兄の部屋・エッセイ
私は実家で兄が使っていた勉強机の前に立っている。
幼少期、荒ぶる兄と私の間には大きな溝があった。今となっては過去の苦しんだ私は成仏している。そんな兄のなつかしい部屋。
もともと兄の趣味の物が多くごちゃごちゃとしていたのだけれど、今は物置と化してさらにごちゃついている。
ふと兄のノートを開いてみると、漫画が描かれていた。内容は覚えていないけれどとにかく上手くて読み入ってしまうほどだった。その話は途中で終わっており、すぐにでも電話で続きを教えてもらいたくなるほど面白かった。他にもノートがあるので開いてみると、驚くほど丁寧に綺麗につらつらと文章が書かれていた。
私が知っている彼とは全く別人のように思えたのだけれど、私は荒れた兄しか知らない。その背景や家族に見せなかった想いの一端に触れて、あんなに恐れ嫌っていた兄はただの少年だったのだと感じた。
勉強机には小さなノートもあり、開いてみると私の日記のようだった。(こんなの取ってたっけ)と思いながら眺めた。自分でも忘れてしまった記憶がそこにあった…というところで目が覚めた。
オチも何もない今朝の夢のハナシでした♡だけど、あんなに嫌っていた兄を愛しく思ったことを鮮明に覚えている。基本的に私は幼少期の記憶が薄く少ないんだけれど、目覚めてふと溝ができる前のことを思い出した。
兄は私を肩車してくれて2人は笑顔だった。
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