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【奇妙な体験】少しずつ開いていく…

曰く付きの和室で感じる気のせいか何か居るのか気になっている話。

幾度となく心霊体験や悪夢を見せられてきた和室には押し入れがある。

この押し入れは普段は全部閉め切っているのだが、時折真ん中だけ少し開いていることがある。

私の母は几帳面だし、私が押し入れを開け閉めする際は完全に閉まっているかちゃんと確認をしているので、数センチほど開けておくことはない。

たまに換気のために開けることはあるが、その場合は左右中央全部10センチほど開けるので、真ん中だけ少し開けるような中途半端なことはしない。

和室と居間の境目の扉は完全に開けっ放しにしてあるために、ご飯を食べていると必ず和室の押し入れが視界に入ってくる。

ただ、普段はあまり意識して見ることはない。

時々、何か視線みたいなものを感じて目をやるような感じだ。

今朝もそうだった。

朝食を食べている最中に何となく見られているような感じを受けた。

ふと、視線を和室の押し入れにやる。

またか・・・押し入れが少し開いている。

母に何度か尋ねたこともあったが、母は中途半端に開けることを嫌がる人だ。

「ちゃんと閉めたはずだけどなぁ・・・」としか言わない。

むしろ、少しでも開いていると文句を言ってくる。

そのまま放っておくと帰宅した時に注意されそうなので、必ずピシっと閉めることにしている。

何も感じない時は押し入れを見ても完全にしまっており、当然ながら何も起きない。

しかし、何か妙な感覚を覚えた時には押し入れが少し開いていることに気付いて見てしまう。

ここから先に書くことは、私の気のせいか錯覚かはよく分からない。

数センチほど開いている押し入れをじーっと眺めていると、徐々に開いていくような感覚に陥ってしまう。

うわっと思って一瞬視線を逸らす。

しばらくしてからまた押し入れを見ると・・・また少しずつす~っと開いていくような感覚を受ける。

側によって確認しても数センチしか開いていない。

あまりにも気になる場合は心の中で真言を唱えてさっさと部屋を出ていくようにしている。

果たして、押し入れの中には一体何があるのだろう?

母は押し入れだけではなくて和室全体に何か感じることはあるそうだ。

仮眠していると奇妙な出来事に遭遇することもあるという。

それに関しては私も同じである。

以前兄からこんな話を聞いたことがある。

兄は必ず扉は完全に閉める。

その理由は少しでも開いていると何かが入ってくるような気がするからだ。

真夏の暑い日ですら、ふすまや戸を全部閉め切るくらい、開いているという状態を嫌がる。

少しでも開いていると、得体の知れない何者かがこっそりと隙間からこちらを見ていると言う。

それも、毎回ではなくてたまに起きるらしい。

その話を聞いてなるほど、と思った。

私も中途半端に開けると見られている感じがするからだ。

私も兄もそれが霊的なものかまでは分からない。

ただ、そう感じるだけなのだ。

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