書きたいことを書いていて、読んでいただけることも期待していませんが、もし波長が合えばサポートいただけると嬉しいです!。