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初恋という狂気の日々 第十五章

第十五章 仮面優等生

夏休みが終わり 新学期となった
彼女は本音を吐露した 「クラス委員やったからこそ言うけど苦痛でしかないわ 正直もうやりたくない だけど周りにもう一回って期待されるのも苦痛でしかない」 

その話を聞いた私ともう一人の女子が 期待されることに苦痛を感じてる本人に許可を得て旨を周りに知らせようかと提案したが、そこまでしなくても……という反応で終わった

そうしてクラス委員決めの時間になった 
誰もやる人はいない……………結局 投票で彼女になった

彼女は無の表情で引き受けていた しかしながら その瞳に光はない様に写った

そうして授業が終わり、皆が帰宅なり部活なりで教室から去っていく 私は彼女が気がかりだったので呼び止めた 

振り返った瞬間 無表情だった彼女の顔からどさっと涙が溢れ出す
「いやだよ… もう余計な仕事したくない… 私の意志じゃないのに……なんで…」 彼女が弱々しく私に呟く 

私はどう声をかければ良いかわからず ただ受け止めることしか出来ない  その後も彼女は私の胸で泣きすする… とりあえずこの姿を周りに晒すワケにもいかないので私は女子トイレに行くことと、部活を欠席することを私が代理で伝えるコトを彼女に提案した

彼女は ゆっくりとうなずき すぐ近くの女子トイレに駆け込んでいった  
その間に私が職員室に行き“体調不良なので休むらしいです”と伝え教室に戻ると涙は拭き終わり憔悴しきった様子の彼女がいた 
私は掛ける言葉も見つからず、そばにいつづけた

彼女が口を開いた「もう…気にしないで…」 声色からして無理をしてるのがあからさまだった
思わず私は「無理してない?」と聞いた

そうすると彼女の様子が急変し物凄く強い口調で 「はぁ?あなたは私の何を理解してるの? あなたのせいだから わかってる?」

と私の腕をハンマーの様に強く叩き当たり散らす

私は呆然として「そうだよね 申し訳ない」と謝るしかなかった 
そうすると彼女は我に返り「いや あなたは何も悪くないの……気づかってくれたのに八つ当たりしてごめんなさい…」本気で申し訳なさそうに謝る

さすがにこれで一人で帰らせるのは良くないと思ったので、方角は全く違ったが私は彼女の家についていくコトにした

  彼女の家に着くと 私は事情を彼女のお母さんに話し我が家に帰宅する
この帰宅途中 私の中で“彼女の為に自分が出来ることと言えば身を粉にして寄り添うコトくらいだろう 何かあれば自分が出来るコトをするしかない”と考えた

帰宅して直ぐに私は改めてメールを送った 内容は再度 精神状態の心配とやっぱり抗議すべきじゃないか?という提案をした記憶がある
 返信はすぐに来た  
“ありがとう やっぱり嫌だけど もうどうしようないわ諦めるしかない 不条理だけど学校なんてそんなものでしょ? それにまた八つ当たりとかをしてテラバドに迷惑をかけたくないから心配しないでほしい”という内容だったはず 

私は“本当にそれで良いの? 八つ当たりは気にしてないし、俺が我慢すれば良いだけだから やって構わない”みたいな返信をした
そうして そのまま彼女の溜まりに溜まった不満や愚痴を金曜日だったので深夜2:00くらいまで聞き続けた 

その日私は、彼女のストレスは相当なモノで表面上は優等生が故に本心がバレない演技をしていたのだと気づかされた



そして叩かれた腕の感触がまだ残っている……痛みはないが私の中で忘れることはできなかった 
“そこまで辛いなら私が我慢することで少しでも心の支えとなれれば良い 君は私と違って素晴らしい人間だから 私が対等になれるわけがないし……”

この考えを基にその日から私は彼女を崇拝し始めた

この記事時点での時系列 中学1年生 秋 出会って4年以上


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