結末を覚えない私へ

小説も映画も、とても好きだ。周囲に比べて少しは多く触れ合ってきたと思う。好きな作家や監督、作品はたくさんあるが私は結末を覚えない。

覚えないというと聞こえが良いが、覚えられないと言う方が正しい。

泣いたり笑ったり、感情がふれた記憶だけが残り、どんなストーリーでどんな結末であったかはもう忘れてしまう。

ハッピーエンドか?そうでないか?それすら覚えていない。

いつも覚えているのは、どんな感情を抱いたか?どんな風景、色だったか?映画の場合は誰とみたか?

覚えるためにはアウトプットが必要だと知り、人に伝えたり記録をするも、その断片はストーリーではなく、どの部分に共感し、または共感しなかったか。どの部分で何を思ったか?を記すばかりで、覚える事はできなかった。


これを話題に挙げると「何回でも新鮮な気持ちで観られるからいいね」と言われる事がある。

これは大きな間違いで、ストーリーは覚えていないし展開に新鮮さはあるが、自分の感情はしっかり覚えている。

このシーンでこれを思い出して泣いたな、このシーンで恋人がトイレに立ったな、などの記憶が呼び覚まされて面倒になる。

自分を反芻しているようで居心地が悪い。物語に対する映像や感情に見覚えがあるから2回目は余程ではない限り観ないのだ。


だから何ってわけではないけど。
ひさびさに映画を観たら、2度目だったのでむしゃくしゃして書いた。何でも良かった。


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